今回のブログでは、「仕事の断捨離」について考えてみたいと思います。
仕事の断捨離とはすなわち業務の効率化のことです。
これまでのブログでも何度かお話ししたことがありますが、業務の効率化は円滑な経営において非常に重要といえます。
現在の仕事の進め方を見直さずに、ルーティンでダラダラと続けている業務はありませんか。
また、一向に成果が見られないのに、「いつか成果が出るかもしれない」と惰性で取り組んでいる業務もあるかもしれませんね。
一定期間試してみて成果が出ない仕事は、私は容赦なく断捨離すべきだと考えています。
ただ、そうは言っても部屋の収納と同じく、なかなか整理できない仕事があることも事実です。そこで今回は仕事の断捨離の方法についてお話ししていきたいと思います。
労働と仕事の違い
仕事の断捨離を成功させる第一歩として、今あなたの目の前にある業務を「仕事」と「労働」に分けましょう。このふたつは混合されがちですが、ドイツの哲学者であるハンナ・アーレントは著書の中でそれぞれを明確に定義しています。
原文のままだと非常にわかりにくいので、私なりにかみ砕いてみると、
- 仕事=消費以外の価値を生み出すための活動
- 労働=生活や消費のために仕方なく取り組んでいる活動
ということになります。一概に「仕事だけに取り組むべき」「労働は無駄」と言うわけではありません。成果を得るためには、労働をしなければならないこともあるでしょう。しかし、成果が出ていないのに仕方なく取り組んでいる労働は精神的にも肉体的にもストレスであり、本業へのモチベーションを下げてしまうことになりかねません。
今あなたが「ストレス」だと感じている「労働」はありませんか?もしあまり乗り気ではない業務があれば、それは果たして本当に必要なのか。無意味な「労働」になっていないかどうかを考えてみましょう。
仕事を断捨離に効果的な「4つのC」の考え方
仕事の断捨離はどのようにしていけば良いのでしょうか。私がおすすめしたいのは、アンド・クリエイト代表取締役社長であり、人材育成コンサルタントの清水久三子さんが提言している「4つのC」です。この4つのCでは、まず業務を以下の4つのCに分けることから始めます。
- Cut(切る)…成果が出ない業務をなくす
- Convert(移す)…業務の担当者を変える
- Combine(集める)…分散している業務を一か所に集める
- Create(創る)…新しい仕事を生み出す
どのように進めていけば良いのか、ここからは具体的に解説します。
①Cut(切る)
今ある業務で手いっぱいになっているのであれば、すべて中途半端に手を付けるよりも優先順位が低いものから切っていくほうが業務効率化に有効です。
たとえば、過剰に時間をかけている業務。フルパワーで臨む必要はないにも関わらず、時間をたっぷりかけて100点満点のものをつくろうとしていませんか。仕事への真摯さは重要ですが、頑張りすぎているとかえって効率が悪いものです。今「60点の仕事術」が注目されていますが、それに習ってほどほどに手を抜き、労働時間をカットしてみましょう。
また、状況や飼い主さんからのニーズが変わったのにいつまでも続けている仕事も惰性に陥りがちです。常に「この仕事は本当に必要なのか?」と問いかける姿勢を大切にしましょう。
②Convert(移す)
最近は専門ではない分野の業務を外部委託(アウトソーシング)する流れが主流になっています。動物病院も例外ではありません。受付や経理、清掃スタッフなどは外注すると、その分コア業務に集中できるようになります。また、これまでベテランスタッフが担当してきた仕事を新人スタッフに回すと、ベテランスタッフはよりレベルの高い仕事にチャレンジできるようになり、結果的に業務の進行がスムーズになるでしょう。
ただし、何でも業務担当を変えれば良いというわけではありません。深く考えずに担当を変えてしまった結果、かえってコストがかかってしまったという事例もあります。本当にその業務は担当を変えるべきなのか、じっくり考えましょう。
③Combine(集める)
分散されている仕事というと分かりづらいかもしれませんが、代表的なものを挙げるとメールチェックが該当します。一日に何度もメールチェックをしているとそれだけで集中力が途切れ、本業に支障が出ることがあります。他にもチームごとのミーティングなど、分散されている仕事は意外と多いものです。それらはあらかじめ日時を決め、まとめてこなすようにしていきましょう。
④Create(創る)
最後には仕事を自分側でつくることも考えましょう。今あなたの動物病院が立てている目標は何ですか?それに向かってどのような業務が必要か、明確にすることが大切です。なくすべき仕事が存在する一方で、新しくつくったほうが仕事がないかどうか一度考えてみてください。
仕事の断捨離をすると心がスッキリしてストレス解消にもつながります。業務へのモチベーションも高まっていくかもしれません。今回ご紹介した4つのCをぜひ実践してみてください。