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「何事も基礎基本が大切」という言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。

「そんな当たり前のことを今さら言われなくても……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、動物病院の経営において、基本を徹底することは意外と難しいものです。日々の診療に追われていると、つい慣れや忙しさを理由に、基本的な業務をおろそかにしてしまうことがあります。

かく言う私自身も、忙しかったり面倒だと感じたりすると、基本を怠りそうになることがあります。

そこで今回は、自分自身への戒めも込めて、ビジネスで基礎基本が大切といわれる理由と、動物病院の経営者が意識したい4つの基本行動についてお話ししたいと思います。

そもそもなぜ基礎基本が大切なのか

芝生のフィールドの近くの道路を走っている男

「基礎基本が大事」であることは勉強、スポーツ、そしてビジネスとさまざまな分野で言われていますが、その理由を説明できる人は決して多くはありません。ここでは改めて基礎基本の大切さを考えてみたいと思います。

自信を植え付けることができる

基礎基本が身についていると、「それだけ自分は頑張ってきた!」と自信が持てるようになります。自信が持てれば、少々の無理難題やイレギュラーが発生しても、焦ることなく対応できるようになるはずです。さらに言えば、基本ができていると周りからも信頼を得て、良好な人間関係を築きやすくなるでしょう。

業務スピードが上がり、経営効率が高まる

当然のことながら、慣れている業務であればあるほど仕事のスピードは上がります。ルーティンワークこそ基礎基本を強固なものにして、短時間で済ませられるようにしたいものです。業務のスピードが上がれば余った時間を他の業務に割くことができ、効率的な経営を実現できるでしょう。

ルーティンワークの見直し方については以下の記事で触れていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:ルーティンワークこそ見直して業務効率化を図ろう

イレギュラーな場面でも冷静に判断できる

自信が生まれることによって、周りの情報や噂に振り回されることなく、冷静に客観的な判断ができるようになります。周りを見ることができれば応用も効くようになり、難易度の高い業務にも積極的に取り組めるようになるはずです。

動物病院の経営で大切にしたい4つの基本行動

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一流のプロ野球選手でも毎日素振りは欠かさないとよく言いますよね。スポーツの基礎基本はわかりやすいものですが、ビジネスにおける「基礎基本」の定義はわかりにくいと感じる人もいます。肝に銘じておきたい「基礎基本」とはどのようなことでしょうか。

挨拶を徹底して良好な人間関係を築く

誰にでもできる基礎基本でありながら、意外にきちんとできていない人が多いビジネスマナーと言えば挨拶です。そのときの気分で声の大きさが違ったり、相手の目を見ずに口だけであいさつをしていたりすることはありませんか。飼い主さんだけではなく、院内のスタッフや外部業者にもあいさつをきちんとしていますか。「あいさつは心の窓を開く鍵」という言葉の通り、あいさつはすべてのコミュニケーションの基本です。そしてビジネスに欠かせないものです。まずは1日きちんとすべての人にあいさつできているかどうか、振り返ってみましょう。

経営理念や院内のルールを守る

皆さんの動物病院には、経営理念や院内のルールが定められているでしょうか。「飼い主さんに寄り添う」「動物の健康を第一に考える」など、病院によって大切にしている考え方は異なると思います。

しかし、どれほど立派な理念を掲げていても、日々の業務で実践されていなければ意味がありません。特に、経営者自身が理念やルールを軽視していると、スタッフにもその姿勢が伝わってしまいます。

例えば、飼い主さんへの丁寧な対応を理念に掲げているのであれば、院長自身が忙しいときでも、相手の話に耳を傾ける姿勢を見せることが大切です。

以前は朝礼で社訓や経営理念を唱和する企業も多く見られましたが、形式的に繰り返すだけでは十分とはいえません。大切なのは、理念に込められた意味を理解し、具体的な行動につなげることです。ときにはスタッフと一緒に理念やルールを振り返り、日々の業務に活かせているか確認してみましょう。

報連相を徹底して情報共有のミスを防ぐ

ビジネスのもっとも基本的なコミュニケーションである「報告・連絡・相談」をまとめた言葉が「報連相」です。これもあまりに基本的過ぎるがために、ついおざなりになってしまうことも。「何度も足を運んでくださっているから」と常連の飼い主さんへの報告を省略したり、「もうわかっているだろう」と自己判断してスタッフへの連絡を怠ったり…。しかし、これが後々トラブルへと発展する火種になることがあるのです。これを読んで思い当たる節があるあなたは、1日報連相を意識して過ごしてみて下さい。おそらくあなたが思う以上に報告・連絡・相談が必要なシチュエーションがあるはずです。

PDCAを回して業務改善を続ける

これは新しい施策やキャンペーンを行うときに心がけておきたいものです。PDCAとはPlan(計画)・Do(実行)・Check(確認)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、仕事の基本的なフローのこと。

例えば、毎年実施している健康診断キャンペーンについて考えてみましょう。開始当初は、実施時期や案内方法をじっくり検討し、終了後には受診件数などを確認していたかもしれません。

しかし、何年も続けているうちに「今年も去年と同じ内容でよいだろう」と、振り返りを省略してしまうことはありませんか?飼い主さんのニーズや競合する動物病院の状況は、少しずつ変化しています。過去に成果が出た取り組みだからといって、今後も同じ結果が得られるとは限りません。

だからこそ、計画を立てて実行したら、その結果を検証し、次の取り組みに活かすことが大切です。PDCAは新しい施策だけでなく、日常業務の改善にも活用できます。慣れた仕事ほど、定期的に振り返ることを意識しましょう。

PDCAを考えるポイントは、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:結果が出ない時こそプロセスから原因を探るべき

基礎基本を習慣化するために意識したいこと

ここまで紹介した内容は、どれも特別に難しいものではありません。むしろ、ビジネスに携わる人であれば、誰もが一度は学んだことのある基本的な行動ばかりでしょう。

しかし、基本を「知っていること」と「実践し続けること」は別物です。忙しい日々のなかで基本を忘れないためには、定期的に振り返る習慣をつくることをおすすめします。

例えば、毎月1日を「基本を見直す日」と決めて、挨拶や報連相、経営理念の実践状況などを確認してみてはいかがでしょうか。また、スタッフとのミーティングで「今月は基本的なことができていたか」を話し合うのもよいでしょう。

一度にすべてを改善しようとする必要はありません。まずは自分ができていないと感じることをひとつ選び、意識して取り組んでみてください。小さな行動を積み重ねることが、やがて大きな成長につながっていくはずです。

院内での教育方法については、以下の記事が参考になりますので、ぜひお読みください。

関連記事:院内の緊張感を保つために心がけたい5つのポイント

基礎基本を大切にして動物病院の経営に活かそう

基礎基本を大切にすることは、動物病院の経営を安定させ、さらに成長させるための重要な要素です。挨拶や報連相、経営理念の実践、PDCAなど、どれも特別な知識や設備がなくても取り組めることばかりです。

しかし、日々の診療や経営業務に追われていると、こうした当たり前のことほど後回しになってしまうものです。私自身も、基本を完璧に実践できているとは思っていません。だからこそ、ときには初心に立ち返り、自分の行動を振り返ることが必要だと感じています。

新しい経営手法や集客施策に目を向けることも大切ですが、その前に、今できているはずの基本を見直してみましょう。基礎基本を丁寧に積み重ねることが、飼い主さんやスタッフからの信頼につながり、ひいては動物病院の経営を支える力になるのではないでしょうか。

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