Survey, Interview, Questionnaire, Market, Research

前回、前々回のブログではエモーショナルマーケティングの意義についてお話しました。

その際には、消費者の購買意欲を高めるニーズとウォンツの重要性をお伝えしたかと思います。

あなたの動物病院にも日々たくさんの飼い主さん&ペットが訪れて来るかと思いますが、その方たちは、動物病院に何を求めているのか、この機会に一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。

飼い主さんが求めるものと、こちらが提供しているものが微妙にずれていると、飼い主さんの獲得や売上の拡大につながっていきません。

今回は飼い主さんのニーズとウォンツを明確にするアンケート調査についてお話したいと思います。

顧客の声(VOC)を集める重要性

顧客から企業に寄せられる意見や要望、クレームはVoice Of Customer(VOC)と呼ばれています。飼い主さんからの率直な意見を聞くことによって、自社の製品やサービスの魅力や課題に気づくことができ、次回以降の商品開発に役立てることができます。

また、それだけではなく制作側が気づかなかった顧客のニーズを知ることが、新しい商品のヒントにつながるかもしれません。反対に市場に求められていない商品・サービスについても知ることができ、不人気商品の発生を予防することができます。

動物病院でも飼い主さんのニーズは年々変わっていくものです。昨年トレンドだった商品が、今年になってからまったく売れなくなってしまったというのはよくある話です。そのため、アンケート調査は定期的に行って、最新のVOCを集めるようにしましょう。

アンケートを取るステップ

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飼い主さんからのアンケートを取る際には、まず目的を設定することです。例えば新商品の開発やプロモーションのために取るのであれば、あなたの動物病院の長所などポジティブな質問項目をたくさん設けて、強みを見つけ出す必要があります。反対にスタッフの対応改善や炎上防止を目的にしているのであれば、課題や改善点など、ネガティブな意見も聞き出せる質問構成にしましょう。

 

目的を決めたら、いよいよアンケートを実施していきます。アンケートを取るときに、回答者を選定して、ターゲットを絞ることもありますが、基本的には性別・年代・男女問わず幅広い層から聞き出すと、来院者層がわかって施策も打ち出しやすくなります。動物病院のアンケートと言えば紙のアンケートが一般的で、会計待ちの時間に書いていただく方法が主流ですが、Webを使用する方法もあります。ただし、スマートフォンを使ったアンケートは高齢者にはやや不向きで、回答をしてもらえないおそれもあるので、回答率を高めたいのであれば紙アンケートが確実でしょう。

集まったアンケートの活用方法

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アンケートが終わったら、ざっと回答を読んで終わりにするのではなく、あらゆる角度から分析しましょう。それによって顧客のニーズとウォンツを深掘りできるはずです。もっともわかりやすいのは、情報の数値化です。集まった意見で多いものをランキング形式にして、なぜこの結果になったのか、この結果からどのような商品・サービスを開発すべきか考えてみると良いでしょう。

分析をするときの注意点はふたつ。ひとつはあなた一人で分析をするのではなく、スタッフ全員で分析をするようにしましょう。自分の視点からは気づかなかった飼い主さんの潜在ニーズに気づくスタッフがいるかもしれません。

もうひとつは少数意見も見逃さないこと。どうしても多数派の意見に気を取られがちですが、少数意見に改善のヒントが隠れていることがあります。特に日本人は極端なクレームを避ける傾向にあり、5段階評価でも最低の1を避けて、2にすることがあります。もしかしたら少数意見が、飼い主さん全体の本音であるかもしれないと考えて、少数意見にも目を通すようにしましょう。

アンケート結果でトライ&エラーを繰り返す

アンケート結果の分析が完了したら、「この商品がいけるかもしれない」「このサービスを受けるかもしれない」と仮定し、検証をしていきましょう。アンケート結果に基づいた仮説であったとしても、100%うまくいくとは限りません。むしろ最初はうまくいかないことのほうが多いものです。それも諦めることなく、微調整を重ねながら検証していくことで成功に近づいていくでしょう。

 

飼い主さんが本当に求める動物病院を実現するためには、利用者である飼い主さんから意見を募るのが一番だと考えます。飼い主さんからの声を集める方法はいくつかありますが、今回紹介したアンケート調査はもっとも簡単かつ確実な方法といえます。新商品の開発を考えている方、サービスの方向性の転換を検討している方は、ぜひ今回紹介したポイントに気を配りつつ、アンケートを実施してみてください。

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