獣医師としての仕事を続けながら、余暇や空き時間を利用して何かしらの勉強をしている方は多いかと思います。
勉強というと、いまだに学生時代の暗記中心の学習方式が抜けない人が多いですが、社会人の勉強でこのスタイルはあまりおすすめできません。
経営の勉強であっても、獣医師としての勉強であっても、そこで学びの原理・原則を考えられなければ、成長はしていかないです。
今回は社会人として、また一人の経営者として勉強する時に心がけたい方法についてお話ししたいと思います。
勉強の成果をなかなか感じられない人はぜひ参考にしてください。
原理・原則の学びはなぜ大切か?
勉強における原理・原則の学びとは、「物事の本質に適った考え方」と言えます。それでは、なぜこの原理・原則の学びが重要と言えるのでしょうか。それは私たちが学生時代に中心としていた、公式や単語などの「暗記の学び」には汎用性がなく、未知の課題に対しては応用力がないためです。
数学や歴史の問題には答えがひとつしかありませんが、仕事や人間関係の答えは千差万別で、決してひとつではありません。そのことを理解できずに、「これが正しい」とばかりに知識だけを詰め込んでしまっても、うまくはいかないでしょう。経営者であるあなたは、これまでも何度か答えのない課題に突き当たってきたはずですし、それはこれからも続いていくはずです。その課題に立ち向かうためには、物事の本質を学んで幅広い問題を解決できるような応用力を身に付けていくことが重要といえます。
物事の本質を学ぶためには
物事の原理・原則の学びは非常に重要ですが、公式と違って明確なものがなく、勉強しづらいことも確かです。「何を学べば良いのか、どこに着眼したら良いのかわからない」という人も多いでしょう。そのようなあなたには、まず本質について説かれた書籍を読むことをおすすめします。
特に以下の2つの書籍は、物事の本質を学ぶために非常に有効といわれているため、ぜひ目を通してみてください。
「人を動かす」
「動物病院内での人間関係がギクシャクしている」「飼い主さんとのコミュニケーションがうまく取れない」など、人との関係性にお悩みの方におすすめなのがデール・カーネギー著の「人を動かす」です。アメリカの対人スキル養成セミナー講師であったカーネギーが、コミュニケーションスキルを高める方法をまとめたこの書籍は、以下の内容で構成されています。
- 人を動かす三原則
- 人に好かれる六原則
- 人を説得する十二原則
- 人を変える九原則
- 幸福な家庭をつくる七原則
この目次を見てもわかる通り、いずれも原則に則ってコツが解説されているため、人間関係を築くうえでの基礎をすぐに学べます。汎用性も高く、書籍を読んで学んだことを実践でも活かしていけるでしょう。パートごとにササっと読むことができるため、時間がないあなたや、読書の習慣がないあなたにもおすすめです。
「7つの習慣」
世界中で4,000万部以上、日本でも240万部以上のベストセラーを記録している「7つの習慣」。初版が販売されたのは今から30年以上前のことですが、日本では数年前に読みやすい漫画版が販売されたため、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この「7つの習慣」では、長期的・継続的に結果を得るためには原則があると考えた著者のスティーブン・R・コヴィー博士が、その原則を体系的にまとめています。「7つの習慣」を読むときに意識していただきたいのは、課題は自分を取り巻く周辺環境にあるのではなく、自分自身のなかにあるということ。それを理解し、7つの習慣を身に付けていくことで、成功の原則にも気づいていけるはずです。
経営や人間関係、仕事の進め方など、さまざまな課題に応用できるオールマイティな啓発本になっているため、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
原理・原則の学びを身に付けるためには基礎知識も重要
物事の原理や原則を理解するためには、その分野に関する基礎知識も身につけていなければなりません。例えば動物病院の診療サービスの課題を考える際に、診療項目の内容や料金体系を知らなければ、そもそもの原則を理解することはできませんよね。暗記ばかりしていては本質に気づくことができませんが、十分な専門知識を身に付けている人は、物事の原理・原則への気づきや習得もスムーズにいくはずです。
周りの意見にも耳を傾けて物事の本質を意識しよう
今回は勉強するときに最優先したい「原理・原則」の大切さについて解説しました。ひとりよがりの考えに走っていては、いつまで経っても物事の本質に気づくことはできないと考えます。今回ご紹介した2冊の書籍を参考に、物事の原理・原則について一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。本質の大切さに気付いたとき、経営者としてワンランクアップできるはずです。