Yoga, Meditation, Fitness, Mindfulness

ここ数年で、「マインドフルネス」という言葉をよく聞くようになりました。

マインドフルネスとは「今目の前にあることに全力で集中する姿勢」のことです。

私たちは日々多くの仕事や雑事に追われていて、目の前のタスクに集中できないことが多々あります。

スマートフォンの普及により、いつでも誰とでもつながれる世の中になったことも、集中力の低下の要因と言われています。

しかし、集中力がそがれ、目の前の重要な仕事がおざなりになっていると、医療ミスや誤発注など、さまざまなトラブルを招きかねません。

そのようなことがないように、今回は目の前の仕事に対して一所懸命になることの大切さと方法についてお話したいと思います。

マルチタスク=有能は間違い?

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仕事ができる人の条件として、「マルチタスクができる人」が挙げられることがあります。マルチタスクを獣医師で例えると、診療サービスを提供しながらパソコンの入力作業を進める、看護師の話を聞きながら書類の整理をする、といったところでしょうか。複数の仕事を同時に進められる人は、確かに時間を有効活用している印象を受けます。

しかし、最近この「マルチタスク=有能」論に異論を唱える人も増えてきています。人の脳はマルチタスクできるようにはできておらず、ひとつの作業しか同時にできないと言うのです。

確かに自分自身を振り返ってもふたつの仕事をしているときでも、必ずどちらかに重点が置かれているような気がします。さらに悪いことに、ふたつの仕事のどちらにもさほど気持ちが入っていないということもあるほどです。

このような半端な仕事のこなし方では、自分の仕事に自信が持てないと気づいた私は、あるときからマルチタスクを避けるようにしたのです。とにかく目の前にある仕事や、向き合っている飼い主さんに注力するシングルタスクスタイルを継続した結果、満足感が高まり、自分の仕事に自信を持てるようになりました。具体的にどのような効果があったのか、ここから説明していきます。

目の前の飼い主さんに対してベストを尽くせる

診療しながらパソコンの入力作業を進めていると、どうしても飼い主さんの説明を聞き逃してしまうことがありました。聞いているつもりでも、知らず知らずのうちにパソコンの画面に意識が向いてしまっているのですね。何度も聞き返すことになれば、当然飼い主さんも不信感を覚えます。また、目線がパソコンのほうに行っていることで、飼い主さんとの会話が少なくなり、心を通わすことができなかったのです。

以前のブログでもお話ししましたが、飼い主さんは動物病院に安心感を求めているものです。それもスムーズなコミュニケーションが取れなければ、当然飼い主さんは離れていきます。

これに気づいた私は診療中のマルチタスクはやめて、目の前の飼い主さんに100%注力する姿勢へと改めました。不思議なもので、全力で集中しようとすることで、その飼い主さんの助けになりたい、飼い主さんが100%満足するようなサービスを提供したいと、より強く思うようになったのです。これは大きな変化と言えます。

こちらが心を通わせようとしたことで、飼い主さんも心を開いてさまざまな相談をしてくれるようになりました。そこで見つけた課題の解決法を提案し、さらに信頼関係が深まる…という好循環を生み出せるようになったと考えています。

一所懸命な姿勢は相手に伝わるものです。たとえ動物病院が忙しく、診療時間を長く取れないというときにも、そのわずかな時間で全力集中ができるように意識を変えてみましょう。

集中力は日々の訓練で身につくもの

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ここまで読んだあなたは、「仕事のときだけ目の前のことに集中すれば良い」と思われたかもしれません。しかし、これもまた大きな間違いです。目の前の仕事に集中することは一見簡単なようで、なかなか習慣になるものではありません。

集中力が途切れやすい人は何をしても気持ちが長続きせずに、他のことに意識がとられがちです。普段食事をしながらスマートフォンを見たり、テレビを見ながら事務作業を進めていたりしませんか。こうした日々の習慣の積み重ねが、少しずつ集中力を低下させていくのです。

心当たりのある方は、仕事でもプライベートでも、まずは目の前のことに集中するように意識をしましょう。診療時以外のスタッフや業者との打ち合わせ時には人の話に全力で耳を傾け、事務作業時にはひたすら目の前の業務に集中してください。そうすることで失われた集中力を取り戻せるはずです。

 

今回は目の前のタスクに集中することの大切さをお伝えしました。特に診療など、人と向き合う際には、集中する姿勢を見せることが良い仕事へとつながります。マルチタスクが当たり前になっている方は、ぜひ日々の習慣から見直してみてください。

 

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