やり抜く力（グリッド）を身に付けるための4つの方法

2022年12月1日 2022年12月1日

大野裕司

突然ですが、あなたは仕事において一度「やる」と決めたことを、どの程度やり遂げられていますか。

ひとつやふたつくらい、計画倒れに終わってしまった仕事もあるはずです。

「時間がないから」「手間がかかるから」「なんとなく気が進まないから」など、理由はさまざまですが、やはり一度決めた仕事は最後までやり抜くべきだと考えます。

アメリカ・ペンシルベニア大学心理学部のアンジェラ・ダックワース教授は、さまざまな成功者にインタビューしたところ、ほとんどすべての成功者には「やり抜く力」が備わっていることを発見しました。

このインタビューをきっかけに、教授は「やり抜く力（＝グリッド）」のメカニズムを追究するようになり、著書までを刊行しています。

著書によるとやり抜く力は後天的なものであり、今すぐに諦めてしまう人でもトレーニングを積み重ね、考え方や行動を変えることによって身に付けることが可能です。

今回はその方法やポイントについて解説していきます。

やり抜く力を伸ばすための4つのステップ

ダックワース教授は著書の中で、やり抜く力を伸ばすためには4つのステップが欠かせないと説いています。成功者の多くが備えているという、この4つのステップをひとつずつ説明していきます。

1.興味を持てる仕事を見つける

途中で計画を諦めてしまう人は、そもそもその計画に対して興味を持てていなかった可能性大です。気が向かず、いやいややっているからこそ、長続きせずに理由を付けて諦めてしまうのですね。反対に好きなことや興味の持てることであれば、すぐに成果を得られなくても情熱をもって続けていくことができます。

この考えをもとに、新しい施策を考えるときには、まず自分の好き・嫌い（もしくは興味が持てる・持てない）に分類して、ひとまず良いと思ったことから始めていきましょう。好きなことを続けていくことで自分が選んだ道に自信を持てるようになり、成果が出るまで続けられるようになるのです。効果が一向に出なければ、途中でやめてしまっても構いません。その際には次に続けられそうなものを選んで、どんどんトライ&エラーを繰り返していきましょう。

2.練習を積み重ねていく

どんなに好きなことであっても、すぐに結果を得られるわけではありません。結果がすぐには出ないからこそ、夢中になれるのかもしれませんね。スポーツや楽器もそうであるように、ビジネスにおいても日々の練習が欠かせません。明確な目標を設定して、それを達成できるように日々チャレンジを積み重ねていきましょう。あなたが持っている今のスキルよりもやや高い目標を設定するのが長続きのためのコツです。失敗したのであれば、どこに問題があるのかを考え、うまくいくようになるまで何度でも繰り返していきましょう。

3.目的を定める

人は目標や目的があると、より強い力を発揮するものです。「あの動物病院みたいになりたい」「動物病院を活性化させて、毎月〇名の飼い主さんに来てもらえるようにしたい」など、明確な目的を持つことによってモチベーションを上げることができます。

あなたの動物病院の目的はどこにあるのか、またなぜそのように思っているのかを冷静に分析することによって、目指すべきゴールが見えてくるでしょう。

4.希望を持つ

「希望を持つ」ことは「ポジティブマインドに切り替える」ことと言い換えても良いでしょう。興味の持てることであったとしても、なかなか成果が出なければ、諦めたくなることもあるでしょう。それは人間として当然の心情です。しかし、そこで挫折するのではなく、強い気持ちを持つことで継続できるようになります。

希望を持つためには、まずは「人は必ず変われるんだ」と信じる成長思考を持つこと。そして、物事を楽観的に考える思考もまた必要です。このふたつの思考を兼ねそろえた人は逆境にも強く、粘り強さをもって決めたことに取り組んでいけるでしょう。