テーブルに置かれた MacBook Pro、白いセラミック マグカップ、黒いスマートフォン

中小規模の企業や店舗の経営者は、しばしば「利益と売上のどちらを優先すべきか」という問題に突き当たるものです。

動物病院を経営しているあなたも同じ悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

結論から述べると、利益を優先すべきだと私は考えます。

利益率の高い経営戦略を策定し、実行していくことで多くの利益を確保できるようになるはずです。

 

しかし、利益が大切だからと言って、決して売上を無視して良いわけではありません。

今回は売上と利益のそれぞれをバランスよく上げていく方法や、利益を優先したときのメリットについてお話したいと思います。

ぜひ参考にしてください。

利益とビジネスの関係性

経営者であるあなたに今更説明するまでもないかと思いますが、

利益=粗利(売上―原価)-経費(販管費)

です。

 

たとえ売上金額自体がさほど高くなかったとしても、利益率が高ければ安定した利益を期待できます。そのため、サービスや商品数が限られている中小企業や個人商店はひとつひとつの商品開発やサービスに力を入れて、安定した利益を確保しようとする傾向にあります。たとえば原価1,000円のペット用シャンプーを10,000円で売ることができれば、そのシャンプーには9,000円分の付加価値があると言えるのです。この利益、利益率の高さはあなたが行っているビジネスの成功を表していると言えるでしょう。

 

反対にこのシャンプーを1,100円程度の価格でしか売ることができなければ、ビジネスとしての付加価値はわずか100円であり、失敗と言わざるを得ないでしょう。このような商品を販売し続けていても、売る側のモチベーションは下がってしまいますよね。

 

このように商品・サービスの利益は、あなたのビジネスの成否を表す指標と言えます。今もし利益がほとんど出ていない商品・サービスがあれば、一度内容を見直してみると良いでしょう。

売上よりも利益を重視すべき3つの理由

ペンオム紙

売上高よりも利益を重視すべき理由は、主に3つです。まず、商品・サービスの利益率を低く設定していると、原価が高騰したときに大きな痛手を受けることになります。ここ数年は新型コロナウイルスなどの影響で物価高が続いており、利益が縮小している企業も多いと聞きます。価格を上げる手段もありますが、それによって顧客離れが起こる可能性もゼロではありません。それであれば最初から余裕を持って商品の利益率を高く設定しておいたほうがいいでしょう。

 

また、これは中小企業にありがちですが、売上だけを伸ばしていると現場のスタッフが激務に追われ、その割に見返りが少ない…という事態に陥りやすいのです。これでは現場の士気が下がってしまいますよね。売上だけを見るのではなく、必ず利益も確認するようにしましょう。

 

最後に個人が経営する動物病院は大企業とは違って商品・サービスのシェアが取りにくいという問題があります。利益率が低くてもたくさん販売することで多額の利益を確保する、いわゆる「薄利多売」戦略は、中小企業や個人商店には難しいものです。それよりも高利益商品をいくつか打ち出していったほうが適切と考えます。

 

ここまでで利益確保の重要性をお伝えしましたが、決して売上金額を軽んじてもいいというわけではありません。売上の数字はそのままあなたの動物病院の財務力を表すものであり、同時にビジネスの規模を示す指標でもあります。利益が出ていて、なおかつ売上が多い動物病院であれば、金融機関からの融資も受けやすくなるのです。あなたがこれから動物病院の規模を拡大していきたいと考えているのであれば、売上も必ず確認するようにしてください。

利益を上げるためのポイント3つ

テーブルに座っている女性

利益の重要性を説明したところで、ここからは動物病院の利益を上げるためのポイントを3つ紹介したいと思います。

 

まずは、あなたの動物病院が提供するサービスや商品に希少価値を持たせることです。相場と比べて価格が高い商品でも、魅力的で他の動物病院が扱っていないものであれば、特別な販促活動を行わなくても安定的に売れるようになるはずです。動物病院であれば診療サービスの内容を工夫して、近隣の動物病院にはないメニューを取り入れてみてはいかがでしょうか。「診療+トリミングサービス」「ペットホテル+予防接種」など既存メニューを組み合わせてみるとおもしろいかもしれませんね。

 

また、リピーターの飼い主さんに利益率の高い商品をおすすめするという手もあります。新規の飼い主さんとは少し違ってリピーターの方は、あなたの動物病院に信頼をおいているため、商品をプッシュすれば購入していただける可能性大です。せっかく勧めるのであれば利益率の高い商品を優先しておすすめしましょう。

 

最後に利益率の高い商品とそうではない商品をバランス良く取り扱うことです。以前もブログで紹介した「松竹梅の法則」に則って、同系統の商品を3つのランクでそろえると、飼い主さんも手に取りやすくなるでしょう。

 

今回は利益を重視することの大切さをお伝えしました。安定した利益を確保できるようになれば、あなたの動物病院も経営の幅が広がっていくでしょう。ぜひ実践してみてください。

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