獣医師であるあなたは飼い主さんに動物関連の商品をおすすめするとき、どのようなことを伝えますか?
価格、使い方、効果・効能はもちろん伝えているかと思いますが、それだけで購入してもらえるほどセールスは簡単ではありません。
購入を迷っている飼い主さんへの最後の後押しとなるのは、その商品の「こだわり」にあります。
しかし、この商品のこだわりは伝え方を一歩間違えると「胡散臭い」「押しつけがましい」と受け取られてしまうことも。
そうならないように言い回しを考えて、少し慎重に伝えるようにしましょう。
今回は商品のこだわりを伝えるポイントを紹介します。
商品の「こだわり」を伝える必要性
実店舗だけではなくオンラインサイトでも気軽にショッピングができる今の時代、商品があふれていて消費者は非常に賢くなっています。ひとつの商品を購入する際にも他の商品と比較したり、口コミサイトを見たりして慎重に購入を決定しているのです。そのような時代にありきたりな商品や評価が低い商品を勧めても、簡単には購入してもらえないでしょう。
飼い主さんに興味を持ってもらうためには、あなたが自信を持って勧められる、こだわりの商品を積極的に勧めるのが良いと考えます。それであればセールストークも弾みやすいですし、良い商品を広く知ってもらえるようになるからです。
しかし、前述の通り、ただこだわりを伝えるだけでは興味を持ってもらえないばかりか、不信感を抱かれてしまうことも。あなたの想いを相手に確実に届けるためには、こだわりの伝え方にもひと工夫が必要なのです。
こだわりとして伝えたいポイント①商品のベネフィット
ベネフィットとはその商品を購入することで得られる効果や利益のこと。動物病院の商品を勧めるときには、必ずこのベネフィットを伝えるようにしましょう。ここで気を付けたいのが、ただ効果を口にするだけではこだわりが伝わらないということ。例えばペット用のシャンプーを勧める際、「このシャンプーにはトリートメント効果や速乾性がありますよ」だけでは、飼い主さんが購入するメリットがわかりづらいですよね。それよりも「このシャンプーにはトリートメント効果があって速乾性が高いので、ワンちゃんの毛を乾かす時間を短縮できますよ」と伝えたほうが商品の魅力がよく伝わると思いませんか?
その商品を購入した人がどのようなベネフィットを得られるのか、その商品のこだわりは飼い主さんにどのようなメリットを与えるのか、一度よく考えてみましょう。
こだわりとして伝えたいポイント②他の動物病院との違い
どんなに素晴らしく、高い効果を期待できる商品だとしても、他の動物病院が似たような商品を販売していれば、競争は激しくなります。他社のほうが価格が安かったり、デザインが優れていたりすればなおさらでしょう。
他社商品とかぶらないように、あなたの商品がこだわったポイントはどこにありますか?飼い主さんが他社商品と迷っている場合、あなたの商品のこだわりをわかりやすく伝えることができれば、格段に購入してもらいやすくなるはずです。
ここで注意したいのが、価格をこだわりポイントにはしないこと。リーズナブルに設定してもライバルがより安価に設定してくる可能性がありますし、あまりに安すぎる商品の購入は避けたいという人も珍しくありません。それよりもパッケージデザインや効果・効能の数など、マネされにくいこだわりポイントをたくさんアピールしましょう。
こだわりとして伝えたいポイント③商品を選ぶ理由
魅力的な商品だからと言って、必ずしもすべての飼い主さんが手に取るわけではありませんよね。「価格が高いから」「今は悩んでいないから」など、購入しない理由はさまざまですが、なるべくたくさんの飼い主さんから購入してもらえるように一押しをしましょう。期間限定キャンペーンを実施したり、特典を付けたりと、こだわりポイントをプラスすることによって飼い主さんがその商品を選ぶきっかけが生まれます。
品質やデザインは良いのにイマイチ売れ行きが良くないという商品があればキャンペーンなどを企画して、飼い主さんが購入しやすいきっかけづくりをしましょう。
こだわりとして伝えたいポイント④商品のストーリー
ヒット商品には成功に至るまでのストーリーがつきものです。「〇回もの試作を得て完成した商品」「世界に〇つしかない成分を使ったアイテム」など、その商品が生まれた経緯がわかると愛着が生まれ、欲しいなと人は思うようになります。ストーリーのなかにこだわりを感じてもらえるようになるのです。そのため商品の魅力を伝えるときには、ストーリーを織り交ぜて紹介すると良いでしょう。
商品のこだわりを伝えることによって、飼い主さんの購買意欲をそそることができます。良い商品であるにもかかわらずイマイチ売れ行きが良くない商品は、アピールが足りていないのかもしれません。今回紹介したポイントを押さえて、商品の魅力をより強く伝えていきましょう。