今回はエモーショナルマーケティングの第二弾といきたいと思います。
前回のブログでは、ニーズ(Needs)だけを重視していては、飼い主さんに商品のインパクトを与えられない。
実際に手を取ってもらうためにはウォンツ(Wants)が重要とお伝えしました。
しかし、商品の購買促進には、ニーズも重要な要素であることもまた事実です。
特にペットの命を預かり、信頼性が重視される動物病院においては、ニーズは非常に重要なポイントといえます。
ニーズとウォンツを兼ねそなえた商品を完成させるためには、どのような点に気を配ると良いのでしょうか。
今回はこのふたつを兼ねそなえ、見事に大ヒットを記録したあの商品を参考に、商品販促のコツを考えてみたいと思います。
iPhoneに見る大ヒット商品の販促事例
ウォンツとニーズを兼ねそなえ、大ヒットを記録した商品の事例としては、iPhoneが有名です。初代iPhoneが発売された2007年6月29日から15年もの月日が流れましたが、いまだ衰えは見られず、すっかり私たちの日常の必需品として定着しましたね。
携帯電話とパソコンの機能を兼ねそなえた端末として登場したiPhoneですが、ヒットの理由は利便性だけではありません。携帯電話とパソコンの機能を兼ねそなえている端末として、Apple社はiPhone以前にPDAのNewtonを発売していましたが、まったくヒットしませんでした。これはニーズを満たしていても、ウォンツを満たすことができなかった典型的な事例と言えるでしょう。
Apple社はこの失敗を踏まえ、iPhoneをリリースするときには機能性よりもスタイリッシュさを前面に押し出しました。その結果、大ヒットにつながったのです。
やがてiPhoneの利便性や機能性の高さが評価されるようになり、現在は世界中の人にとっての必需品となっています。これはウォンツがニーズにつながった結果と言えるでしょう。
ウォンツだけを満たしている商品は、最初の掴みこそ良くても、やがて飽きられてしまいます。長く使い続けていただくためには、やはりニーズも重要です。一時的な流行りで終わらせないように、ニーズとウォンツを兼ねそなえた商品展開を考えていきましょう。
長く愛される商品をつくるためには
ここからはウォンツとニーズを兼ねそなえた商品づくりの方法を考えていきます。これから新しい商品やサービスを長く定着させていきたいと考えているあなたは必見です。
アンケート調査をしやすいものを選ぶ
ニーズは潜在的な要素も大きいことから、アンケート調査で浮き彫りにするのは難しいと考えられています。しかし、ウォンツは「〇〇をしたい」「××を解決したい」という飼い主さんの想いをアンケートで浮き彫りにしやすい傾向があります。最初はウォンツで飼い主さんの興味を惹く必要がありますので、シャンプーやトリートメントなど、飼い主さんにとって身近な商品づくりを考えてみましょう。ニッチな商品はそもそも飼い主さんの興味をそそりにくく、失敗に終わる可能性があります。
競合がいないサービスを選ぶ
競合がいないサービスをリリースした場合、ヒットすればあなたの動物病院のオリジナルとして定着する可能性大です。私の動物病院では、予防接種の回数券を販売しておりますが、周りで同様のサービスを展開している動物病院がいないことから、飼い主さんも他院に目移りすることなく、定期的に購入していただけている印象を受けます。
iPhoneもリリース当時はほとんど競合が存在せず、スマートフォン市場を独走することができたと言われています。他に比べる相手がいないという状態は、「あの商品と言えばあの会社!」というイメージを消費者に植え付けやすく、ロングセラーにつながっていくと考えます。あなたの動物病院のブランディングにも有効です。
広告活動を積極的に行う
どんなに優れた商品であっても、話題を呼びそうな画期的な商品であったとしても、飼い主さんに知ってもらわなければ、商品の売上は上がっていきません。特に新商品は最初知名度がゼロの状態であるため、広告活動を積極的に行って、知ってもらうことから始めましょう。ダイレクトメールを打つ手もありますし、新商品販売キャンペーンとして格安価格で売る手もあります。前回のブログでも紹介したように、キャッチコピーを工夫して、たくさんの飼い主さんを惹きつけましょう。広告のなかでは商品の利便性や信頼性をしっかりアピールしてくださいね。
ウォンツが転じてニーズになるような商品・サービスを意識してつくることによって、あなたの動物病院ベストセラー商品が生まれるかもしれません。ひとつベストセラー商品が生まれると、あなたの動物病院の知名度も上がっていきます。ぜひ商品開発や広告活動の参考にしてくださいね。