心

頑張って生きる人間と、一緒に生きている動物たちが集まる動物病院はあったかい雰囲気なんだろうな!
そんなイメージを持って動物病院を訪れる飼い主さんは少なくありません。
最愛のペットをかわいがって丁寧に扱ってくれるだろうと期待している人はとても多いかと思います。
しかし、動物病院の実情は決してそうとは言い切れず、殺伐とした雰囲気に包まれているところも割とある印象です。
真っ白で無機質な建物の中に、キーンとした機械がたくさん置かれ、狭い待合室には動物と人間がひしめき合っている…。そんな動物病院を私はたくさん見てきました。

今の時代、経営にサービス精神が求められるのはなにも小売業やサービス業だけではありません。機械的な対応で診察をし、薬を出して終わりという動物病院は人気が集まらず、他の病院に飼い主さんを取られてしまうことが多いようです。

思い当たる節がある院長は、動物病院のイメージを守るべく、温かみのあるサービスを取り入れてみてはいかがでしょうか。そうすることで足を向けてくれる人が増えるかもしれません。

1、動物と心を通わせられる、動物病院で取り入れてみたいサービス

最近はただ動物の診療をするだけではなく、さまざまなサービスを取り入れている病院が見られます。
たとえば代表的なものをあげるとペットホテル。さっと見て終了となる通常の診察とは違って、ペットホテルでは長時間動物と向き合うことになるため、心を通わせることができます。
また、グルーミングやシャンプー、カットなどのサービスがあると、動物と触れ合える時間が長くなり、病院全体にあたたかい雰囲気が漂います。

2、動物本人だけではなく飼主さんとも心を通わせよう

動物と仲良くなるとあたたかい雰囲気が漂い、動物病院全体の雰囲気がよくなりますが、その動物病院を選択するのはやはり飼主さん。どんなに動物と心を通わせられても、飼主さんと心を通わせられなければ集客につながりません。
動物だけに集中するのではなく、飼主さんとも心がつながれるようなサービスを考えてみてはいかがでしょうか。
たとえば動物のリハビリ。最近は手術したペットのリハビリをできる病院が多く見られますが、もしリハビリをするのであれば動物を預かるだけではなく、飼主さんにもぜひ参加してもらいましょう。一緒にリハビリをすることで会話をする機会も増えますし、一緒に動物の回復を目指すことで一体感が生まれるはずです。水中トレッドミルやバランスボードなど、さまざまなリハビリ設備を取り入れてみるのもいいですし、そこまでいかなくてもマッサージの方法を飼主さんに教えてあげると良いでしょう。

3、心を通わせるためには心のこもった診療が第一

リハビリやペットホテル・トリミングなど、新しいサービスを取り入れるのもおすすめですが、そのサービス自体に経営者やスタッフの心が入っていなければ意味がありません。機械的な対応になってしまうのであれば、かえって飼主さんのストレスが溜まってしまいます。

「なんか殺伐としてるなあ」と感じたら、まずは基本的な診療のスタイルを見直してみてはいかがでしょうか。診察をする時にはパソコンを見ながら説明するのではなく、しっかりと相手の目を見て説明し、動物にもきちんと触れてあげましょう。ちょっとしたことですが、そういったところから心を通わせられるようになるものです。
飼主さんに動物の専門知識がなくても、こういった獣医師の姿勢はきちんと見ているもの。サービス内容ばかりにとらわれず、まずはしっかりと飼主さんや動物と向き合ってみましょう。

4、待合スペースを広めに取る

動物病院の待合室は動物と人間が共存するスペースであるため、どうしても狭苦しさを感じがちです。場所が狭いと、やはりどうしても人の心はギスギスしてしまいます。
動物の大きな鳴き声が響けば、さらにイライラが募っていくでしょう。そのため動物病院では待合スペースの作り方も非常に大切と言えます。開放感のあるスペースと、整理整頓された場所があれば、少し長く待つことになってもイライラすることはありません。
スペースに余裕がなければ完全予約制にして、ギチギチにしないようにするのもひとつの手です。消臭対策も万全にしましょう。ちょっとした心遣いのように思えますが、こうした工夫が相手の心に響くものです。

5、印刷物を効果的に使う

口頭説明のみで診察を終えてしまう動物病院は多いものですが、自宅でのアフターケアや治療方法について書かれたパンフレットや説明書を渡してあげると喜ばれます。細やかな気遣いが心を通わせるポイントです。また、印刷物は受付や待合スペースに貼っておくと飼主さんに診てもらえて、動物病院のサービスをアピールできます。

どんなに高い技術が自慢の病院でも、獣医師の対応が悪いと飼主さんは離れていってしまうでしょう。動物病院が飽和している今だからこそ、「人間の心」という根本の部分にアプローチして、改善を図る必要があります。今から自分たちでできることを探してみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事