今回のブログのテーマは「平均客単価」です。
あなたは自分の動物病院に飼い主さんが一人訪れるたびに、平均してどれぐらいのお金を払ってくれているかをご存知でしょうか。
平均客単価を理解することによって、私たち経営者は今後ターゲットにするべき客層や施策、取扱い商品・サービスを決められるようになります。
今正確に平均客単価を把握できていない方は、すぐにでも調べるべきではないでしょうか。
さらに、平均客単価を施策や価格設定にどのようにして活かすべきなのかを今回のブログで詳しくお話したいと思います。
平均客単価の計算方法
平均客単価の求め方は非常に簡単で、以下の計算式に当てはめて算出します。
客単価(円)=売上(円)÷客数(人)
売上と客数がわかっていればすぐに計算できますね。一概には言えませんが、客単価が高い動物病院ほど、効率的な経営ができていると考えられます。高級志向の動物病院や、単価が高めの商品を取り扱っている動物病院は客単価も高くなりがちです。現在平均客単価が低いと感じている方は、何かしらの工夫をプラスして、経営効率の改善を試みてはいかがでしょうか。
平均客単価を理解する重要性
平均客単価は知っておいて決して損しない数字です。ここでは平均客単価を理解するメリットについてお話します。
ブランディング効果を期待できる
同じ動物病院でもクーポン配布やキャンペーンを積極的に行う薄利多売スタイルを貫くのか、それとも平均客単価を上げて少数精鋭の高級志向路線でいくのかによって、価格の設定方法が変わってきます。今のあなたの動物病院はどのような立ち位置であり、今後はどのような姿になっていくことを夢見ていますか?もしも現在が薄利多売スタイルであり、今後は高級志向に路線変更をしたいのであれば、顧客単価を上げる施策を考えなければなりません。このように平均客単価を明らかにすることによって、今後のブランディング施策を考えられるようになるのです。
売上の拡大を期待できる
もしも平均客単価が低すぎるようであれば、セットメニューなどを考案して飼い主さんに少しでも多くの金額を出してもらえるような施策を考えるべきです。反対に高すぎることがわかれば、リーズナブルな商品やサービスを取り入れて客単価を抑えてみてください。単価が下がれば、これまで来れなかった飼い主さんも足を運びやすくなり、売上は上がっていくでしょう。
他の動物病院との平均客単価を比較することによって、あなたの動物病院の立ち位置を理解できるようになります。ちなみに動物病院1軒あたりの年間売上金額は、全体の26.7%の病院が5千万円~1億円です(令和3年日本獣医師会調べ)。この数字と比較して、生産性や外来数、平均客単価を意識してみるとよいでしょう。
平均客単価を上げて売上を上げる3つのポイント
平均客単価を把握する重要性を理解したところで、ここからは平均客単価を上げる方法について紹介します。平均客単価の低さに悩んでいる方や、他の動物病院との価格競争に陥っている方はぜひ参考にしてください。
平均客単価以上の金額でキャンペーンを実施する
「予防接種割引」や「まとめ買い割引」など、定期的にキャンペーンを実施している動物病院は少なくないかと思います。キャンペーンと言うととにかく割引をするイメージが強いかもしれませんが、これでは売上が上がっていきません。かといって、高く設定しすぎても飼い主さんは来てくれないでしょう。
そこで私がおすすめしたいのは、平均客単価よりも少しだけ高いキャンペーン金額の設定です。その金額があなたの動物病院のスタンダードだと飼い主さんに周知することによって、今後の商品・サービスの金額も設定しやすくなるでしょう。おのずと平均客単価も上がっていくはずです。
上位のコースを作って平均客単価を上げる
今あなたの動物病院が提供している診療サービスや商品のランクを上げて、上位コースを設定する方法もひとつの手です。単価の高いコースを設定し、それらが売れれば売上も利益も上向きになっていきます。
ただし、当然のことながら上位のコースの売れ行きが良くなければ平均客単価は上がっていきません。「少し高くても購入したい」と思っていただけるように、魅力的な内容を考えましょう。
以前コースを3つ設定すると、真ん中のクラスを購入してもらいやすくなる「松竹梅の法則」を紹介しました。新しくコースをつくるのであれば、この法則を意識して3つのコースを作ってみると良いでしょう。最上級のコースは手に取ってもらえなくても、真ん中のコースを飼い主さんが選んでくれるかもしれません。
夜間診療や休日診療を取り入れて単価を上げる
夜間診療や休日診療を実施している動物病院は、まだまだ少ないものです。しかし、平日や日中は仕事で動物病院に行けないという飼い主さんは、かなりの数存在します。そのような飼い主さんをターゲットに、夜間・休日診療を始めてみてはいかがでしょうか。他院との差別化をすることで、診療代も高めに設定しやすくなり、結果的に平均客単価を上げやすくなるでしょう。他にも競合の動物病院にはないサービスや商品を取り入れると、他院を意識する必要がなく、あなたの裁量で価格を決めやすくなります。
値上げラッシュが続き、飼い主さんの財布のひもが固くなっている今の時代だからこそ、快く受け入れていただけるような診療サービス・商品を考えてみましょう。飼い主さんの満足度を上げることができれば、平均客単価も上がっていくはずです。