four assorted-color tabby kittens on brown basket

動物病院は基本的に飼い主さんとペットに来院していただく、いわゆる「対面診療」が基本です。

しかし、コロナ禍が始まって以来オンライン診療を開始する動物病院が増えてきました。ホームページやSNSに注力して、オンラインで積極的にペットアイテムを販売する動物病院も少なくありません。

動物病院にもデジタル化の波は来ていますが、それでもやはりアナログな営業スタイルは非常に重要です。

そこで今回はアナログビジネスの重要性と、デジタルとのバランスのとり方について考えていきたいと思います。

アナログスタイルのメリット

飼い主さんに動物病院へ足を運んでいただいて、対面で診療をする。受付にはペットアイテムを並べて、スタッフがおすすめして販促活動をする。動物病院におけるアナログスタイルとは、このような流れのことを言います。オンライン上ですべてを完結するデジタルスタイルと比較した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。アナログとデジタルのそれぞれを比較することで、改めてアナログ営業の大切さが見えてくるはずです。

①飼い主さんとの信頼関係を築きやすい

動物に実際に触れ、適切な診察をしてくれる獣医師に飼い主さんは大きな信頼を寄せてくれるものです。オンライン診療では確認できない細かなところまでも診られるところは、対面診療の大きな武器と言えます。

また、オンライン診療では空気感が伝わらずに、飼い主さんとも無難な会話で終わってしまうことがありますが、対面診療では雰囲気に合わせてコミュニケーションを取れます。飼い主さんやペットのちょっとした変化にも敏感になれます。これはアナログスタイルの大きな強みと言えます。

②広告にはチラシやDMを使うと所有欲を満たせる

shallow focus photography of brown puppy during daytime

動物病院の競争が激しくなってきた昨今、広告を打ち出して新規顧客獲得を考える院長も少なくありません。広告を打ち出すときに最初に迷うのは、メールやSNSを使用したオンライン広告か、従来のビラやチラシを用いたアナログ広告かどちらにするかです。

オンライン広告の最大のメリットは手軽で、SNSであればほぼ無料で出稿できること。短期間に何度も広告を打ちたいというときに向いています。反対にオンライン広告は実際に手に取って受け取るものではないため、物足りなさを感じることも。

反対にビラやチラシはコストと手間こそかかるものの、「もの」として飼い主さんに届けられるため、受け取り手の所有欲を満たすことができます。おしゃれなDMやあたたかいメッセージが入ったDMであれば、ずっと手元に置いてもらえるかもしれません。実際に電子メールで作成したDMよりも、ビラやチラシのDMのほうが開封率が高いというデータがあります。

「最近はオンライン広告が主流だから」といって安易にデジタルに移行するのではなく、それぞれのメリットとデメリットを考えて選択してください。

③ペットアイテムの販売は対面だからこそ有効

動物病院の受付でペットフードや動物用のシャンプー・トリートメントを販売することは珍しくありません。オンラインショップでも同じ商品を展開している動物病院もありますが、私は飼い主さんが動物病院を訪れたタイミングで、最も販促活動に力を入れるべきだと考えています。

なぜなら飼い主さんは、動物病院を訪れたときにペットの健康を最も気にしているからです。その気持ちに寄り添い、ペットが抱えている問題を少しでも解決できるようなアイテムをその場で提案してください。たとえ動物病院で飼い主さんが「ペットが心配だから、あとからオンラインショップで購入しよう」と思っていたとしても、帰宅すると気持ちが冷めてしまうことも。飼い主さんの気持ちがもっとも高まっている瞬間に、リアルタイムでアプローチできるところはアナログスタイルの大きなメリットです。

アナログスタイルのデメリット

adultgolden retriever

アナログスタイルにはメリットもたくさんありますが、決してデメリットがないわけではありません。特に業務効率という点においては、デジタルに大きく劣ります。スタッフのシフト管理や予約にはオンラインを取り入れたほうが良いでしょう。また、ビラやチラシはオンライン広告と比較するとコストがかさみがちです。毎回ビラやチラシのDMを出稿するのは厳しいということであれば、メルマガとビラ・チラシを交代に打ち出すと良いです。

ビジネスの基本はあくまでアナログです。しかし、一概にすべてのデジタルスタイルを否定してるわけではありません。DX化が進む昨今にあって、新しいスタイルを取り入れていく必要もあります。それでも「便利だから」と流されて、アナログ時代の良さを忘れてしまわないように注意してください。血の通った動物と直に向き合う動物病院にとって、温かみのある診療・サービスはアナログスタイルで実現されます。

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