朝の情報番組や音楽番組、またバラエティ番組を見ていると、ランキングの多さが目につきます。
「本当に売れたお菓子ランキングベスト10」
「CD売上ベスト10」
「プロがおすすめする家電製品トップ5」
など、ランキングを目にしない日はないのではないかと思うほどです。事実、協調性を重んじる日本人はランキングに弱いという話を聞いたことがあります。
ランキングがすべてとは言いませんが、ある程度人気商品の目安を作ることによって、飼い主さんを購入に誘導しやすいと私自身も感じています。今回はランキングが飼い主さんに与える心理的効果と、ランキングを使ったセールス方法についてお話したいと思います。
ランキングをセールスに用いるメリット
ランキングは、動物病院の商品やサービスを販促するうえでも有効なものと考えます。その理由をいくつか紹介します。
①飼い主さんの選択肢を絞り込める
「本当に良いものが欲しい」と誰しもが考える一方で、選択肢があり過ぎると迷って、結局購入を見送ってしまうということも。大量の商品が並ぶディスカウントストアやアパレルショップで、同じような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。飼い主さんも同様です。専門的な知識を持ち合わせていない飼い主さんであれば、より絞り込みに苦労するでしょう。それを獣医師がある程度絞り込み、おすすめ商品をランキング形式で発表することで、「獣医師さんがおすすめするなら間違いない」と、手に取ってもらいやすくなります。
②動物病院の特色を出せる
たとえば、ドッグフードを豊富に取り扱っているのであれば、ランキング形式でおすすめ商品を紹介してあげましょう。「あの動物病院はたくさんのドッグフードを取り扱っているから、ドッグフードに関しては間違いないだろう」と、思ってもらえるかもしれません。得意分野の商品やサービスについては、ランキング形式にすることで自分の動物病院の方向性をスタッフに周知できるようになります。
③人気が人気を呼んで売上げアップを期待できる
人間の心理には、人気があると聞くとその商品が欲しくなる、「バンドワゴン効果」というものがあります。ランキングを発表することで、上位の商品に人気が集まり、さらにたくさんの商品が売れる…といった好循環を期待できるのです。目標の売上個数を達成できれば、「売上〇個達成の人気商品!」など、新しいセールストークを打ち出すことができます。その商品が、自分の動物病院の看板商品となってくれるかもしれません。
ランキングを作成するときの注意点
ランキングが販促の有効施策であることはおわかりいただけたかと思います。細かなマーケティングをしなくても、簡単に作成できるランキング広報は、ぜひ今日からも取り入れていただきたい施策です。しかし、ランキングはただ作ればいいというわけではありません。重要なポイントを3つ紹介します。
①正確な情報をもとにランキングを作成する
言うまでもありませんが、正確な情報をもとにランキングを作成しましょう。「この商品をたくさん売りたいから」「多分この商品が一番売れているから」など、いい加減な考えで作成するのは失敗のもとです。「良くない商品をおすすめしている、見る目のない病院」と思われてしまうかもしれません。アンケートを取るなどして、正確な情報をソースにしましょう。
②ランキングはベスト3までにしておく
ランキングの公表は上位3位までにとどめておきましょう。商品数が多くても、公表は上位5位までが理想です。あまりに多いと冗長な印象になりますし、下位の商品は粗悪品のような印象を受けます。3位までにまとめることですっきりとし、見た人の印象にも残りやすくなります。
③定期的に更新する
新商品が発表されたり、流行が移り変わったりすることで、ランキングも入れ替わります。同じランキングを使い続けていると、「最新情報に疎い動物病院」というイメージを持たれてしまう可能性がありますので、定期的にアンケートを取り直して更新をしましょう。更新をしていくことで、最新の情報を飼い主さんに届けられ、自分の動物病院の存在をアピールできます。
最近はペット関連のアイテムやサービスがたくさん登場していて、どれを購入したら良いのかわからない、という飼い主さんの声を聞くことがあります。そんな飼い主さんの声にこたえるときに、ランキングは役立ちます。「おすすめのドッグフードランキング」「冬に人気が高い診療サービスランキング」「トリマーから評判の高いシャンプー・トリートメントランキング」など、パターンを変えてランキングを作るのも良いでしょう。作成したランキングは院内の待合室に貼るなどして、飼い主さんに見てもらえるように工夫を凝らしてみてください。