動物病院に限らず、ひとつの業界に身を置いている期間が長いほど、視野が狭くなりがちです。
業界内では常識だと思われている考えが、外から見るとそうではないという認識のズレはよくある話です。
ときには業界外からの人の意見を参考にして、視野を広げられるように努めてみてはいかがでしょうか。
経営のヒントが見つかるかもしれませんよ。
今回は業界の当たり前を疑うことの大切さについてお話ししたいと思います。
他の業界の人の意見を聞くメリット
動物病院関係者以外の人から意見を取り入れると、多くのメリットを感じられるものです。代表的なメリットを紹介します。
新しいアイデアを得られる
他業界の人々の視点や意見を聞くことで、自分の業界に対する新しい視点や革新的なアイデアを得られるかもしれません。現状を改善できるヒントを掴めたら、院内にも積極的に取り入れていきましょう。
イノベーションが促進される
動物病院と他業種がクロスオーバーすることで、思いがけないイノベーションが生まれる可能性があります。異なる分野の知識や技術で良いと感じたものを取り入れることで、新しい製品やサービスを生み出せるかもしれません。
競争力が強化されることも
動物病院というクローズドな環境では、院内や周りの関係者の意見だけで経営の方向性を決めてしまいがちです。そこから一歩踏み出し、他業種の成功事例やベストプラクティスを自分の業種に応用することで差別化を図れ、業界内での優位性を確保しやすくなります。「自分の病院にはこれといった強みがない」とお悩みのあなたは、ぜひ他業種から意見を求めてみてはいかがでしょうか。
顧客理解に役立てられる
自分の業界の「当たり前」を外部の人が理解できず、それを外部の人に説明する機会は少なくないかと思います。その過程で、自分たちが提供している価値やサービスの本質に立ち返ることができれば、飼い主さんの視点に立ったサービスをしやすくなります。
コミュニケーションの改善を期待できる
外部の人と話す機会があれば、業界事情を理解してもらうために、専門用語を避けて簡単な言葉で説明する練習をしてみましょう。それはそのまま診察時における飼い主さんとの会話時に役立てられます。
柔軟な思考を身につけられる
自分たちの業界の常識とはまったく異なる視点に触れることで、固定観念から解放され、柔軟な思考が養われるようになります。広い視野を持つことで、問題解決能力や適応力が一段と高まるでしょう。
これらの理由から、業界内の「当たり前」を外部の視点から捉え直すことは、動物病院の成長にとって非常に有益だと言えます。
動物病院以外の視野を取り入れる方法は？
動物病院以外の業界の視点を取り入れたいと思っていても、なかなか機会に恵まれないという方も多いのではないでしょうか。ここでは他業種からの意見の取り入れ方を紹介します。
業界外の人との交流イベントに参加する
異業種交流会やカンファレンスに参加すると、おのずと他業種の人と話す機会に恵まれます。同じ経営者同士で交流を図れば、新しい視点や考え方を学ぶことができるでしょう。ただし、ただの名刺交換＆食事会になっている異業種交流会も少なくありません。よく吟味して、意見を交換する機会があるイベントを選ぶようにしましょう。
動物病院での勉強会に外部講師を呼ぶ
スタッフ全員で勉強会を行っているのであれば、一度外部の専門家を招いてみてはいかがでしょうか。あなた自身が身を置く動物病院という業界について説明し、フィードバックを受けることで、新たな視点を持てるようになるかもしれません。
飼い主さんや商品ユーザーからの声を聞く
あなたやスタッフにとって最も身近な他業種の人と言えば、懇意にしてくださる飼い主さんではないでしょうか。そんな飼い主さんや商品のユーザーに対してインタビューやアンケートを行うと、他業種からの本音が見えてきます。動物病院に何を期待していて、何について理解できていないのかを把握できるでしょう。
あなたの動物病院のサービスに対するフィードバックを得たいのであれば、異なるバックグラウンドを持つ飼い主さんを集めて、ディスカッションやアイデア出しをしてもらうのもひとつの手です。
専属のコンサルタントを雇う
あなたの動物病院についての新しい気づきを得たいのであれば、専門のコンサルタントを雇って、外部の目線からのアドバイスを乞うのも良いでしょう。コンサルタントは経営改善のプロであるため、どこに課題があるのかを即座に判断し、改善策を提案してくれるでしょう。自分ではなかなか業界の当たり前に気づけないという方におすすめです。
オンラインコースやセミナーを受講する
他業種主催のオンラインコースやセミナーに参加し、新しい視点を養うコツを学ぶと確実に成長できます。カリキュラムがしっかりと組まれているため、効率的に課題と改善点を見つけられるでしょう。
動物病院という業界から一歩離れて、客観的な視点を持つことによって、経営課題に気づける可能性が高まります。日々の業務にマンネリを感じているあなたや、経営改善を望んでいるあなたは、ぜひ一度外に目を向けてみてはいかがでしょうか。
