Webでもダイレクトメール(DM)でも、広告を出すときにはサービスや商品の良さをアピールすることばかりに気を取られ、クロージングがしっかりできていないものが多いような気がします。どんなに商品を魅力的に伝えられたとしても、飼い主さんや受注件数が増えなければ、広告を入れた意味がなくなってしまいます。
そこで今回は、広告出稿の際に重要な要となる「購入導線」の作り方についてお話をしましょう。これから何らかの形で広告の出稿を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
注文方法を説明しなければならない理由
通販番組を見ていると、必ず最後に申込先の電話番号が流れます。たとえ手元にメモがなくても忘れることがないように、耳に残りやすい語呂合わせや、簡単に覚えられる番号になっていますよね。これは、購入導線を意識した工夫と言えます。
動物病院の広告を出稿する際にも、飼い主さんには「商品を購入したい!」という気持ち以外に「簡単に申し込める」「今すぐ受け付けてもらえる」という気持ちを奮起させなければなりません。注文方法が煩雑だったり、そもそもどこで注文をかければいいのかわからなかったりすると、諦められてしまいます。
繰り返すようですが、広告を出稿する際には、注文方法の説明を忘れないように挿入してください。
最適な注文方法とは
かつて注文方法と言えば電話、または郵送が一般的でしたが、インターネットの普及によってこの常識が大きく変わりました。若年層は、インターネットよりもむしろ電話や郵便への抵抗感が強いと聞きます。反対に、高齢者のなかにはインターネットの使い方がわからないという人も少なくありません。ベストな注文方法は商品のターゲット層によって変わってくるでしょう。
間違いがないのは、電話・郵便・Webすべての注文導線を用意することです。特にWebはコストも手間もかからないため、必ず作っておくべきと考えます。メールアドレスを伝えて受け付ける方法もありますが、自分の動物病院のECサイトがあると在庫管理がしやすくておすすめです。申込者様に会員登録をしていただければ、次回以降氏名や住所を再入力していただく必要がなくなりますし、動物病院側は顧客管理もしやすくなります。
「この飼い主さんはペット用シャンプー・トリートメントを頻繁に購入してくれているから、新商品が出たら積極的にPRしよう」「〇〇さんは定期的にドッグフードを購入してくれるから、定期購入コースをおすすめしよう」など、飼い主さんごとのセールス施策を立てられるようになります。
紙媒体の広告にはQRコードを採用しよう
Webからの注文は今や定番の方法ですが、看板広告やDM、チラシなどの紙広告にURLを入れるのはあまりおすすめできません。飼い主さんは申し込むときに1文字1文字手入力しなければならず、手間と感じるためです。1文字でも誤ったら、購入サイトに飛ぶことも、メールを送ることもできません。
紙広告で役に立つものといえば、QRコード。飼い主さんはスマホのカメラで読み取るだけで、簡単に申し込めます。QRコードは無料サイトなどから簡単に作成できるため、ぜひチャレンジしてみてください。
Web広告ではバナーをたくさん設置する
Web広告におけるバナーの置き方については、「楽天市場」がもっとも参考になるのではないでしょうか。誰もが一度は閲覧したことがあるかと思いますが、楽天市場の商品ページ内には、至るところに「注文はこちらから」などと書かれたバナーが貼られています。商品説明の途中でも申し込めるように、工夫されているのです。このおかげで閲覧者は、最下部までスクロールしなくても注文できるのです。「どこに購入導線があるのかわからない」ということもないでしょう。
ECサイトは、商品の広告と申し込みを兼ねています。そのため、商品の説明だけではなく、注文導線にも気を配ることをおすすめします。
ヘルプページやお客様相談窓口を忘れずに
自分としては分かりやすく注文方法を明示したつもりでも、飼い主さんにとってはわかりにくい、ということがあるかもしれません。また、Webの場合はときとしてエラーがおこる可能性があります。せっかく興味を持ってくれた飼い主さんをみすみす逃すことがないように、すぐにアクセスできるヘルプページや相談窓口の存在を伝えるようにしましょう。人の声で迅速に対応できる電話がベストですが、最近多いチャットボットも有効です。そういった気配りが、動物病院の評価へとつながってきます。
人は魅力的な広告を見た瞬間に、最も強く「欲しい!」と感じるものです。その瞬間を逃さず、確実に購入へとつなげられるよう、広告には必ず注文方法を記載するようにしてください。広告を見て、自分で注文方法を検索する人はなかなかいません。購入導線を引いてあげるところまでが、広告の役割と考えてください。