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あなたは「時間泥棒」という言葉を聞いたことがありますか?

ドイツの児童文学作家であるミヒャル・エンデの作品「モモ」に登場する「灰色の男たち」に由来するこの言葉は、その名の通り大切な時間を奪う人を指しています。

仕事中に集中力を妨げる行為をしたり、非効率な仕事をしてかえって作業量を増やしたりする時間泥棒は、決して少なくありません。

もしもあなたの動物病院に時間泥棒がいるのであれば、すぐ改善に務めましょう。

今回は時間泥棒によって発生する無駄な作業や改善策について解説したいと思います。

時間泥棒になる「モノ」の正体

なにも時間泥棒は人間だけではありません。私たちの集中力を妨げる時間泥棒は、モノの姿をしていることも多いです。

その筆頭と言えばやはりスマートフォンでしょう。作業中にLINEの通知が気になってしまったり、少しだけ調べものをするつもりが関係のないサイトを見てしまったりした経験が誰にでも一度や二度あるはずです。多くの人はこのスマホによって膨大な時間を盗まれてしまっています。

また、電話も時間泥棒のひとつです。かつては電話がかかってきたらすぐに取るのが当たり前でしたが、メールやLINEのやり取りが主流になった現在、即時対応しなければならない電話は、時間泥棒とみなされるようになってきています。

こういった時間泥棒から時間を盗まれないようにするためには、まず電話に対する認識を改めることです。動物病院の固定電話にかかってきたものにはすぐ対応する必要がありますが、個人の携帯電話にかかってきたものは、着信表示を見てから判断するようにしましょう。重要な顧客や商談に関する電話であればすぐに取るべきですが、それ以外の電話であれば余裕ができたときにかけ直すなど、ルールを設けると時間の浪費がなくなります。

どうしてもスマホや電話が気になるのであれば、スタッフにスマホを預けたり、電話に出ない宣言をしたりして、物理的に距離を置くといいでしょう。

時間泥棒になる「人」の特徴

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時間泥棒の原因となる「モノ」であればまだ対策を取りやすいのですが、問題は時間泥棒となる「人」の存在です。周りから時間泥棒にみなされている人も、本人は無自覚であることが多く、人柄が良いと指摘しづらいと感じることもあるでしょう。しかし、時間泥棒は周りに影響を及ぼし、院内全体の業務効率を著しく低下させるおそれがある存在です。まずは時間泥棒になる人の特徴を理解して、あなたの周りにいないかどうかを考えてみましょう。

話やメールが長い人

要点をかいつまんだ話をしようとせずに、ダラダラと話が長いスタッフは時間泥棒と言わざるを得ません。メールで済む話なのにわざわざ電話をかけてきたり、雑談を交えたりする人にも要注意です。あなたの周りに該当するスタッフがいれば、声掛けをして一度指導しましょう。メールのテンプレートを作成したり、ビジネスチャットを推奨したりするのも有効です。

自分で調べようとしない人

ネットや資料を見ればすぐにわかることをわざわざ人に聞く人は、相手の時間を奪っていることに気づいていません。「わからなかったら、周りの人に聞けばいい」という思考癖があり、聞くべきことと自分で調べるべきことの区別がついていないのです。そのような人には「この内容は自分で調べてみて」と、やんわり指導しましょう。質問が多いスタッフには、答える前に「自分で調べた?」と確認を取ることも大切です。

時間管理がルーズな人

「締め切りぎりぎりまで作業に取り掛からない」「直前の予約変更が多い」という人は、一言で言ってタイムマネジメントができていません。そのような人に振り回される周囲のスタッフが突発的な対応に慣れてしまうと、さらに時間泥棒は時間にだらしなくなる傾向があります。時間にルーズな人はどこにいっても信頼されないため、スタッフを大切に思うのであれば、気になった段階ですぐに指導を始めましょう。

時間泥棒になる「タスク」の特徴

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最後に時間泥棒になりうるタスクについて紹介します。時間泥棒だと気づかずにルーティンワークにしてしまっていることがあるかもしれません。一度ご確認ください。

意味のない朝礼や会議

朝礼がルーティンになっている動物病院がありますが、個人的には重要な共有事項がなければ、必ずしも毎朝開く必要はないと考えています。たとえ10分程度であっても、毎日となればかなりの時間が蓄積されます。その時間をメールチェックや掃除など、本当に必要な業務に充てると良いでしょう。会議やミーティングについても同様です。

長時間労働

残業が常態化している動物病院には、時間泥棒が潜んでいることが多いものです。「残業時間で対応したらいいや」と思って、ひとつの作業をダラダラ進めていることがありませんか?それでは時間がどんどん盗まれてしまいます。思い当たる節がある方は、まず退勤時間を厳守する取り組みから始めてみましょう。

時間泥棒をしている人も、されている人も無自覚であることが本当に多いです。それではいつまで経っても業務効率は改善されません。一度あなたの動物病院に時間泥棒がいないかどうかを見直して、効率改善に努めましょう。

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