あなたはこれまで同じ商品に対して、あるセールスマンが勧めてきた時には購入する気になれなかったのに、他のセールスマンから勧められて購入する気になったという経験はありませんか。
同じ商品であっても、購買を勧めてくる人によって、購入する気になったり、反対に購入意欲が削がれたりという経験は、多くの人がするものです。
このように、商品の購入を決断する時に、販売員や営業担当者の存在は非常に大きいものと言えます。
反対に、あなた自身が動物病院で診療サービスや商品を勧めるとき、購入したいと思わせる獣医師になれている自信はありますか。
今回は飼い主さんに購入したいと思ってもらえる獣医師のあり方についてお話したいと思います。
経歴を語ること=信頼性アップにつながる理由
例えばあなたが自動車を購入するとき、これまでに何百台もの車を売ってきたベテランセールスマンから買いたいと思いますか?それとも、これまでまったく車を売ったことがない新入社員から買いたいと思いますか?おそらくほとんどの方が、前者を選ぶかと思います。一般的に言って、高額な買い物である自動車の買い物は、失敗することがないようにベテランのセールスマンから買いたいと思うのが普通の心情ですよね。
しかし、それもそのベテランセールスマンが、自分のキャリアを口にしなければ知る由もない話です。どんなに素晴らしいキャリアを持っていても、そのことを周りに知らせなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。それは獣医師にとっても同じこと。たとえあなたが獣医師として確かな腕があったとしても、アピールしなければ始まりません。
信頼を獲得するためには、これまでの経歴を飼い主さんにもきちんとアピールしましょう。そのうえで、商品やサービスを勧めれば、「こんなにすごい獣医師先生がお勧めしてくれる商品なのだから、きっと間違いはないだろう」と、手に取ってもらいやすくなるはずです。
獣医師のなかには、こういった自分の話をするのが苦手という人も少なくありません。また、「経歴の紹介は、自慢と取られそうで嫌だ」という声もよく聞きます。しかし、多少なりとも自分のことを知ってもらわなければ、商品の販促にはつながりません。自慢にはならないように、さりげなく伝えてみると良いでしょう。
また、直接経歴を話すのがどうしても苦手、ということであれば広告で自分のプロフィールを紹介しましょう。デジタルや紙を介して紹介することで、飼い主さんにも伝わりやすくなります。普段接しているあなたのプロフィールを知ることで、親近感を覚えてもらえるかもしれません。
共感を覚える広告を展開しよう
青汁のCMを見たことがある方は多いはずです。青汁のCMでは、5分以上かけて、購入経験者の人生、経歴を説明していますよね。山あり谷ありの人生に、感動したという人も少なくないようです。そして、その人たちが使っている青汁を飲みたいと思い、購入する人がたくさんいます。このように商品と関係のある人の経歴を見せることは、商品の販促に非常に有効です。
何故でしょうか。それは人が共感を覚える生き物だからです。その青汁のCMの出演者が自分には全く関わりのない人であったとしても、同じような仕事をしていたり、同じような病気に悩まされたり、同じような人生を歩んできたりといった共通項を見つけ出すことで、まるで自分がその人になったかのような気持ちになってしまうことがあります。そして、その共感を覚える人が愛用している物が欲しくなってしまうのです。一見単純なように思えますが、この共感力というのは侮れるものではありません。
この心理を利用して、商品の広告を考える時には、多くの人の共感を呼び起こすようなストーリーを考えると良いでしょう。
弱みを見せると人は共感を覚えやすい
商品の経歴を見せる時には、「〇回の失敗を経て完成」「〇時間をかけて制作しました」「〇人ものスタッフが開発に携わっています」など、苦労エピソードを混ぜてキャリアを語りましょう。人は苦労話に弱いものであり、隠さずに見せることで親近感を持ってもらえます。
「こんなに努力して作られたものだから、きっと品質に間違いはないだろう」と感じてもらえる可能性もあります。最初は同情の気持ちで買ってもらえたとしても、本当に良いものであれば、きっと継続購入してもらえるはずです。まずは商品を飼い主さんの手に取ってもらわないことには、良さが伝わりませんよね。訴求力を高めるためには、少し恥ずかしい失敗談でも臆することなくどんどん紹介して、見る人に経歴をアピールしましょう。
実績が商品そのもののアピールになることも
経歴アピールで忘れてはならないのが、その商品がどれだけ多くの人に愛されてきたか、ということです。「累計使用人数〇人突破」「〇%のお客様が良いと回答」など、これまでの販売実績や、口コミを広告に載せるようにしましょう。さらにその商品への信頼感が高まります。
販売する人でも商品でも、キャリアのアピールは商品販促に有効です。ぜひ広告にも取り入れてみてください。