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休眠顧客とは、一度または複数回来店・来院したものの、その後さっぱり姿を見なくなった顧客を指す言葉です。どんなに評判の高い動物病院であったとしても、休眠顧客がまったくいない動物病院はないと考えています。

ここで押さえておきたいのは、休眠顧客は決して離反顧客ではないということ。他の動物病院に魅力を感じて乗り換えてしまった離反顧客を取り戻すのは至難の業ですが、休眠顧客のなかには何となく足が遠のいているという人も少なくありません。

では、その休眠顧客に対してはどのようなアクションを起こせば良いのでしょうか。

今回は休眠顧客へのアプローチ方法を考えていきたいと思います。

休眠顧客を掘り起こすメリット

あなたの動物病院に現在足を向けていない飼い主さんに声を掛けるメリットはいくつかあります。

まずは、まったくの新規顧客と比べて再来院の見込みが高く、コストをかけることなくアプローチできる点にあります。過去のカルテをチェックして、休眠顧客をリストアップすれば、闇雲にDMを送るよりも効率の良い営業をかけられるでしょう。

もうひとつは、休眠顧客を生み出した要因を分析することで、あなたの動物病院の課題や改善点を理解できるようになります。これは休眠顧客の掘り起こしという点において、大きなメリット です。

飼い主さんの足が遠のいてしまった理由や原因を特定して対策を取ることで、新しい飼い主さんにアプローチをかける際の大きなヒントが見つかるでしょう。

リピーターの大切さについては以下の記事でも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:2回目購入率が上がれば動物病院の経営はきっと変わる

休眠顧客にアプローチをかけるタイミングとは

結論から言えば、定期的に休眠顧客をリストアップしてアプローチをかける習慣をつけると良いでしょう。一般的に飼い主さんは休眠状態が長ければ長いほど、再び足を運びにくいと考えるものです。

そのため、こちらから休眠顧客にアプローチをかけて、再来院のきっかけづくりをしましょう。薄れていたあなたの動物病院への興味が復活するかもしれません。

目安としてはおおよそ半年、長くても1年の間に一度は顧客リストを見直し、 しばらく来院されていない飼い主さんには声をかけるといったルールを決めてみましょう。

ルールを設けることによって、休眠顧客の存在を忘れることなく営業活動を展開できます。

休眠顧客へのアプローチ方法については、以下の記事を参考にしてください。大変参考になりますよ。

関連記事:リテンション・マーケティングで1年以上音沙汰のない飼い主さんに声をかけよう

休眠顧客が生まれる理由とは

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私は定期的に顧客リストを整理して、休眠顧客の数と特徴を調べています。そのなかには数年前に一度来ただけでその後来なくなってしまった飼い主さんももいれば、以前は頻繁に来てくれたのに、ここ半年は姿を見ていないという方もいてさまざまです。

あくまで私の想像ですが、休眠顧客になってしまった理由として、

  1. 私の動物病院の方針が、飼い主さんには合わなかった
  2. ペットを飼うのをやめてしまい、動物病院に通う必要がなくなった
  3. 仕事や家庭が忙しくて、動物病院に通う時間を確保できない
  4. 遠方に引っ越しをして、通えなくなってしまった
  5. 予算が厳しく、なかなか動物病院に通えていない
  6. 動物病院に通う必要がないと考えている

などが挙げられます。

他にも理由はあるかもしれませんが、休眠顧客へのアプローチを考えている方は、まずリストの整理から始めましょう。そして休眠顧客が来なくなった理由は①~⑥(またはそれ以外)のどれに当てはまるのか、分類してみてください。

分類したらアプローチをかけるべき休眠顧客を絞る

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休眠顧客に手当たり次第、DMやチラシでアプローチをかける人も多いようですが、私はこれは非効率かつ高コストな方法と考え、おすすめしません。

例えば前の章で上げた理由のうち

②ペットを飼うのをやめてしまい、動物病院に通う必要がなくなった

④遠方に引っ越しをして、通えなくなってしまった

に当てはまる方へアプローチをかけても、現実問題来院していただくのは難しいでしょう。

また、①私の動物病院の方針が自分の飼い主さんのペットには合わなかった方へのアプローチが成功する可能性は決してゼロではありませんが、高くはありません。新しい動物病院に通う、いわゆる”離反顧客”になってしまっている可能性も大です。

 

最も効率の良いアプローチ

③仕事や家庭が忙しくて、動物病院に通う時間を確保できない

⑤予算が厳しく、なかなか通えていない

⑥動物病院に通う必要がないと考えている

の3タイプに絞ってキャンペーンを打ち出すことと考えます。

私も自分の動物病院で販促活動を行う時には、ある程度対象を絞っています。特にダイレクトメールは送料や印刷代がかさむため、少なからず絞り込みが必要です。

メリットの切り口を変えてメッセージを伝えよう

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ターゲットの休眠顧客を絞ったところで、次にお伝えしたいのがアプローチ方法です。

ダイレクトメールやニュースレターを配信している点は、他の企業や動物病院と大きな変わりはありません。しかし、キャンペーンの打ち出し方やメリットの伝え方は差別化するように意識をしています。

たとえば「割引キャンペーン」「予防接種キャンペーン」は、動物病院のセールスアプローチの定番ですが、私は休眠顧客に対しては、定番のうたい文句を使わないようにしています。なぜなら、動物病院から遠ざかっている、もしくは興味を失っている顧客に対して、定番のセールスコピーは響かないと感じているためです。せっかくお金をかけて作ったダイレクトメールでも、記憶に残らなければ他のダイレクトメールに紛れてしまうでしょう。

そこで私がおすすめしたいのは動物病院のメリットの切り口を変えて、メッセージとして伝えることです。「キャンペーンでお値打ちになりますよ」ではなく、「3回分のチケットを購入していただければ、次回以降の診療は30%オフですよ。お値打ちなだけではなく、ワンちゃんやネコちゃんの健康をこまめにチェックできます」など、値段だけではないメリットを伝えています。

 

トリミングサービスにしても「ワンちゃんやネコちゃんが可愛くなりますよ」だけではなく、「ノミやダニを早く発見できます」「炭酸泉温浴をオプションに追加しました。ワンちゃんの血行がとてもよくなりますよ」など、あまり知られていない情報、メリットをお伝えするようにしています。

こういった切り口を変えてみるだけで、「そんな情報知らなかった」と休眠顧客に思ってもらえ、興味をひけるかもしれません。少なくとも印象には残るはずです。みなさんもぜひ、料金や期間以外のメリットを考えてみてください。

 

今回は休眠顧客へのアプローチ方法を紹介しました。離反顧客と違って、休眠顧客であればまたリピーターになってくれる可能性が十分にあります。定期的に有益な情報を発信し、アプローチを続けるようにしてください。 

 

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