白い陶器のマグカップの近くの茶色の木製のテーブルに書いている人

近年注目されている「リカレント教育」という言葉を、あなたは聞いたことがありますか?

「リカレント(recurrent)」には「反復」や「循環」という意味があり、大人の学び直しというとわかりやすいでしょう。

学習の内容に決まりはありませんが、ほとんどの人が仕事に関連した専門知識を増やすために、リカレント教育を始めています。

転職が当たり前になり、還暦を過ぎても働く人が増えている今の日本では、積極的に新しい知識や技術を身に付ける人こそが社会に貢献できるのではないでしょうか。

 

しかし、学校教育と違って学習の範囲が幅広いリカレント教育だからこそ、目的意識をもって計画的に学習を進めていく必要があると考えます。

今回は「社会人に必要な学び直し」について考えてみたいと思います。

動物病院のスタッフに取り入れるべき学習内容

本棚の浅いフォーカス写真

できればリカレント教育はあなた一人だけではなく、スタッフ全員に推奨すべきと考えています。複数人が学習計画を立て、進捗状況を報告し合うことでモチベーションが上がり、挫折を防ぐことができます。経営者であるあなたにとっても、スタッフのスキルが一様に上がると提供できるサービスのクオリティが上がり、良いことづくめです。

もしあなたから学習を勧めるのであれば、動物病院にとって役立つ内容の学習を取り入れると良いでしょう。おすすめは以下の3つです。

・接遇研修

接遇とは、相手の気持ちを汲み取りながら、思いやりをもって対応することをいいます。ホテルや百貨店など、接客能力が求められる職種では、接遇研修が当たり前のように実施されています。

しかし、スタッフのホスピタリティが求められているのは動物病院も同じことです。ペットの体調を心配している飼い主さんの不安を少しでも取り除いて元気づけられる、温かみのあるスタッフは動物病院に必要な存在です。

看護師や受付、トリマーなど、職種に関わらず、全体的な接遇研修を行って、スタッフの接客能力の向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。いつの時代にも求められるスキルであり、学び直しておいて損はありません。

 

・セミナーの受講の推奨

最新の動物医療について学べるセミナーやトリマー向けの学習塾が、不定期で開催されていることをご存知でしょうか。獣医師であるあなたも、トリマーや看護師もぜひそういったセミナーに参加してみてください。いつも同じ場所で、同じメンバーと働いているだけではわからない、新しい気づきを得られるはずです。診療や施術に役立つ情報を手に入れることができますよ。また、他の受講者を目にすることで、仕事へのモチベーションが上がっていくかもしれません。

 

・IT関連教育

SNSの影響力は年々増す一方で、SNSを展開している動物病院も増えてきています。FacebookやInstagramの公式アカウントを持っていると身近に感じてもらうことができますし、LINEがあれば予約もしてもらいやすくなるはずです。しかし、SNSやホームページを展開するのであれば、ITリテラシーをもって対応できるスタッフが必要になってきます。アカウントを作成しても放置したり、最悪炎上させてしまったりしていては、作った意味がないためです。そのようなことがないように、SNSの適切な運用方法などを学ぶ機会を設けると良いでしょう。

リカレント教育を行う際の注意点

テーブルの前に座って一緒に笑っている 3 人

リカレント教育は厚生労働省が「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」を策定するほど推奨しているものです。チャレンジする意味は十分にあると言えるでしょう。しかし、そんなリカレント教育にも注意点があります。ここからはリカレント教育を実施する際の注意点を紹介します。

・目的意識を持つ

ただ「何かをしないといけない」という気持ちで闇雲に勉強を始めても、長くは続きません。ただでさえ忙しい社会人が勉強をコンスタントに続けるためには、ゴールを設ける必要があります。「そのゴールに到達すればどのようなメリットが得られるのか」という目標を置くことによってモチベーションが上がり、限られた時間でも集中できるようになるはずです。学習の習熟スピードも上がっていくでしょう。

 

・スタッフにはインセンティブを設ける

最初から積極的に学習に取り組めるスタッフはごく一部と考えたほうが良いでしょう。やる気がないスタッフに対して一方的に課題を押し付けても、今の時代は「パワハラ」と受け取られてしまいます。それであれば、目標達成者にはボーナスや昇給などのインセンティブを与えるなどして、やる気を引き出してみましょう。他のスタッフに対する競争意識も芽生えて、学習意欲が増すかもしれません。

 

・学習にかかる費用や時間をサポートする

学習意欲があっても、セミナーを受講する費用や学習時間の負担が大きく、諦めてしまう人が少なくありません。それであれば、就業時間の一部を学習時間にあてたり、受講費用を負担してあげたりして、学習者の負担を減らしてあげましょう。厚生労働省が出している人材開発支援助成金制度を利用できるかもしれません。

 

社会人の学びは大変素晴らしいものですが、なかなか踏み切れないという人も多いものです。その手助けをあなたが少しだけしてあげることによって、スタッフ全体がレベルアップしていくと考えます。

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