あなたは、どうしても購入してもらいたい商品を飼い主さんに紹介するとき、ついつい価格を強調してしまうことがありませんか？
「今キャンペーン価格でご提供していて…」「こんなにリーズナブルな商品はありません！」など、価格を推せば、購入してもらえると無意識に考えているのかもしれません。
しかし、日頃から価格ばかりを推すセールスでは、大成はしません。
リピート購入してもらいたいのであれば、価格以上に商品の価値をアピールして、その商品のファンになってもらいましょう。
今回は商品の魅力を伝えるセールストークのテクニックを紹介します。
なぜ価格推しのセールスはダメなのか
ひとつ覚えていただきたいのは、価格の高さ・安さはあなたではなく、飼い主さんが決めるものだということです。たとえあなたが「この商品は品質のわりにお得だ」と思っていても、飼い主さんはそう感じない可能性があります。反対にお得な商品を売り出したとしても、普段はもっと高額な商品を使っている飼い主さんからは「こんなにリーズナブルな商品で、大丈夫だろうか」と思われる可能性があります。
安さを理由に商品購入を促すセールストークは一見簡単なように思えますが、価格に対する捉え方は千差万別。その点を理解したうえでセールストークを考えなければ、商品を購入してもらえないばかりか、不快感を与えてしまうおそれがあります。
セールストークを展開する際には、価格そのものよりも「価格以上の価値を感じられる商品か」「商品価格以上の満足感があるものか」を中心に伝えるようにしてください。
商品の価値を飼い主さんに効果的に伝えるためには
それではどのように価格以上の価値を飼い主さんに伝えれば良いのでしょうか。おすすめのポイントは以下の3つです。
まずはヒアリングをしっかりと行う
飼い主さんが本当に欲しがっているもの、必要と思われる商品を確実に勧めるためには、やはりヒアリングが欠かせません。診療中には飼い主さんの話にしっかりと耳を傾け、ペットに関する悩みや要望を聞き出しましょう。ちょっとした雑談のなかにヒントが隠れていることもありますので、印象に残った話はメモとして残しておくようにしてください。
予算感をさりげなく聞いてみる
いくら品質が良くても、明らかに飼い主さんの予算が足りなければ、購入してもらうことはできないでしょう。そのような飼い主さんに対して、商品を積極的に勧めても効果は期待できませんし、押し売りと感じられてしまうおそれがあります。
そのようなことがないように、最初からさりげなく予算感を聞き出しましょう。ただ金額を聞き出すのではなく、「この機能がついている商品であればどれくらいまでお金を出しても良いと思いますか？」「検討しても良いかなと思う価格帯を教えてください」という聞き方をすると、飼い主さんの商品に対する積極度合いが何となくわかるようになります。
獣医師本人が説明に当たる
商品のセールス活動を看護師や受付スタッフにまかせている動物病院は少なくありません。それは必ずしも悪いとは言えませんが、できれば獣医師であるあなた本人が直接飼い主さんに説明をするようにしましょう。
専門家であるあなた本人が説明することで説得力が生まれ、飼い主さんがその商品の真の価値に気づけるようになります。リピーターを増やすためにも、新規の飼い主さんにはあなた自身が接するようにしてください。
効果的な価格の見せ方とは
大切なのは価格ではなく価値とわかっていても、予算を重視する飼い主さんは多く存在します。そのように「価格重視派」の飼い主さんにも興味を持ってもらえるように、価格の見せ方も少しだけ工夫をしましょう。
よくある手段としては、1,980円や9,800円などぎりぎりの価格で桁をひとつ下げる方法です。「大台割れ価格」と呼ばれるこの手法はお得に感じられるため、動物病院でもよく採用されています。
それとは反対の手法になりますが、1,000円、10,000円とジャストプライスにする方法も有効です。値段を覚えてもらいやすく、買い物がしやすくなるのです。
もうひとつ定番ですが、割引前の価格を提示して「これだけお得になりました」と訴える方法もおすすめ。新商品を打ち出す際には、「新商品発売キャンペーン」と銘打ってお得な料金をアピールすると手に取ってもらいやすくなるでしょう。
商品を打ち出すとき、価格と価値のバランスを取ってセールストークを展開するのは大変難しいところです。価格で訴える手段もひとつの手ですが、肝心の商品に魅力を感じてもらえなければ、リピーターは増えていきません。商品が持つ真の価値を、確実に飼い主さんに届けられるようなセールストークを意識してみましょう。うまく商品の魅力が伝えられるようになったとき、あなたのセールステクニックはワンランク上にいけるはずです。
