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今回のブログから4回にわたって、ロジカルコミュニケーションのコツを紹介していきたいと思います。

「ロジカルコミュニケーション」とは、分かりやすく言えば「相手に伝わりやすい話し方」のことです。

動物病院を経営するなかではスタッフや飼い主さん、また取引業者など、さまざまな人とコミュニケーションを取っているかと思います。

それも意思疎通がスムーズでなければ、さまざまな弊害を生み出すことになります。

円滑な人間関係を構築し、業務を効率化するためには、ロジカルコミュニケーションテクニックを磨きましょう。

今回はその第一歩として、ピラミッド構造についてお話ししたいと思います。

なぜロジカルコミュニケーションは重要か

本題に入る前に、まずロジカルコミュニケーションの必要性についてお話しします。ロジカルコミュニケーション、すなわち相手が理解しやすい論理的な話し方をすることで、自分の考えを明確に伝えられます。しばしば、回りくどくて何を言っているのかがわからない人がいますが、その人はロジカルコミュニケーション能力が低いと言えるでしょう。実際にこのような人と話していると、イライラすることがありますよね。相手を不快な気持ちにさせてしまう人が、良好な人間関係を築けるとは思えません。双方の認識違いによるミスやトラブルの発生にもつながりがちです。

反対にこの能力が高い人は、端的な言葉で自分の伝えたいことをきちんと相手に届けられます。自分の意思を明確に伝えられる人は、周りからも「頭のいい人」と評価され、人間的にも、仕事の面でも信頼してもらえるでしょう。

商品の説明時にも説得力のある話し方ができれば、飼い主さんもそれを受け入れて、あなたの動物病院のサービスや商品を積極的に受けたいと思うはずです。プレゼン力が上がることで、動物病院の売り上げは右肩上がりになっていくでしょう。このようにロジカルコミュニケーションは、動物病院の獣医師にとって非常に重要なものであると言えます。 

ロジカルコミュニケーションを高める「ピラミッド構造」の考え方

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ロジカルコミュニケーション能力を高めるためには、論理的な考え方(=ロジカルシンキング)を身に付けなければなりません。ロジカルシンキングの方法はいくつかありますが、今回はそのなかでも「ピラミッド構造」について紹介したいと思います。ピラミッド構造とは、話したいことの「結論」をピラミッドの頂点におき、そこから根拠や結論に至るまでの要素を細分化していくロジカルシンキングです。

 

わかりやすく、例を挙げて説明しましょう。

あなたは今、「動物病院にトリミングサービスを導入したい」と考えているとします。この考えを結論として頂点におきます。

続いて、その根拠をひとつ下に置きます。「トリミングサービスの需要が高いとわかったから」「今の動物病院内にトリミングスペースを設けることができるから」といった理由でしょうか。

さらにその下に、「現在の市場規模」「競合他社の存在」「トリマーの人材獲得」「期待できる収益」を設けて深掘りし、結論に説得力を持たせます。

ピラミッドの下位部分まで深掘りすることで、上位の根拠や結論に説得力が生まれるという構造です。このロジカルシンキングは、結論と理由を説明しなければならないプレゼンや商談の機会で必ず役立ちます。ビジネスをするうえでは身に付けておくべきスキルと言っても、過言ではないでしょう。

ピラミッド構造を正しく作るポイント

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ピラミッド構造で物事を考えたつもりでも、そもそも根拠や理由が不確かなものであれば、説得力が生まれません。ここではピラミッド構造で物事を考える時のポイントを説明します。

結論と要素の主従関係を明確にする

例えば先ほどの例でいくと「動物病院にトリミングサービスを導入したい」という結論に対して、「トリミングサービスがあなたの動物病院にとって利益を生み出すものか」ということについて話し合わなければいけません。それを「トリミングは本当に良いサービスなのか?」などと論点がずれてくると、話の方向性がずれてきてしまいます。結論という「主」に対して、要素は「従」になりますので、必ずこのふたつは明確にしておきましょう。

結論はまず仮説としておいてみる

「トリミングサービスを設けるべき」と考えたとしても、それが100%うまくいくとは誰にも言えないことです。もちろんロジカルシンキングをしたとしても失敗するおそれはありますが、極力その可能性を下げるために、結論をまず「仮説」として置き、その仮説の正誤性を確認するために、複数の要素を掘り下げていきましょう。そのようにすることで、結論がゆるぎないものになるはずです。また、結論の誤りに気づけたら、修正していくことができます。

 

説得力のある発言には、必ず根拠が潜んでいるものです。ピラミッド構造で物事を考えると、おのずと根拠を掘り下げることになり、結論に深みが増します。普段の診療で毎回ここまで深く考えるのは難しいかもしれませんが、プレゼンの機会にはぜひ試してみてください。

 

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