先日、「うれしい悲鳴」のご相談をいただきました。
ご相談者の方の話としては、
「患者さんがいっぱい来るから、身体がもたず、大変で…」
という内容でした。
患者さんが来すぎるなんて、うらやましい話ですよね。
でも、その方はいたって深刻そうです。
正直な話、その方の気持ちが私にはよく分かります。
私の周りの院長って、朝から夜遅くまで、すごく頑張って働いてるんですよね。
この記事をご覧のあなたも、例外ではないはずです。
自学自習している真面目な院長って、そういうもんなんです。
そういう人に限って、今回のご相談者の方と同じ悩みを抱えます。
あなたも不思議に思ったことはありませんか?
評判の二人の獣医師がいたとして、どちらも混み具合は同じなのに、片方が獣医師や動物看護師の数を増やしどんどん展開し、もう片方はまったく…。
こんな状況に心当たりはないでしょうか?
というわけで、今回は評判の獣医師なのに、利益の出ない獣医師と出る獣医師を解説したいと思います!
実は、評判なのに儲かる獣医師と儲からない獣医師がいるのには、2通りの理由が考えられます。
理由1 価格設定の違い
当たり前ですが、同じ混み具合で利益が出るか出ないかを分けるものがあるとすれば、価格しかありえません。
たとえば、スケーリングを想像してみてください。
獣医師Aは、14,000円という価格設定です。
これに対して、獣医師Bは25,000円です。
これを見たあなたは、どう思うでしょうか?
Aが良心的で、Bがぼったくりだと思いますか?
でも、どちらも人気獣医師です。
この二人の違いは何だと思いますか?
これは別に、どちらかが良心的でどちらかが野心的というわけではなく、「売っているものの違い」でしかないんです。
獣医師Bは「飼主さんの納得」を売っているんです。
このように言うと、獣医師Aから「うちだって飼主さんに納得してもらっている!」と、クレームが来そうです(笑)
でも、はっきり言って、獣医師Aは「そう思い込んでいるだけ」なんです。
納得を売っていると、思い込んでいるだけなんです。
願望なんです。
そうではなくて、獣医師Aが売っているのは、「施術」なんですよね。
獣医師Aは「スケーリングという施術」を売り、獣医師Bは、「スケーリング後の納得」を売っているんです。
施術を受ける「患者」と受付で支払いをする人がほぼ同じである、人の歯科業界と違い、
ペット業界では施術を受ける「患者」と受付で支払いをする「飼主」は別です。
それなのに、「そういうもんだ」という思い込みから「施術売り」をしてしまうんですよね。
なので、この手のご相談をいただいたら、私の回答は1つだけです。
「単価を上げましょう」
単に価格を上げるとただの値上げと受け留められかねませんが、ビフォーアフターの写真をお渡ししたり、3か月後6か月後の歯科健診をセットにする等の付加価値を付ければただの値上げとは受け留められません。飼主さんに納得してもらえる工夫をオススメしています。
患者さんの数がいっぱいいっぱいなのであれば、あとは利益率のアップしか残されていません。
ぜひ、勇気をもって単価アップに取り組んでいただきたいです。
理由2 バックエンド展開率の違い
以前に、「集客商品」と「利益商品」についてお話をしたことがあります。
ちょっと、この2つを先におさらいしましょう。
まず、集客商品というのは、飼主さんとの最初のお取引のきっかけとなる商品です。
最初のきっかけなので、買いやすいものでないといけません。
だから、集客商品は基本的に低価格商品となります。
それに対して、利益商品というのは、その名の通り、利益を出すことが目的の商品なので、高単価で既存の飼主さんにオススメする商品となります。
この集客商品をフロントエンド、利益商品をバックエンドと言い、フロントエンドから、いかにバックエンドにバトンを渡すかがビジネス成功のカギとなります。
だから、ほとんどの場合、フロントエンドを買ったお客様をどうやってバックエンドに誘導するのか、獣医師ごとにいろんな戦略を立てたりします。
この、フロントエンドからバックエンドに移行する確率をバックエンド展開率といいます。
バックエンド展開率が低ければ、いくら飼主さんが押し寄せていても、集客商品が売れているだけなので利益につながらず、忙しいのに儲からない状況となるんです。
なので、この展開率が低い場合、バックエンドへの誘導のプロセスを見直してみてください。
必ず、問題があるはずです。
いかがでしょうか?
これらの2つの理由を押さえることができれば、忙しいのに儲からないという悲しい状況は避けられるでしょう。
もし、あなたが忙しいのに思ったように儲かってないと感じるのであれば、ぜひ、2つの理由をチェックしてみてください!
あなたは施術売りをしていませんか?