ぼんやりと不安を感じたり、直面している課題の解決策が見つからずにモヤモヤしたりすることはありませんか。
そんなときは何をすべきかがわからず、一層イライラが募るものですよね。
自分の中にある悩みを明確にし、解決策を見つけ出すためには、紙に自分の気持ちを書き出す「ジャーナリング」がおすすめです。
今回はジャーナリングのメリットや効果的な進め方について解説していきます。
ジャーナリングとは?
頭の中にある考えを書き出す行為は「ブレインダンピング」と呼ばれています。ブレイン(脳)の中をダンピング(捨てる)することで、脳内の余白が生まれ、すっきりした気分になれるのです。
そもそも頭の中は目に見えないものであるため、悲観したり方向違いの妄想をしたりして混乱しがちです。それを解決するためには、紙に自分の考えを書き出して心を整える方法がよく知られています。これが「ジャーナリング」であり、「心の瞑想」とも呼ばれています。ジャーナリングの効果は、テキサス大学のジェームズ・ペネべーガー博士が行った「エクスプレッシブ・ライティング」という実験により、ストレス解消や免疫向上、血圧低下が見られたことが報告されています。
直接的な解決になっていなくても、紙に考えていることをすべて書き出すことで、心理的にはプラスの効果が得られるでしょう。実際にGoogle社ではマインドフルネスの一環として、ジャーナリングを取り入れているといいます。
ジャーナリングによる効果
ジャーナリングを一回行うだけでもさまざまな効果が得られると考えられています。ここでは代表的な3つの効果を紹介します。
自分を客観視できるようになる
自分が何を考えているのか曖昧な状態では、自分を客観視することができません。それも紙に書き出すことによって、日頃から無意識のうちに何をどのように考えているのかを把握できるようになります。さらにジャーナリングを繰り返すことによって、普段の自分の思考の癖がわかってくるようになるでしょう。
悩みの根源や解決策が見えてくる
自分の思考パターンや興味関心に気づくことによって、自己理解を深めることができます。ジャーナリングを「生きる上でのヒントを与える行為」と表現することがありますが、悩み解決のヒントを見つけられるようになるかもしれません。「自分はこのように考えがちにだから、このような方法を試してみたらうまくいくかもしれない」と気づきを得られるでしょう。
気持ちの整理をしてストレスを減らせる
抱えている課題を解決できないといつまで経っても気持ちの整理がつかず、ストレスが溜まる一方です。それもジャーナリングでは頭に浮かんだことをひとつひとつ書き出していくことで、整理ができるようになっていきます。人に話を聞いてもらうだけで心がすっきりしたという経験は多くの人にあるかと思いますが、ジャーナリングにおいても似たような効果が期待できるのです。Googleでマインドフルネスの一環として取り入れられているジャーナリングに取り組むことによってネガティブな感情を断ち切って、今に集中しやすくなるでしょう。
ジャーナリングの方法
基本的にジャーナリングの方法に決まりはありません。ノート1ページに思いついたまま、書きたいことを書いていけば、それがジャーナリングとなります。しかし、より高い効果を感じるためには、いくつかのポイントがあります。
時間を決めて習慣化する
悩みのある・なしに関わらず、ジャーナリングは習慣化すると思考を整理する癖が身につきます。とは言っても、義務化するとそれはそれでストレスが溜まるものです。「書きたい」と思ったときや、「朝食後」「就寝直前」など、タイミングを決めて取り組むと良いでしょう。ジャーナリングにかける時間としては5分、長くても15分くらいにしておくと負担が少なく、集中して自分の思考を整理できるようになります。
テーマを決めると取り組みやすい
自由に何を書いてもいいと言われると、かえって書くことが思い浮かばないものです。それならば、ジャーナリングのテーマをあらかじめ決めておくと良いでしょう。「診療」「院内の人間関係」「経理」といったテーマをもとに、問題点やうまくいったときの状況などを書き出していくと、スラスラ進むようになります。
メンタルが弱っているときはジャーナリングを休む
ジャーナリングのメリットはいくつかありますが、反対に落ち込んでいたり、不安障害があったりする人が取り組むと、不安な感情が起こりやすくなったり、ネガティブな感情が増幅されやすくなったりするデメリットもあります。そのため、不安や気持ちの落ち込みが激しいときには、ジャーナリングをお休みしたほうがいいでしょう。冷静に自分と向き合えるようになってから再開してください。
ジャーナリングは紙とペンさえあればいつでも、どこでもできる、とても便利な思考整理術です。デジタルデバイスの使用が日常的になっている今だからこそ、紙とペンを使うことに意義があります。モヤモヤしている方はぜひ一度チャレンジしてみてください。