緑の花のつぼみを持っている人

今回はJV(ジョイントベンチャー)についてお話をしたいと思います。

JVとは、複数の企業が共同で出資を行い、新規事業を立ち上げることで、主に建設業界でよく使われる用語です。

しかし、動物病院におけるJVも決して珍しくはありません。

 

2021年にはペットのオンライン相談・診療システムのプラットフォームサービスを提供する株式会社みるペットと、動物医療やペット市場における事業支援と事業提携を支援する株式会社QAL startupsが業務提携し、動物病院の業務効率化支援に注力しています。

 

複数の企業や組織が手を組むことによってリソースに余裕が生まれ、これまでチャレンジできなかった分野にも取り組めるようになります。

しかし、JVをするときの注意点は少なくありません。

今回は動物病院が他の企業・組織とJVを始める際のメリットとデメリット、注意点をお話したいと思います。

 

JVのメリットとは

昼間にテーブルの前の椅子に座ってペンを持っている人

まずはJVのメリットを3つ紹介しましょう。

リソース不足を補える

例外もありますが、基本的に動物病院は小さな組織です。複数人のスタッフと、最小限の機器で回しているという病院も少なくはないでしょう。リソースが限られていると、当然のことながら取り組める業務も限られてきます。あなたもチャレンジこそしてみたいものの、技術・知識や人手が足りずに、断念してしまった計画があったのではないでしょうか。それも JVを行い、リソースを増やすことによって、これまでチャレンジできなかった施策に取り組めるようになります。人手やモノがすでに揃っていれば、即効性のある施策を考えられるでしょう。

初期費用を抑えられる

新しい施策を始める時には初期費用、すなわちイニシャルコストが発生するものです。それもJVを行うことによって、費用を折半できる可能性が高くなり、気軽に施策をスタートすることができます。資金不足でなかなか施策を打ち出せないという動物病院には、大きなメリットと言えるでしょう。

相手組織のノウハウを身に付けられる

一か所の動物病院でずっと働いていると、どうしても視野が狭くなりがちです。それも他の動物病院と提携し、他院の様子を見ることによって、刺激を受けることができます。良いと思う点を自分の動物病院に取り入れてみると、経営改善のヒントにつながっていくかもしれません。また、さまざまな人と関わることによってコミュニケーション能力も高まっていくでしょう。

JVのデメリット

メリットが多いように思えるJVですが、デメリットも少なからず存在します。私が考えるJVのデメリットは主に以下のふたつです。

連絡や調整が煩雑になる

ひとつの動物病院内で収まっていた共有事項も複数の動物病院が関わることになれば、それだけ情報伝達が煩雑化します。他院との風土や文化の違いを感じて、やりづらさを感じることもあるかもしれません。これはJVのひとつのデメリットと言えます。

業務負担に偏りが出ることも

もうひとつのデメリットは、業務負担の偏りです。業務提携をしたからといって、必ずしも業務負担がきれいに折半になるとは限りません。片方の病院に業務負担がかかりすぎてしまい、不穏な空気が流れてしまったという事例を聞いたことがあります。そのようなことがないように、提携する際には業務の役割分担を明確にし、お互いが納得できる利益の分割方法を考えましょう。 

JVを成功させるポイント

オフィスで会う 2 人の男性と 4 人の女性

JV を成功させている企業には、いくつかの共通点があります。そのポイントをここからは紹介していきます。

強みが被っていない組織と提携する

冒頭で紹介したふたつの企業のように、JVは強みが被っていない組織同士の提携がおすすめです。強みが被っていると、わざわざ提携する意義を見失ってしまいます。それよりもお互いにない良さを合わせて、大きなひとつのプロジェクトを成功させたほうが、得られる利益も大きいと思いませんか。もしあなたがJVを考えているのであれば、あなたの病院の弱みや不足しているスキルを洗い出し、それを補ってくれそうなパートナーを探すことから始めてみましょう。

自分たちの強みを十分に相手に提供できるか確認する

自分たちにメリットのある相手とJVをしたいと思うのは当然の心情です。そしてそれは提携相手も同じことを思っているものです。相手が与えてくれるメリット以上のメリットを、あなたの動物病院が与えられるかどうかを考えましょう。このバランスが取れていなければ、JVが失敗に終わってしまうおそれがあります。動物病院とJVするのであれば、あなたの動物病院と同規模程度の病院がおすすめです。

 

動物病院が増加する今の世の中、新しい取り組みを始めるためにはJVが有効と考えます。お互いの良さを引き出し合うことで、あなたの動物病院は確実に成長するはずです。今回紹介したポイントを押さえつつ、JVを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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