茶色の木製のテーブルに黒い電気スタンド

近年は働き方改革が進み、休日にはしっかり休む、有給休暇もすべて取得するという考え方が浸透しつつあります。

それは決して悪いことではありません。

日本人はこれまでに働き過ぎてしまったがために、過労死やハラスメントといった社会問題が今になって露呈しているのでしょう。

その一方で、「勤務時間内にどうしても仕事が終えられない」「獣医師としての仕事が終わっても、経営者としての仕事が残ってしまう」とお悩みの方も多いかと思います。

そうです、獣医師であり、経営者でもある私たちはどうしても仕事量が多く、休日を潰したり、夜遅くまで業務をこなしたりすることも珍しくありません。

今のあなたがそのような状態であったとしても、決して落ち込むことはありません。

私は人が休んでいるときに働くことは、より高い成果を上げたり、急成長したりする過程では必要になる場合があると考えています。

今回は労働時間の柔軟性やワークライフバランスなどの重要性が叫ばれる現代にあえて逆行するかたちで、人が休んでいるときにこそ働く意味を考えてみたいと思います。

人が休んでいるときに働くメリットとは

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一般的な動物病院は、平日の午前中と夕方から19時くらいまでの時間帯、さらに土曜日の午前中に開院している印象です。休業日の日・祝日や平日の夜間に働くことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

他院と差別化できる

診療時間内に仕事が終わらない状況が常態化しているのであれば、思い切って診療時間を延長したり、営業日を増やしてみたりしてはいかがでしょうか。営業時間を長くすることで来院者数が増えて売上も上がりやすくなります。夜遅い時間や日曜日に営業している病院は少ないため、差別化につながります。

給料や賞与アップを期待できる

営業時間を長くした分の頑張りが給与や賞与に反映されれば、スタッフのモチベーションもアップします。休日出勤や夜間勤務が必要となれば、時間外手当が発生するため、「割が良い」と考えて積極的に出勤したがるスタッフが増えるかもしれません。

キャリアの成長につながる

人が休んでいるときに働くことで感じられる最大のメリットは、自分自身の成長にあると私は考えます。休日や営業時間外に追加労働をすることで、おのずと知識や技術を磨く機会が増えます。がむしゃらに働いた結果、知らず知らずのうちにスキルアップしていたということもあります。労働時間だけで成長度は測れませんが、きっちり定時で終わっている人よりも、成長の機会に恵まれるはずです。

スタッフが休んでいる間に経営者としての仕事に集中できる

これはあなた自身がもっとも強く感じられるメリットではないでしょうか。動物病院が営業している時間帯はどうしても獣医師としての仕事に時間が割かれがちで、経営者としての仕事に手が回らないことが多いです。営業時間外でスタッフが帰宅した状態であれば、経営者の仕事にすべての労力をかけられます。

スタッフから信頼される

院長であり、経営者であるあなた自身が、日々遅くまで働いている姿を評価するスタッフは少なくないはずです。「院長が頑張っているのだから、自分も精一杯頑張ろう」と前向きな気持ちを持てるスタッフは、今の時代にもきっといるはずです。決してスタッフに時間外労働を強いる必要はありません。あなた一人が真摯に仕事に取り組めば、それで十分なのです。

こんなときは働き過ぎに注意!

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長時間働くことで得られるメリットは少なくありませんが、適度な休息やプライベートの時間を確保することも重要です。過度な労働は健康やライフスタイルに悪影響を与える可能性があります。仕事とプライベートのバランス感覚も経営者には必要な要素です。

健康に影響が出たとき

膨大な量の仕事に追われて休息やリフレッシュの時間が減ると、ストレスや疲労が増加し、身体や精神に異常をきたす恐れがあります。特に年齢を重ねてきた獣医師は、若い頃と同じように働いていると危険です。一度体調を崩すと回復に時間がかかるため、少しでも疲れていると感じたらしっかり休息を取りましょう。

モチベーションが低下しているとき

休日や夜間に長時間働くことが当たり前になると、仕事に追われてばかりの自分に疑問を覚え、モチベーションが低下する可能性があります。そのようなときに無理やり働いてもかえって効率が悪いだけです。たとえ仕事が残っていても思い切って休息を取りましょう。

スタッフにも長時間労働を強いるようになったとき

忙しさのあまり、他のスタッフに時間外労働を強要するのはハラスメント行為に当たります。それを理解できていても頼ろうとしてしまうとき、あなた自身が運営の方針を誤っていると言えます。労基法に違反すると、雇用主には罰金や法的な問題が生じる可能性があります。そのようなことがないように、他者に無理やり時間外労働を課すことは避けましょう。

人が休んでいるときに働くことは決して悪いことではありません。しかし、適切な計画や配慮が必要であり、過度に行うのは考えモノです。何より、他者に強要してはなりません。あなた自身のなかでボーダーラインを決めて、無理なく働ける時間を考えてみてはいかがでしょうか。

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