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獣医師の主な仕事はペットの健康状態を確認し、適切な診療を行うことですが、決してそれだけではありません。安定した経営状態を継続するためには、自分の動物病院を支えてくれる飼い主さんとの関係構築が必要です。

その飼い主さんと良好な関係を築くためには、いくつかの秘けつがあります。頑張って距離を縮めすぎようとすると引かれてしまいますし、かといってそっけない態度はNGです。今回は飼い主さんとの理想的なコミュニケーションの取り方について紹介したいと思います。

まずは飼い主さんとの関係構築の目的を考える

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そもそもなぜ飼い主さんとの関係構築を深めるべきなのか、一度見つめ直してみてください。信頼関係が深まると、「獣医師と飼い主さん」という関係ではなく「一人の人間と人間」としての仲ができあがります。そうなれば、「あの人はいい人だから、困ったときには助けてあげたい」という気持ちが芽生えてくるものです。こうなるとお互いに頼みごとをしやすくなり、販売促進活動も取り組みやすくなります。

また、ざっくばらんとした会話ができるようになることで、飼い主さんのプライベートを知る機会が増えます。それによってペットや飼い主さんに必要な診療やサービスのヒントを見つけやすくなり、最適な提案ができるようになります。それによってさらに関係を深められるでしょう。

他にも、飼い主さんの正直な意見を聞くことで、自身の動物病院の経営改善ヒントを見つけられる、他の飼い主さんの情報を得られるなど、関係構築を深めることで得られるメリットはたくさん存在します。関係構築の大切さを認識することで、コミュニケーションを取ろうと積極的になれます。

飼い主さんと関係構築をするときにおさえておきたいポイント

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飼い主さんと関係を構築する際には、ほどよい距離感を保ちつつ、良好な関係を築く必要があります。特に私が重要と思えるポイントを4つ紹介します。

①獣医師側から距離を近づけていくようにする

よほど人との交流が好きな人でない限り、飼い主さんから距離を近づけてくることはありません。当然のことながら、獣医師側から積極的にコミュニケーションを取っていかないと、距離はいつまで経っても縮められないでしょう。

距離を近づけるためには、まず普段の診察時から雑談をする機会を設けましょう。事務的な対応だけでは、冷たい印象を与えてしまいます。天気の話でも、ペットの家での姿についてでも構いません。一言二言雑談を交わすだけでも、確実に信頼関係が構築されていくはずです。

雑談がどうしても苦手な方には、ダイレクトメールや広告の配布をおすすめします。キャンペーンの告知もできますし、定期的に送信することで自分の動物病院の存在を思い出してもらうことができます。郵便はがきでダイレクトメールを送るときには、直筆で一言添えると誠意が感じられておすすめです。

②一方的な押し付けにならないようにする

関係構築は獣医師側からアクションを起こさなければなりませんが、それが押し付けになってしまってはいけません。良好な関係を築くためには、飼い主さんの対応を見ながら、その方に最も必要と思われる提案をするようにしましょう。

雑談を長々としたり、ダイレクトメールを月に何回も送ったりして、飼い主さんに「しつこい」「話が長い」などと思わせないように注意してください。

③こまめに継続することが何よりも重要

短期に集中してコミュニケーションを取ろうとするよりも、こまめに継続するほうが効果的です。飼い主さんは、すぐにこちらからの投げかけに反応してくれるとは限りません。シャイな方もいますし、たった一度のコンタクトでは忘れられてしまうこともあるでしょう。反応がなかったからと言って、すぐに諦めてしまうのではなく、情報をこまめに提供していく姿勢が理想的です。少しずつ撒いた種は、ある時思わぬタイミングで芽を出すことがあります。

④本音や事実を伝えるようにする

ビジネスシーンではついつい相手を持ち上げたり、サービスや商品を必要以上に良く言ってしまったりすることがあります。しかし、過度な主張をし過ぎると、かえって信頼を失ってしまうことになります。飼い主さんも仰々しいお世辞や誇大広告には敏感に反応します。商品を紹介するときには、メリットだけではなくデメリットも伝えるなど、誠実な説明を心がけましょう。

 

人間関係の構築の基本は、どのような関係性であっても実は大きく変わりません。相手を思いやりつつ、自分の想いを素直に伝えることで、徐々に距離が近づいていくはずです。ぜひ今回紹介した4つのポイントを参考にしてみてください。こまめなコミュニケーションの積み重ねが、最終的に大きな変化をもたらしてくれるはずです。また、コミュニケーションを取るときには、どのような方法であっても、動物病院を支えてくれる飼い主さんへの感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

 

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