前回までのブログでは、短時間会議をおすすめする理由を紹介しました。
会議を短縮化するためには、事前の準備が肝となります。
ここに不備があると、確認作業や質疑応答に時間を取られ、結局長時間化してしまうことも。
そのようなことがないように、会議が始まる前に万全の体制を整えておきましょう。
今回は会議の事前準備のポイントを紹介します。
会議が始まる前に「WWH」を明確にしよう
会議の目的が明確に定まっていなければ、いざ会議が始まっても話の方向性が二転三転して、長時間化してしまいます。結論も出ずに、話し合いだけで終わってしまったということもあるでしょう。そのようなことがないように、会議が始まる前には「WWH」を明確にすることが重要なポイントとなってきます。
「W=WHY(なぜ)」です。なぜこの会議を開くのか、何のための会議なのか、何を決めたいのかを事前にじっくり考えましょう。
WHYを明確にすることができたら、次に目的を達するためには何を話せば良いのかを明確にしましょう。これがふたつめのW=WHATです。大きな議題を決めたら、細分化して全体の流れを決めていきましょう。最初にファシリテーターが議題を提示して参加者からの意見を募り、最終的に代表者が結論を確認する流れが一般的です。質疑応答は各議題の最後に取り入れると良いでしょう。途中で取り入れると話が本題からずれた内容になってしまう傾向があるため、注意が必要です。
最後に「H=HOW(どうやって)」を決めることになります。メンバーを絞って会議を開催する場合、誰を呼ぶべきか、また円滑な会議を開くためにはどこで開けばいいのかなど、深掘りして決めるとより質の高い会議を期待できます。
この3つを意識するだけで事前準備の外枠がある程度決まります。最低限、この3つを明確にしておけば、難しい資料を作成したり、何時間もかけて情報を集めたりする必要はありません。あまり準備に時間をかけすぎると、結局会議に長時間を割いてることになるため、準備の段階から効率性を重視しましょう。
議題や資料の共有は遅くても前日までに済ませる
議題が決まったところで会議出席者が内容を理解できていなければ、会議本番もスムーズに進みません。 資料の読み込みに時間がかかったり、意見をまとめられなかったりすることがあるためです。また資料や議題の漏れを指摘される可能性もあります。
それでは事前に会議の準備をした意味がありませんよね。どんなに遅くても、会議の議題や資料は本番当日までにメンバー全員へ共有しましょう。そのうえで会議本番までに意見を考えてもらうようにすると当日は活発な議論を期待できます。
役割分担も前日までに済ませる
たとえ簡単な打ち合わせであったとしても、複数人以上が集まって議論を交わす場合は、ファシリテーターと議事録係を最低限決めておくことをおすすめします。会議の進行役とも呼ばれるファシリテーターは時間配分を考えて会議を進行し、話が脱線したらうまく軌道修正する役割を担います。また、まんべんなく全員から意見を聞き出すこともファシリテーターの役割です。
動物病院であれば、獣医師のあなたがファシリテーターを担う流れが一番自然ですが、年長者の看護師に任せたり、持ち回り制にしたりすると、会議を仕切るスキルが育成されます。
議事録係は全員の意見を的確にまとめられる人物をピックアップしましょう。今はネット上に便利な議事録作成ツールもありますので、紹介してあげると喜ばれます。これらの役割は事前に決めておくことをおすすめします。特に女性が多い職場は、率先して役に立候補する人が少ないので、獣医師のあなたが決めてしまうのもアリです。
使用する機材の確認も忘れずに
資料や議題の準備はばっちりでも、ついつい忘れてしまいがちなのが、使用する機材の確認です。最近はオンラインで会議に参加するスタッフも増えていますよね。しかし、会議本番にZoomをうまく接続できず、設定に手間取ってしまうという事例をよく聞きます。オンライン会議に慣れていないようであれば、必ず機材リハーサルを行いましょう。また、Wi-Fi の接続状況が悪く、相手の声が聞き取りにくかったというトラブルもありがちですので、会議場選びでは、安定した通信環境を最優先するようにしてください。
今回紹介したポイントを押さえておくだけでも、会議は非常に円滑化されます。会議が始まったら、ファシリテーターは時間を確認しつつ、順調に進められるように指揮を取ってください。ひとつの議題につき何分などと大まかな流れを決めておくと、会議を仕切りやすくなります。短時間であれば、忙しいあなたもスタッフも会議に集中しやすくなるはずです。ぜひ短時間で効率的な会議の実現を目指してみてください。