
前回のブログでは、アメリカの認知心理学者であるジョージ・ミラー氏が提唱した「マジカルナンバー」、通称「ミラーの法則」についてお話しました。
人が一度に扱える情報量には限りがあり、近年では平均4チャンク程度という考え方も示されています。ただし、「人は3~5個しか覚えられない」「3つなら必ず記憶に残る」と単純に考えることはできません。
それでも、商品やサービスの特徴を3つ程度に整理して伝える方法は、情報を分かりやすく見せるうえで役立ちます。
大切なのは、何でも無理に3つにすることではありません。飼い主さんが迷わず理解・比較できるように、必要な情報を整理することです。
今回は「3つ」という数をひとつの目安にしながら、動物病院の商品・サービスや情報発信を分かりやすくする方法について考えてみましょう。
なお、選ばれる動物病院になるためのヒントについては、以下の記事をご覧ください。
3という数字を活かす方法①商品プランを考えるとき

新しい商品やサービスを展開するとき、3つ程度の選択肢を用意すると、それぞれの違いを比較しやすくなる場合があります。
例えばペット用のシャンプーを紹介するときに、「初めて使う方へ」「毎日のケアに」「より充実したケアをしたい方へ」といったように、用途や価格帯の異なる3商品を用意する方法です。
価格や機能が段階的に異なる選択肢では、中間的な商品が選ばれやすくなる「妥協効果」が生じることもあります。いわゆる「松竹梅の法則」に近い考え方です。
ただし、3つ並べれば必ず真ん中の商品が選ばれるわけではありません。
大切なのは、それぞれの商品にどんな違いがあり、どんな飼い主さんやペットに向いているのかを分かりやすくすることです。
商品数を無理に3つに合わせるのではなく、選びやすい構成になっているかを意識しましょう。
松竹梅の法則については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:売上よりも利益に注目して経営戦略を練ろう
3という数字を活かす方法②プレゼンを行うとき
3という数字は、プレゼンのシーンでも活用することができます。スティーブ・ジョブズは生前、プレゼンを行うときにポイントを3つに絞ってアピールをしていたそうです。プレゼンで説明時間が長くなると、オーディエンスから飽きられてしまうため、最初にポイントを3つに絞って伝えることを周知しましょう。それだけでオーディエンスの聞く姿勢は変わってくるはずです。
長時間に及ぶプレゼンの際には、定期的に「3つのポイント」を伝える時間を設け、「今からこの商品のポイントをご紹介します。主な魅力は〇〇、××、△△の3つです」と結論を伝えてから話を展開するようにしましょう。
3という数字を活かす方法③動物病院をアピールするとき
企業理念や診療方針など、動物病院の魅力を伝えるときにも、強みを数点に絞る方法は有効です。
例えば、「丁寧な説明」「予防医療への取り組み」「犬・猫に配慮した診療環境」など、自院として特に知ってほしいことを整理してみましょう。
ホームページや院内掲示、SNSなどで一貫して伝えることで、「この病院は○○を大切にしている」と飼い主さんにも理解してもらいやすくなります。
ただし、強みも必ず3つにする必要はありません。ひとつの明確な強みがあるのであれば、それを繰り返し伝える方法もあります。反対に多くの魅力がある場合は、重要度を考えて整理するとよいでしょう。
プレゼン時のアピール方法については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:【プレゼンのルール】重要なプレゼンこそ5分で勝負しよう
情報発信の際にも3を意識してみよう

広告方法については、前々回のブログでお話したようにSNSだけではなくチラシやダイレクトメールなど、3つに幅を持たせることで、ターゲット層がおのずと広がります。
身近なところで取り組みやすいのが、あなたの動物病院への連絡方法です。いまだに電話しか設置していない動物病院もありますが、メールやFAX、SNSなど3つ以上の導線を設けておくと飼い主さんも連絡しやすくなっておすすめです。
広告の打ち出し方については、以下の記事をぜひお読みください。
関連記事:広告をSNSに頼りすぎるのはNG!複数の手段を採用しよう
伝えたいポイントはスタッフ全員で考えよう
動物病院の強みやサービスの特徴を整理するときには、院長だけでなくスタッフの意見も聞いてみましょう。院内では当たり前だと思っていることが、飼い主さんから高く評価されていることもあります。
スタッフとの話し合いやアンケート、口コミなども参考にしながら、「自院が伝えたいこと」と「飼い主さんが魅力に感じていること」が一致しているか確認してみてください。
3つのポイントを決めること自体が目的ではありません。
飼い主さんに何を覚えてもらいたいのかを整理し、その内容を分かりやすく伝えることが大切です。3という数字は、商品プランや説明、動物病院のPRを整理するうえで使いやすい目安です。
「何でも3つ」と決めつけるのではなく、選びやすい、理解しやすい、覚えやすい状態をつくるためのひとつの方法として取り入れてみてはいかがでしょうか。
