今回はダメセールストークの第7弾といきたいと思います。
多くの飼い主さんから購入していただくために、ついついセールストークに熱が入ってしまったり、目の前の飼い主さんが断りづらい雰囲気をつくってしまったりしてはいませんか。
そのような状態では飼い主さんは引いてしまい、あなたの動物病院から足が遠ざかってしまいます。
できるセールスを目指すのであれば、常に周囲のことも考えられるように一歩引いて、全体を見渡せる目を養いましょう。
今回は周囲のことを考えられるセールスパーソンのコツを紹介します。
目の前の飼い主さんに集中しすぎるデメリット
目の前の飼い主さんに集中することは、決して悪いことではありません。真摯なあなたの対応が飼い主さんにも伝わり、動物病院のファンの獲得につながります。しかし、過度な集中は、別の問題を引き起こすことになるのです。
例えば目の前の飼い主さんに合わせようとすることで、いつもとは違うセールストークを展開してしまうことがあります。そうなると、他の飼い主さんは「差別された」と感じて、良い気持ちにはなりませんよね。あなたの動物病院の飼い主さんは決して一人だけではありません。他の方が贔屓と感じることがないように、トークスクリプトは極力一貫して同じものを使うようにしましょう。
万人に受けるセールストークを展開するためには
それではどのようにしたら、広く飼い主さんから支持されるトークを展開できるようになるのでしょうか。ここで紹介していきたいと思います。
トークスクリプトを作成する
飼い主さんによって言っていることを変える獣医師というのは信頼されません。こっそり内緒で「あなただけに紹介します」と伝えたつもりでも、いつの間にか噂が広がってしまう可能性は否定できません。誰にでも通じるトークスクリプトを作成しておくことで、目の前の飼い主さんに集中しすぎることのないセールストークを展開できます。
成約できなかった理由を考えて次に活かす
「一所懸命セールスをかけたつもりなのに成約できなかった」という場合、あなたのセールストークがひとりよがりになっていた可能性があります。商品を勧めたい気持ちが先行してしまい、目の前の飼い主さんのことを真の意味で考えられていなかったかもしれません。
思い当たる節があるあなたは、この反省を活かして次のセールスに移りましょう。ネガティブな気持ちを引きずっていると声が小さくなり、説得力がなくなって飼い主さんにも負の感情が伝わってしまいます。
「飼い主さんは決してひとりだけではない」「他にも自分を認めてくれる飼い主さんはきっといる」という気持ちをもって、目の前の飼い主さんだけに集中することなく他の飼い主さんを見てセールス活動を続けましょう。
時間制限を決めて飼い主さんと話をする
目の前の飼い主さんに集中しがちな獣医師は、その分セールストークにも時間をかけてしまう傾向にあります。あなたとしては丁寧に説明しているつもりであっても、飼い主さんや周りのスタッフから見ると「話が長いし押し付けがましい」「購入への圧が強い」と感じられている可能性があるのです。
あなた自身のセールストークはどのように思われているのか、一度スタッフに確認してみましょう。もし「長い」と思われているようであれば、セールストークの時間を1回に3分程度に押さえる努力をしてみてください。時間制限を設けることで、一人の飼い主さんに集中しすぎることがなくなります。診察の効率も改善されて良いことづくめです。
セールスにはスタッフ全体で取り組んでみよう
セールス活動に慣れていない人が多い獣医師のなかには、集中すべき時間や度合いが読めていない人が多々存在します。元々勉強熱心な人も多く、セールスをするにしてもつい熱が入りすぎてしまうのですね。しかし、その気持ちが強すぎるとかえって空回りしてしまうことがあります。
適度なセールストークを展開するためには、あなただけではなくスタッフ全員で一度セールスに取り組んでみてはいかがでしょうか。スタッフの中には周りへの気配りに優れていて、飼い主さんが心地よく感じるセールストークができる人がいるかもしれません。そのようなスタッフがもしいるのであれば、その人をお手本にセールスのテンポをマネしてみましょう。目の前の飼い主さんに集中しすぎる、あまり良くないクセを改善できるかもしれません。
セールスマン一人ひとりには営業のクセがあり、良い面が出ることもあれば、そうではないシーンもあります。このあたりは飼い主さんとの相性によるところが大きいでしょう。積極的なセールス活動が良しとされていますが、あまりに頑張りすぎるとかえってひかれてしまいます。周りに気を配りつつ、真摯なセールストークを心がけると、また動物病院の売上が変わってくるはずです。