肯定的なテキストの図を考える

一般的に「できない理由」を口にするのは良くないことだと考えられがちです。

どうしても言い訳がましい印象を与えてしまいますし、ネガティブな思考に陥りやすくなります。

しかし、時には後ろ向きになることも必要なのではないでしょうか。

「できない理由」を冷静に追究することによって、その解決策が見えてくるはずです。

そこで今回はできない理由を見つけるときのポイントや対策の立て方を紹介します。

経営者にとってリスクマネジメントは責務である

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まず、ビジネスにおいて「できない理由」の「できない」は、「目標の達成」を指します。つまり「できない理由=目標を達成できない理由」となるのです。例えば動物病院の場合、「スタッフの人員が足りていないから月100匹ものペットは診療できそうにない」「あの治療機器がないから、この病気には対応できない」などが、「できない理由」となるでしょう。

こういった現実を無視して「何とか対応して、目標を達成しよう!」と考えるのは、果たして正しいのでしょうか?私はそうは思いません。現実のネガティブ要因を無視して、無理やり目標を達成しようとした結果、ずさんな対応になってしまったり、ペットの症状を悪化させてしまったりしたら、もっと大きな問題になってしまいますよ。こうしたリスクを無視して、目標を設定する経営者は褒められたものではありません。

コンプライアンスが重要視されている昨今、リスクマネジメントも経営者にとっては重要な責務です。目標を立てるときには、ポジティブな要因だけではなく、ネガティブな要因も意識しておく必要があります。

できない理由から対策を立てるまでの流れ

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「できない理由」を考える大切さをおわかりいただけたかと思います。もちろん「できない理由」を考えただけでは、何の解決にもなりません。「できない」を克服できるような対策を考えて、ようやく意味があったと言えます。ここからはできない理由から対策を考えるまでのフェーズを解説します。

目標未達の問題を洗い出す

まず現時点で達成できていない目標や、数字が伸び悩んでいる施策をすべて洗い出しましょう。診療、接客、事務など、仕事に関することであればどのようなことでも構いません。すべてピックアップできたらなぜ達成できていないのか、理由を徹底的に考えてみましょう。目標が未達になる原因は大きく分けて以下の4つです。

  • 個人の要因
  • チームの要因
  • 上司・管理職の要因
  • 経営者の要因

それぞれの具体的な要因を説明していきます。

・個人の要因

個人の目標が未達である場合は、その人が仕事に対する理解が足りなかったり、単純に仕事量が少なかったりする可能性が考えられます。知識や技術、経験不足で目標を達成できなかったということもあるでしょう。この場合、もちろん個人にも責任がありますが、力量を把握しておらずに仕事を割り振ってしまった管理職や経営者にも問題があると考えます。思い当たる節があれば、一度個人と面談をして目標設定を見直してみましょう。目標未達のままではスタッフのモチベーションが下がってしまいます。

・チームの要因

できない理由がチームにある場合、チーム内でコミュニケーション不足やギクシャクした人間関係が起きている可能性があります。チームの目標未達は個人目標と違って規模が大きく、経営に大きな影響を与えることもあります。それを立て直すためには、メンバー同士で情報を共有し、その情報をもとに相互補完できるような人間関係を構築する必要があります。情報伝達と連携を図ることによって、できない理由が解消されるようになるでしょう。

・上司・管理職の要因

上司や管理職の役割のひとつが、人材の育成です。その責務を怠っているがために部下が育たず、目標を達成できないというケースも見られます。現状よりも高い目標を目指すのであれば、上司自身が部下のスキルアップに力を注がなければなりません。

また、結果重視でプロセスを軽視する上司は部下からの信頼を得られず、モチベーションを下げてしまうこともあります。もしあなた自身や部下を見ている先輩スタッフにそのような傾向が見られたら、少し視点を変えてみるようにしましょう。

・経営者の要因

最後は経営者であるあなた自身に問題があるケースです。今設定している目標は、本当にあなたの動物病院に合ったものですか?実現不可能な数字を設定したり、市場ニーズに沿っていない目標を設定したりしていませんか?どんなにスタッフのモチベーションが高くても、目標設定が非現実的であれば、経営は改善へと向かいません。

スタッフの指導も大切ですが、まずはあなた自身の経営の方向性が間違っていないか、この機会に一度確認してみてはいかがでしょうか。

できない理由に正面から向き合うことを避けたがる人もいますが、それでは動物病院の問題をいつまで経っても解決できません。それを明確化して対策を立てることが、課題の解決策になっていくことでしょう。ぜひ実践してみてください。

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