最近は動物病院でも、商業施設のようにペット関連のアイテムや食べ物を販売していることが多いかと思います。それ自体はいいことだと個人的には感じていますが、動物病院を含む病院施設はどうしても商売意識が薄くなりがちで、商品をとりあえず置いている、というところも少なくありません。
実際に、長期間置かれ続けてるであろうホコリが被った商品を病院で見かけたことがあります。
しかし、活気のある動物病院の体制づくりを進めるためには物販の方法にも力を入れるべきと私は考えています。
商品数を増やせば活気のある印象になりますし、ペットの具合が悪くなくても商品購入を目当てに足しげく通ってくれる来院者が増えるかもしれません。
ペットを家族のように愛する人が増えたことでかわいい洋服や、栄養価の高いフードをあげたいと考える人もいます。
そんな飼い主さんに自分の病院で取り扱っているフードを紹介することが商品アピールになり、病院まで気に入ってもらえるかもしれませんね。
それでも今はインターネット通販で好きなだけペットのアイテムを探せる時代です。獣医師が勧めたからといって必ず購入してもらえるわけではなく、販促のためにはやはり広告が有効と考えます。
広告制作を代理店に頼んでいる方もいますが、ただ商品の説明が書き綴ってあるだけの広告は同業他社と区別がつかず、販促につながらないことも。
そこで今回は高い効果を期待できる広告の打ち出し方を紹介したいと思います。
ストーリーブランディングで商品の魅力をアップ
商品があふれて、わざわざ店舗に赴かなくてもいつでも自由にモノが買えるようになった今の時代、人々の心は物質的には満たされています。そのなかで購入意欲を刺激するためには、商品にストーリーをプラスして、消費者の心にゆさぶりをかけるのが有効です。
中身が同じでも、限定販売されている理由をストーリー形式で聞くと、より購入したくなりませんか。それこそがストーリーブランディングです。
モノがあふれる今の時代の広告活動はやりづらいと感じるかもしれませんが、SNSの発展で誰もが情報を発信できるようになったというメリットはあります。その点を大いに活用して、積極的におすすめ商品のストーリーを伝えるようにしていきましょう。
ストーリーブランディングについては、以下の記事が参考になりますよ。
参照:動物病院の広告には商品効果がわかるストーリーを盛り込もう
参照:動物病院の営業ではストーリーがマスト!理想的な展開は?
ストーリー広告の代表例
YouTubeを見るのが習慣になっている人、今多いですよね。かく言う私もその一人です。 YouTubeを見ていると決まって広告が流れてきますが、そのなかでも漫画形式になっている広告が多いことに気づきます。ストーリー展開も大体決まっていて、たとえばダイエットサプリの広告の場合、
- 太っている男性(または女性)が周囲からバカにされて一念発起
- さまざまなダイエットを試してみるけど続かない
- 諦めかけていたときに友人からダイエットサプリメントを勧められる
- 飲んでみたら〇日間で●kg痩せた
- 理想の体型を手に入れた途端、異性とも仕事もうまくいく
ほぼこれがテンプレとなっています。
ワンパターンと思いつつも、微妙に毎回異なるストーリーにつられてスキップすることなく、ついつい最後まで見てしまったという人も多いのではないでしょうか。無理のある設定に突っ込んだり、何も考えずに見られる手軽さについついハマってしまったりするかもしれません。
ストーリー仕立てになっていると、ついつい見てしまう広告。そういえば子どもの頃、毎月のように自宅に届いていた進研ゼミの広告も「毎回同じパターン」と思いながら読んでいたことを思い出します。
パターン化していても、なんとなく最後まで読んでしまうストーリー広告は、最もわかりやすい広告の成功事例かもしれませんね。たとえ商品購入まで至らなくても、広告を読んだ人の記憶に残って口コミが広がっていくかもしれません。
おしゃれなデザインや読みやすい文章、両方を取り入れたストーリー広告であれば、さらに高い効果を期待できそうですね。
商品の魅力が伝わりやすいところもストーリー広告の魅力
ストーリー広告のメリットは、読み手を引き込みやすい点だけではありません。システムや使い方が複雑でわかりにくい商品や親近感を覚えにくい商品には、イラストや起承転結をつけたストーリーを使って説明することで身近に感じてもらえる効果があります。色付けすると華やかで、ストーリーを読まなくても絵だけで理解してもらえるかもしれません。
動物病院で取り扱っているペット用の薬のなかには、複数の効果が見られるものもありますし、1日に何度も服用するものもあります。飼い主さんに正しく使ってもらえるように、ストーリー漫画を役立ててみてはいかがでしょうか。
ストーリー広告を依頼する方法はさまざま
そんなストーリー広告は、イラストとストーリーの両方を考えなければならず、何の知見もない人たちだけで考えるのは至難の業です。私もどうやってストーリー広告を作ろうか調べてみたところ、広告漫画、漫画チラシを制作している広告代理店をいくつか見つけました。
やはりプロのクオリティは高く、きちんと打ち合わせをして、イメージやアピールポイントを伝えておけば安心して任せられますが、ややお高め。最近はクラウドソーシングサービスを利用すると、アマチュア漫画家や漫画家志望者、美大生などに依頼できます。プロに頼むと最低5万円~かかるストーリー広告も、クラウドソーシングであれば相場の半額以下で頼むこともできるようです。今は広告もずいぶん依頼しやすくなっているのですね。
4コマ漫画を制作してもらうと短時間で商品の魅力を伝えられます。購入後に感じられる効果や使い方についてもわかりやすく盛り込むことができるでしょう。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
(2024.6 追記)
近年はInstagramのストーリーズ広告の運用を始めた企業が随分と増えてきた印象です。1日に700万回もの投稿が行われていますが、そのうちビジネス関連の投稿数は3分の1を占めるほど活況しています。
TikTokのようなショート動画がトレンドになる昨今、短時間動画でわかりやすく商品の魅力を伝えられるInstagramは、初めての人も着手しやすいでしょう。スタッフみんなで撮影して、商品にまつわるストーリーを紹介するのもおもしろいかもしれませんね。まずは同業他社の投稿をマネしてみてはいかがでしょうか。