銀の指輪をはめた左手を持つ人

優れた経営者はスタッフへの労いの言葉を忘れないの記事では、あなたの動物病院のスタッフを褒めるべき理由と、注意しなければならないポイントについてお伝えしました。

「スタッフを褒めるのは想像以上に難しい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、タイミングとちょっとしたポイントを押えておけば、スタッフにあなたの感謝と誠意がきちんと伝わるはずです。

今回はスタッフを褒めるベストタイミングと効果的な褒め方についてお話します。

スタッフを褒めるべきシーンとは

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あなたが積極的に褒めることでスタッフのモチベーションは格段に高まり、仕事のパフォーマンスも大きく変わってきます。しかし、むやみにスタッフを褒めても、ありがたみが半減してしまいます。ここからはスタッフを褒めるべきシーンについて紹介します。

目に見えてわかる結果を残したとき

具体的な業績を上げたスタッフや、目標を達成できたスタッフには、その功績を褒めるようにしましょう。例えば「あなたは月間100万円の予算に対して、150万円の売上を達成しましたね。これはあなたのセールストークが良かったからだと思います。本当にありがとう。これからも期待しています」と、具体的な成果と合わせて感謝と期待の言葉をかけると効果的です。

スタッフ個人の長所が職場に良い影響を与えたとき

目に見えてわかる成果だけではなく、スタッフの個々の強みや得意分野を認識して褒めることも大切です。「あなたは整理整頓が得意で日々の清掃を欠かさないので、いつも院内が清潔に保たれていますよ。どうもありがとう」「あなたのコミュニケーション能力の高さが、院内の雰囲気を明るくしていますよ。これからもお願いします」といった声掛けをすると喜ばれるでしょう。

他者への思いやりやサポートする姿を見たとき

動物病院に限らず、組織の運営はチームプレイといっても過言ではありません。動物病院を円満に運営するためには、スタッフ間のコミュニケーションや思いやりが必須です。しかしこれらは可視化しづらく、気づきにくいという一面があります。それならば経営者であるあなた自身が積極的に指摘して、スタッフの気遣いに感謝の意を示しましょう。

他のメンバーをサポートしたスタッフには、その行動を褒めるようにしてください。「この人は、スタッフのことをよく見てくれる院長だ」と感じ、信頼を寄せてくれるようになるでしょう。

褒めて伸びるタイプはランダムに褒める

スタッフの良い行動や結果を目にしたときには、基本的に褒めるべきだと考えますが、例外も存在します。それは、褒めて伸びるタイプのスタッフへの対応です。褒めて伸びるタイプは褒められることに敏感であり、褒められなかったときに一気にやる気をなくす可能性があります。

そのため、毎回褒めるのではなく特に目立つ成果を挙げた時にのみ褒めるようにしましょう。「もっと褒められたい」と思って、より頑張ってくれる可能性があります。

スタッフのモチベーションを上げる効果的な褒め方

テーブルの前に座って一緒に笑う3人

単純に「あなたは●●してくれましたね」「どうもありがとう」だけでは漠然としていて、褒められたと実感できないスタッフもいるでしょう。少し言い回しを工夫するだけで、驚くほど相手の心に強く響くようになります。ここからは効果的な褒め方について紹介します。

目標達成への貢献度を強調する

プロジェクトの目標を達成したときには、褒める対象のスタッフがどれほど貢献してくれたのかを強調して伝えましょう。「●●さんが△△をしてくれたから、当初の目標を●%上回ることができました。どうもありがとう」といった言い回しが理想的です。

定期的にフィードバックの場を設けて褒める

スタッフを褒めなければならないと思っても、院内が忙しかったり、褒める雰囲気でなかったりと、さまざまな事情でタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。そのような状況が多いのであれば、定期的にフィードバックの場を設けるようにしてください。朝礼でも会議でも構いません。そのときまでに褒めるスタッフと褒める内容をまとめておき、本人の前で伝えましょう。多少タイミングがずれたとしても、あなたの気持ちが伝わるはずです。

フィードバックや振り返りの大切さについては、以下の記事をぜひ参考にしてください。

関連記事:仕事における振り返りとは?重要性と方法を解説

褒める場所については臨機応変に

会議や朝礼など、大勢の前で褒めたほうがきっと褒められるスタッフはうれしいはず。そう思ってはいませんか?前回の記事でも紹介しましたが、2024年に株式会社SHIBUYA109エンタテイメントと金沢大学の金間研究室が合同で行った「Z世代の承認欲求に関する調査結果」では、全体の6割もの若者は「人前で褒められたくない」と回答しているのです。

その理由としては「恥ずかしい」「他の人から嫉妬を買うのではないか」などが考えられますが、人前で褒めることでスタッフのモチベーションが下がってしまうとしたら大きな問題です。

他のスタッフにも見習ってほしいと思う行動が見受けられたときに、全員の前で褒め称えるのは決して悪いことではなく、他のメンバーの士気向上につながる可能性も十分にあります。しかし、シャイなスタッフに対してそれを行うと逆効果につながる可能性もあるため、相手を見て褒め方を考えましょう。

人前で褒めるのはやめたほうが良いと思った場合、社内メールを使って要件を交えつつ、さりげなく褒めるのもひとつの手です。

参照:「SHIBUYA109 lab.×金沢大学 金間研究室 共同調査本当はほめられたいの?ほめられたくないの?

否定的な言葉を使わずに褒める

他のスタッフを下げて特定のスタッフを褒めたり、「●●はダメだったけど、△△は良かったよ」などとネガティブな言葉を使ったりするのはNGです。せっかくの褒め言葉がひねくれた印象になります。否定的な言葉や人を傷つける言葉は使わず、ポジティブな言葉選びを心がけるようにしてください。

反対に、オーバーに褒めるのも逆効果です。「格が違いますね!」「他の人とは比べものになりません」など、人と比較すると、かえってあなたの心証が悪くなります。相手に警戒されないようにするためにも、何度も同じ言葉を繰り返したり、過剰な表現を使用したりするのは避けましょう。

上から目線にはならずに尊敬と感謝の意を示す

経営者や上司となると、スタッフに指示を出す立場上、どうしても上から目線の物言いになりがちです。褒めるときにも「よくやった」「ご苦労様」など、端的でどこか高圧的な言い方になってしまう人が多い印象を受けます。しかし、それでは誠意が伝わりません。スタッフを褒めるときには「●●さんのおかげで、売上が上がったよ。本当にありがとう」など、感謝の気持ちを伝えつつ、スタッフの名前を交えながら丁寧に伝えるようにしてください。

第三者伝手にスタッフを褒める

基本的には経営者であるあなた自身の言葉で褒めるのが効果的ですが、時には他のスタッフに頼んで自分の言葉を伝えてもらいましょう。第三者から伝えてもらうことで、信ぴょう性が増します。特に異性の口から伝えづらい内容だと感じたときには、他のスタッフに頼んでみると良いでしょう。

信頼できる経営者は普段からブレない態度を大切にしているものです。詳細についてはこちらの記事で触れていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:ブレない経営者になるための3つの方法

スタッフを褒めるときには、相手の目を見てしっかりと気持ちを伝えるようにしてください。言葉は少なくても、真摯な態度を取ることであなたの褒め言葉を気持ちよく受け取ってくれます。

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