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動物病院の院長は、診療や手術だけでなく、スタッフの教育や採用、設備投資、集患、経理など、さまざまな業務を同時に進めなければなりません。目の前の仕事に追われているうちに、本来優先すべき経営課題が後回しになっている方も多いのではないでしょうか。

スティーブン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』では、成功につながる考え方のひとつとして「最優先事項を優先すること」が挙げられています。大切なのは、単に急ぎの仕事から片付けるのではなく、目標を達成するために本当に重要な仕事を見極め、そこに時間と労力を集中させることです。

動物病院経営においても、優先順位を明確にできれば、院長にしかできない仕事に集中しやすくなり、業務の効率化や組織づくりにもつながります。この記事では、仕事の優先順位を決める際に役立つ4つのフレームワークを、動物病院の業務に置き換えながら紹介します。

なお、フレームワークについては、以下の記事でも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:経営を安定させるためには戦略を練る時間を捻出しよう

動物病院経営で優先順位を決める4つの方法

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仕事が重なると、すぐに終わりそうなものや、急いでいる人から頼まれたものを優先しがちです。しかし、それでは本当に重要な仕事が後回しになることがあります。フレームワークを使えば、感覚だけに頼らず、冷静に優先順位を判断できます。

緊急度・重要度マトリクス

緊急度・重要度マトリクスは、仕事を「緊急度」と「重要度」の2軸で4つに分類する方法です。

「重要かつ緊急」には、急患対応や医療機器のトラブル、スタッフの急な欠勤などが該当します。これらは速やかに対応する必要があります。

一方、「重要だが緊急ではない」仕事には、採用計画、スタッフ教育、院内マニュアルの整備、設備投資の検討などがあります。今すぐ対応しなくても問題が起こらないため後回しになりがちですが、病院の将来を左右する重要な仕事です。空いた時間に取り組むのではなく、あらかじめ予定に組み込みましょう。

「緊急だが重要ではない」仕事は、スタッフへの依頼や外部サービスの活用を検討します。「緊急でも重要でもない」仕事は、簡略化や廃止ができないか見直しましょう。

重要なのは、単純にAから順番に処理することではありません。緊急業務に対応しながら、重要だが緊急ではない仕事にも計画的に時間を確保することです。

リソースと期待効果から優先順位を考える

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設備投資や新しい診療科の導入、採用強化など、規模の大きな経営課題では、院内のリソースを踏まえて判断する必要があります。

まず、人手や予算、設備、時間など、現在利用できるリソースを確認します。そのうえで、各施策が経営や診療に与える効果、実行に伴うリスク、戦略上の重要性を比較しましょう。

高い成果が期待できても、必要な人材や予算が不足している場合は、すぐに実行できないかもしれません。逆に、即効性はなくても、将来の人手不足や業務負担を軽減できる施策であれば、早めに準備を始める価値があります。目先の効果だけでなく、中長期的な視点で優先順位を調整することが大切です。

プロセスの探り方については、以下の記事もぜひ参考にしてください。

関連記事:結果が出ない時こそプロセスから原因を探るべき

ICEスコアリングモデル

ICEスコアリングモデルは、タスクや施策を「影響度」「確信度」「実行のしやすさ」の3項目で評価する方法です。それぞれを10段階で採点し、数値を掛け合わせて比較します。

たとえば、予約確認の自動化、院内マニュアルの更新、新しい診療科の開設など、複数の施策で迷っているときに役立ちます。数値が高いものほど、比較的少ない負担で成果を得られる可能性が高いと判断できます。

ただし、採点には主観が入りやすいため、院長一人で決めず、スタッフの意見も聞くことが大切です。また、医療安全や法令への対応は、スコアが低くても優先しなければならない場合があります。ICEスコアは、あくまで判断材料のひとつとして活用しましょう。

Value vs. Effortマトリクス

Value vs. Effortマトリクスは、仕事を「得られる価値」と「必要な労力」の2軸で整理する方法です。

価値が高く、労力が小さい仕事は「Quick Wins」と呼ばれ、優先的に実行します。予約方法の改善や、よくある問い合わせへの回答整理などが該当します。

価値も労力も大きい仕事は「Big Projects」です。新しい医療機器の導入や採用体制の見直しなど、計画を立てて段階的に進めます。

価値が低く、労力が小さい仕事は「Fill-ins」として、時間に余裕があるときに対応します。価値が低い一方で労力が大きい「Time Sinks」は、原則として見送るか、業務そのものを廃止できないか検討しましょう。

院長にしかできない仕事を明確にしよう

優先順位を決める目的は、単に仕事を早く終わらせることではありません。院長が本当に取り組むべき仕事に、時間とエネルギーを集中させることが重要です。

動物病院では、緊急性の高い診療が日常的に発生するため、採用や教育、業務改善といった重要な経営業務が後回しになりがちです。しかし、重要な課題を放置すれば、やがて人手不足やスタッフの疲弊、医療サービスの低下といった問題につながる可能性があります。

まずは抱えている仕事を書き出し、今回紹介したフレームワークで整理してみましょう。任せられる仕事はスタッフや外部業者に任せ、不要な業務は見直すことで、院長にしかできない重要な仕事へ集中しやすくなります。

最後に大きな仕事をスムーズに進める方法について触れた記事を紹介します。ぜひこちらもお読みください。

関連記事:大きな仕事をスムーズに進められるタスクマネジメントとは?

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