前回のブログでは、飼い主さんへのヒアリングの重要性をお話しました。

その際にもお伝えしたように、自分の話を一方的にするのはNGです。

まずは飼い主さんのお話を一旦すべて聞き入れた後に自分の話をするようにしましょう。

ただし、こちらから話を振るときにも、相手の存在を忘れてはいけません。

今回は商談時に意識したい「会話のキャッチボール」についてお話します。

一方的な質問がNGとされる理由

セールスマンのなかには、会話の沈黙をおそれて矢継ぎ早に質問をする人がいますが、これはあまりおすすめできません。質問を受けているほうは質問というよりも尋問を受けている印象になり、決していい気持ちがしないためです。また、矢継ぎ早な質問は相手に考える余裕を与えようとしない姿勢も伝わってしまいます。「会話はキャッチボールが重要」と言われるように、飼い主さんや業者との商談の場でもお互いが気持ちの良いテンポで言葉をやりとりするようにしましょう。

まずはアイスブレイクから始める

man and woman holding hands

矢継ぎ早に質問をする人は、いきなり質問から始める傾向があります。唐突な質問は商談相手があなたに心を開く時間を与えず、ヒアリングでも深い部分までは聞き出すことはできません。少しずつお互いの心の距離を近づけていくためには、まずアイスブレイクから始めるようにしましょう。

 

アイスブレイクとは初対面同士が緊張を解きほぐす方法です。アイスブレイクを活用するためには、いくつか有効な話題があります。たとえば季節や天気の話題は定番ですが、他にも地域の話題やペットの状況、話題のニュースなどもアイスブレイクの話題としては最適です。

 

アイスブレイクには緊張をほぐすだけではなく、飼い主さんから主体的に話してもらうことで、相手の意見を引き出しやすくなります。1回の商談につき5分程度で構いませんので、ぜひアイスブレイクの時間を設けてみてください。

商談時には自分の意見も伝える

会話のキャッチボールを意識する際には、相手にばかり話をさせるのではなく、あなた自身の気持ちを伝えることも重要です。商談相手は人間味を感じない相手からは、あまりものを買おうとは思いません。ひとつ相手のお話を聞いたら、今後は自分の気持ちを伝えることを意識しましょう。それによって会話のキャッチボールができていくはずです。

たとえば、新商品を勧めたいのであれば、まずは自分が使用してみて、その感想を伝えると良いでしょう。その商品への信頼度が増しますし、「獣医師さんも使っているんだ」と親近感を覚えてもらえるかもしれません。相手の気持ちを開きたいのであれば、まずは自分の心を開いて伝える必要があります。

飼い主さんが話しやすいリズムをつくる

音楽と同じように、会話にもテンポというものがあります。ゆっくり話す飼い主さんに対して質問ぜめにしたり、早口で話したりすると、相手はストレスを感じてしまうものです。そのようなことがないように、飼い主さんの会話のテンポに合わせる努力をしましょう。

飼い主さんと同じ速さで話すようにしたり、相づちを打ったりすると会話のテンポが合いやすくなります。特に相づちは「きちんとあなたの話を聞いていますよ」というサインになり、話を引き出しやすくなるはずです。

相づちを打つ際にはきちんと相手の目を見るようにしましょう。ただ頷くだけではなく、時には合いの手を入れると、一方の人だけが話しているという状態を防ぐことができます。

表面的なセールストークはやめよう

MacBook Pro near white open book

商談相手の間に生まれる沈黙が怖くて話してしまう人の多くは、テンプレのセールストークを使っていることが多いものです。例えばすでに説明書に書いてある商品の説明をしたり、わざとらしい社交辞令を言ってしまったりするのはテンプレと言えるでしょう。

テンプレのセールストークは飼い主さんも聞き飽きていますし、「とりあえず会話をしなければ」というあなたの気持ちも伝わってしまいます。そのためマニュアル通りのセールストークは一度やめ、あなたが本当に気になっていることや、伝えたいことだけで会話をするようにしましょう。表面的ではない、心のこもった会話のキャッチボールができるはずです。 

リアクションは少し大きめに打つ

普段の診療サービスではつとめて冷静に対応しなければならない獣医師も、飼い主さんと会話をするときには、少しだけリアクションを大きくしてみましょう。冷静で淡白な反応は相手をしらけさせてしまい、その後の会話が続きにくくなります。返答にしても「そうですか」「わかりました」など、一言で済ませるのではなく、二言三言続けて返すようにしましょう。

会話のキャッチボールは仕事だけではなく、プライベートでも意識すると人間関係を円滑化できます。とは言ってもあまり考えすぎてしまうとかえって会話がギクシャクしてしまいます。あなたらしさを出しつつ、ときには相手に会話をリードしてもらえるようにテンポを重視しましょう。

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