gray microphone in room

今回のブログでは、前回に引き続き顧客(=飼い主さん)の声を集める方法について考えていきたいと思います。

前回お話したアンケートによる顧客調査は、手軽に飼い主さんの声を集めやすい一方で、アンケートの回答用紙に書かれた内容だけではニーズやウォンツを判断しなければならないというデメリットがありました。

また、文章を書くのが苦手な飼い主さんにアンケート回答を求めてしまうと、たった一言しか返ってこないという事態もありえます。

たくさんの飼い主さんにアンケートをお願いしても、肝心の内容が浅いものでは意味がありません。

そこでおすすめしたいのが、インタビュー調査です。

飼い主さんに直接インタビューをすることによって、アンケート調査だけでは見えてこない飼い主さんのウォンツやニーズを引き出すことができます。

それでは一体どのように行えばよいのでしょうか。

ここではインタビューの対象者の選び方やその時の話の進め方までお話していきたいと思います。

インタビューのステップ①目的とターゲットを決める

こちらはアンケート調査を行うときと同じです。なぜインタビューを行うのか?商品開発のためか、クレーム対策か、サービス改善なのか、目的によって質問内容やインタビュー対象も変わってくるはずです。目的を明確化したら、絶対に最後まで変えないようにしましょう。

その後は商品やサービスのターゲット層を決めていきます。例えば20代の若い飼い主さん向けの商品をリリースするのであれば、インタビュー対象も同じく20代の若年層が望ましいです。そうなれば、声をかけるべき飼い主さんも決まってくるはずです。目的とターゲットのふたつが決まれば、大まかなインタビューの方向性も決まってきます。

インタビューのステップ②インタビューする人・される人をそれぞれ決める

woman in teal t-shirt sitting beside woman in suit jacket

目的とターゲットが決まったら、実際にインタビューをする飼い主さんを決めましょう。目的に合わせたインタビュイー(=インタビューを受ける人)を選定する必要がありますが、常連の飼い主さんだけではなく、しばらく来院されていない方にも声をかけると良いでしょう。あなたの動物病院から足が遠ざかっている何かしらの理由があるかもしれません。そのような飼い主さんから率直な意見を引き出すことで、動物病院の課題や改善のヒントを見つけられるでしょう。

 

また、インタビューをされる人ばかりがフォーカスされがちですが、インタビュアー(=インタビューをする人)の選定も重要な要素です。せっかくたくさんの飼い主さんを集めることができたとしても、インタビュアーの質問の仕方が悪いと、率直な意見を引き出しにくくなります。また、院長であるあなた自身がインタビュアーになると、飼い主さんが気を遣ってしまう可能性があります。

インタビュイーの飼い主さんが女性であれば、やはり同性同士のほうが素直な意見を引き出しやすいので、女性看護師にインタビュアーをお願いすると良いでしょう。一対一のインタビュー形式ではなく、対談形式や座談会形式でも問題はありません。むしろ座談会のほうが和気あいあいとして緊張がほぐれやすく、意見をナチュラルに引き出せるでしょう。

インタビューのステップ③質問を決めてインタビューを実践する

目的に合わせた質問項目を設定しましょう。質問数は10個前後がおすすめです。あまりに少ないと時間を持て余してしまいますし、多すぎるとひとつひとつの質問を掘り下げる時間が短くなってしまいます。

インタビューを実践するときには、あらかじめ決めておいた質問項目だけを聞くのではなく、回答をどんどん掘り下げていくようにしましょう。良いと思う商品を聞いたら、良いと思う理由や購入した動機、改善点などを聞いて見てください。深堀りしていくことで、課題をよりクリアにできるでしょう。

なお、インタビュー内容は録音しておくと、あとから振り返るときに便利です。録音をするときには必ずインタビュイーに一言断ってから開始しましょう。

インタビューをスムーズに進めるポイント

people seated on table in room

インタビューに協力してくださった飼い主さんには、なにかしらのオファーを用意しておくと良いです。新商品のサンプルでも割引券でも構いません。オファーを用意することによって、より真摯にインタビューに取り組んでくれますし、あなたの動物病院のイメージアップにもつながります。

 

飼い主さんのなかでも、インタビューされることに慣れている方はそう多くはないはずです。インタビュー慣れしていない方は緊張して話せないことも多いため、リラックスして話せるような環境づくりに努めましょう。院内の会議室などにお茶やお菓子を用意し、それらを勧めつつインタビューを進めると効果的です。また、いきなり聞かれた質問にうまく答えられないこともあるので、事前に質問シートをお渡ししておくと良いでしょう。

 

飼い主さんとの会話がはずめば、思わぬ経営改善のヒントが見つかるかもしれません。複数の飼い主さんに声をかけて、これまで気づけなかった本音を集めていきましょう。

 

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