前回のブログでは、ブランド体験の重要性をお伝えしました。
動物病院の競争が激化する現代は、自分自身の動物病院もブランディングして、他院との差別化を図るべきと考えます。
ブランド体験以外にも、ブランディングの方法はいくつか存在しますが、そのなかでも特におすすめしたいのがキャンペーンの実施です。
キャンペーンの告知から実施、アフターサポートまでを丁寧に行うことによって、あなたの動物病院の認知向上を実現することができます。
そこで今回はキャンペーンでブランディングを図るコツについてお話します。
キャンペーンがブランディングに有効な理由
山崎製パンが毎年春に実施している「ヤマザキ春のパンまつり」を知らない人はほとんどいないでしょう。毎年春に商品についたシールを集めると、白い食器に交換してもらえるという有名なキャンペーンです。1981年に始まったこのキャンペーンは2022年の今年、42回目を迎えます。これまでに交換されたお皿の数は累計5億4,000万枚超。山崎製パンと言えば、このキャンペーンを思い出す人が多く、まさに日本企業を代表するキャンペーン事例と言っても過言ではないでしょう。
山崎製パンほど有名ではなくても、キャンペーンを実施することで顧客からは商品やサービスを手にとってもらいやすくなり、あなたの病院の売上アップにつながるかもしれません。それが良い商品であれば、きっとリピーターも増えていくでしょう。お得なキャンペーンであれば飼い主さんも得した気分になれて、一石二鳥にも三鳥にもなるはずです。定期的に開催することで、「今年もあの動物病院がキャンペーンを始めるだろう」と思い出してもらえるかもしれません。
キャンペーンを成功させるポイント
キャンペーンはブランディングに有効とはいえ、どの企業にとってもオーソドックスな販売活動であり、ただ値引きしたり、新商品を宣伝していたりするだけでは、飼い主さんの記憶に残りません。あなたの動物病院の価値を上げるためには、キャンペーンの打ち出し方にも工夫が求められます。ここではキャンペーン開催時に押さえておきたいポイントを紹介します。
キャンペーン期限は複数回設定する
キャンペーン期限は複数回設けることをおすすめします。1回目の申し込み状況を見て、キャンペーンの効果を測定し、改善することができるためです。また、以前別のブログでもお話しましたが、あまりキャンペーンを長期間に設定すると、「いつか申し込めば良いや」という安心感を飼い主さんに抱かせ、結局忘れられてしまうおそれがあります。そうかといって短期間で終了すると、キャンペーンが認知されないままに終了してしまい、大した効果が感じられないことも。
こうした事態を回避するために、2週間から1か月程度のキャンペーンを複数回設定し、コンスタントに飼い主さんに訴求をしましょう。初回キャンペーンを豪華にしたり、2回目以降の景品を変えたりすると、早い段階での申し込みを期待できます。
1回目のキャンペーンであまり効果を感じられないようであれば、広告の出し方を変えてみたり、商品に対する意見をインタビューしてみたりして、改善のヒントを探りましょう。
同じキャンペーンを繰り返す
実施してみて好評だったキャンペーンは、ヤマザキ春のパンまつりのように毎年決まった時期に開催して、定例化しましょう。何度も繰り返すことで、そのキャンペーンがあなたの動物病院のブランドとなっていくはずです。
私が経営している動物病院でも、毎年春に「予防接種キャンペーン」というものを実施しております。これは最初に予防接種の回数券を購入しておくと、2回目以降の接種料金が割引になるというものです。おかげさまでこのキャンペーンは好評をいただいており、当病院の看板キャンペーンになるまで成長いたしました。今では飼い主さんのほうから「キャンペーンはいつ始まるの？」と聞かれるほどです。
キャンペーンの施策を考えるにも、時間と手間がかかりますが、定例のものをつくっておけばルーティンワークとなり、業務を効率化することができます。「自分の動物病院といえばこれ！」と言えるキャンペーンを何かひとつ考えてみてください。
キャンペーンを打ち出すたびにSNSで告知する
最近はSNSを用いてキャンペーンの広告を知らせる動物病院も増えてきました。キャンペーンのたびに広告を打ち出すと出稿費用がかさみますが、基本的に無料であるSNSを用いれば、キャンペーンの存在を簡単に宣伝できます。複数回のキャンペーンを打ち出すときにはそのたびに告知して、飼い主さんを逃さないようにしてください。
動物病院のキャンペーンは、新規の飼い主さん獲得はもちろん、リピーターを増やしたいというときにも有効です。自信がある診療サービスや商品をメインに据えて、良い反応を期待できる企画を考えましょう。キャンペーンが定番化すれば、あなたの動物病院のブランド力がワンランク高まるはずです。
