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変化が激しい現代の世の中ですが、動物病院とて例外ではありません。動物病院の数が増え続けている今の世の中で生き残っていくためには、絶えず勉強を続ける必要があると考えています。そして、それは獣医師のみならず動物病院のスタッフ全員に言えることです。しかし、一方的に勉強を義務化していても、誰もついてきません。「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」という有名な言葉がありますが、その通りにまずは経営者である自分が、スタッフに勉強の姿勢を見せます

今回は経営者がスタッフに見せるべき理想の姿勢について考えたいと思います。

率先垂範の必要性

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よく「子どもは親の背中を見て育つ」と言いますが、経営においても全く同じことが言えます。経営者本人が一生懸命に勉強していれば、何も言わなくてもスタッフもそれに習いますし、そうでなければスタッフも勉強をしません。10の説教よりも1の姿勢が重要であると考えています。

しかし、自分が勉強している姿勢をなかなか見せる機会はありません。「昨日はこれだけ勉強したよ」と口で言うだけでは、「そうなのですね」で終わってしまうことも。そうならないように、まずは院内でも空き時間に勉強をしている姿勢を見せましょう。昼から午後の診察が始まるまでの時間に勉強している姿勢をさりげなく見せ、使用したテキストを院内に置いておけば手にとってもらえるかもしれません。また、定期的なスタッフミーティングで勉強した内容を発表すると、勉強熱心な姿勢が伝わります。

「今は勉強をしていない」という先生も、何かひとつ興味のある分野を見つけ、勉強してみてはいかがでしょうか。動物の治療方法など、本業に関わることでも良いですし、経営に関わることでも構いません。また組織をまとめる経営者であれば、コミュニケーションや組織づくりにまつわる内容でも有益なものになります。

スタッフの勉強意欲をミーティングで高める

勉強姿勢を見せることがスタッフの勉強意欲を高める一歩であることは間違いありません。しかし、それで勉強を始めてもらえるほど人間は単純ではありません。特にワークライフバランスを重視するスタッフからは、「なぜ勤務時間外に勉強しなければいけないんですか?」と指摘される可能性があります。

そのような場合を考えて、定期的にスタッフ全員のミーティングを開催するのが有効です。私が経営する動物病院では、月に1回はスタッフ全員が参加する定例ミーティングを開き、意見を出し合ってもらっています。このときには、必ず全員が発言できるように工夫をし、私はあえて口を挟みません。こうすることでスタッフも経営に関して当事者意識を持てるようになり、課題に対して真剣に向き合おうとします。課題解決には勉強が必要であるため、「勤務時間外にも勉強しようかな」という気持ちを持ってもらえるかもしれません。勉強を義務化しても、「そもそも何を勉強したら良いのか分からない」「適切な勉強の方法がわからない」というスタッフもいますので、定例ミーティングではまず勉強の方向性を示してあげてください

外部研修にはスタッフサポート体制もつける

 

Lecture, Instructor, Lecture Room, Room今は社会人向けのビジネス研修が非常に充実しています。コロナ禍によってオンライン研修が広く知られるようになり、今やいつでもどこでも研修を受けられるようになりました。スタッフに勉強習慣がついていないと感じるようであれば、こうした研修の受講を必須にするのもひとつの手かもしれません。最初は渋々であっても、継続していくうちにモチベーションが上がって、業務に必要なスキルを身につけてもらえるようになります。

少々費用はかかりますが、できる限り研修費用は動物病院側が負担してあげてください。自己負担となるとどうしても反対が予想されますので、初回だけでも補助金を出してあげましょう。勉強意識が高いスタッフであれば、自己負担であっても継続してくれます。

勉強の結果は必ずフィードバックする

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たとえスタッフが勉強をしていたとしても、その成果を発揮する場がなければ、「勉強した意味がなかった」と思わせてしまうことになります。こうなるとモチベーションが下がって、二度と自主的には勉強してくれなくなるでしょう。そのようなことがないように、定例ミーティングでは勉強内容についてヒアリングをし、どのようなシーンで成果を発揮できそうか、提案してあげると良いです。勉強はインプットだけではなく、アウトプットも大切です。アウトプットする場を提供することで、スタッフのモチベーションはさらに高まります。

他の動物病院と差別化するためには、やはりスタッフの質が重要です。勉強熱心なスタッフがいる動物病院は、やはり質が高いです。それでも最初から自主的に勉強してくれるスタッフはそういないため、経営者がサポートをしてあげてください。勉強といっても、難しいことをさせる必要はありません。そのスタッフに本当に必要だと思うことを提案してあげるだけで、一人ひとりが目的意識を持ってくれます。

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