前回のブログでは「飼い主さんに行動喚起させることの大切さ」を紹介しました。
申込みなり購入なり、飼い主さんに行動を促すことができたとしても、申込み方法が複雑であると結果的に離脱を招いてしまいます。
そのようなことがないように、申込み方法には工夫を凝らしましょう。
今回は理想的な申込み窓口の設置方法についてお話します。
申込み方法の選択肢
商品購入や来院の申込み窓口は、大きく分けると以下の5つです。
- 動物病院の窓口
- 電話
- メール
- Webの申込みフォーム
- QRコード
窓口や電話は人を介して予約・購入するアナログスタイルに、メールや申込みフォーム、QRコードはオンラインで完結するネットスタイルに分類されます。最近は人手不足解消や業務の効率化を目指して、申込みスタイルもオンラインが主流になりつつあります。記録を確実に残しておけるオンライン申込みは信頼性が高く、トラブル発生時の責任の所在を明確化できる点が利点です。
また、動物病院の開院時間にしか受け付けられない電話や窓口とは異なり、オンラインは24時間365日いつでも受け付けられます。会社員や自営業者の多くは18~21時の時間帯にネットを見ることが多いというデータもあるため、オンラインの窓口を設けておいたほうが良いでしょう。
しかし、オンラインの申込みシステムに弱点がないわけではありません。まず、インターネットになじみがない人にとっては利用しにくいという点。メールの場合はアドレスの入力が必要ですし、申込みフォームではすべての項目を埋めなければならないため、対面申込みよりも時間がかかりがちです。ちょっとした質問でも、回答にタイムラグが発生することもデメリットのひとつといえます。
特に高齢者の飼い主さんを多く抱えている動物病院や、高齢者が多いエリアに動物病院を構えている場合は、オンラインとオフラインの両方の窓口を構えると良いでしょう。複数の窓口を設けることによって、誰でもいつでも申込みやすくなります。
申込みをスムーズに受け付ける方法【対人編】
申込み方法の門戸を広げたところで、受け付ける側の体制が整っていなければ、スムーズなやりとりがなされません。対人受付にしてもオンライン受付にしても、ポイントを押さえておきましょう。
対人受付で最も注意したいのが、伝達ミスです。「言った言わない」のトラブルを起こさないように、窓口で申込みを受け付ける場合には申込書を記入し、手間であっても飼い主さん自身に書いていただくようにしましょう。あまりに申込み欄が多いと時間もかかりますので、必要最低限の項目に絞ります。そして、申込書を受け取ったら、その場で必ずひと通り目を通して、記入漏れはないか、不明な点はないかを確認してもらうように、受付スタッフの教育をしましょう。
電話受付の場合は、まずははきはきとわかりやすく話すことが重要。聞き取りにくい声には飼い主さんもストレスを感じてしまいます。反対に飼い主さんの声が聞き取りにくいこともありますが、原則的に聞き返すのは一回までとしましょう。氏名と連絡先が確認できれば、来院後に改めて伺うこともできます。ひと通り情報をヒアリングしたら必ず復唱し、注意事項や予約時間、金額など重要な点を再度伝えるようにします。これによって伝達ミスは大幅に減るはずです。
それでも万が一トラブルが発生してしまったときに備えて、受付担当者の名前は必ず記録しておくようにしてください。
申込みをスムーズに受け付ける方法【オンライン編】
記録が残せるオンライン申込み受付のほうが集客は確実と思われがちですが、実は離脱されやすい一面もあります。特に記入欄が多い申込みフォーマットに煩わしさを感じる閲覧者は多いです。3分以内で記入できるシンプルなフォーマットを設けて回答していただきましょう。なお、申込みについてはGoogleフォームなど、無料で簡単に作成できるものが複数存在しますので、ぜひ活用してみてください。
メールも定番の申込み方法ですが、メールアドレスの入力ミスが発生しやすい点も指摘されています。また、受け手側も他のメールに紛れて見落としやすいというデメリットがあるのです。そこでおすすめしたいのがQRコードと申込みフォームの合わせ技です。今やどのスマートフォンにもQRコードの読み取り機能がついていますので、広告やホームページに貼付したコードを読み取っていただいて申込みへと誘導しましょう。QRコードも今や専用サイトで無料作成できる時代です。
メールという申込み方法を残しておきたいのであれば、申込み受付専用のメールアドレスを作成するという手もあります。
対面でもオンラインでも申込み導線を増やすことによって、飼い主さんは自分の動物病院をより身近な存在と捉えてくれるはずです。今回紹介した5つの方法をすべて採用し、風通しの良い動物病院の窓口をつくりましょう。申込み方法の設置こそが、動物病院繁栄の第一歩です。