獣医師という職業に関わらず、忙しく仕事をしている人の多くは何でも一人で業務を抱え込んでしまっているような気がしてなりません。
一人の人間が抱え込める仕事の量は限られています。
もしもあなたの動物病院が人手不足であるのでしたら、思い切ってプロを雇って業務の一部を外注してみてはいかがでしょうか。
今回はプロにアウトソーシングする重要性とメリット、また注意点を紹介します。
アウトソーシングは今の世の中の常識
動物病院ではまだまだ浸透しきっているとは言えませんが、一般企業では業務の一部を専門業者に委託する、いわゆるアウトソーシングが浸透しつつあります。特に特定の部門の業務をすべて専門業者に委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は拡大傾向にあり、2017年には7,346億円だった市場規模は2022年には8,769億円に達すると予想されているのです。
人手不足が叫ばれる昨今、正社員やパートを募集しても応募が来ないということも少なくないでしょう。それであれば、いっそのこと特定の業務をプロにおまかせすることをおすすめします。業務の効率化が進んで、あなたの仕事の負担も大幅に軽減できるはずです。
プロに業務をまかせるときのメリット
プロに業務を任せることには業務の効率化だけではなく、さまざまなメリットがあります。
まず、プロの手による高品質な業務を期待できるところ。経理でも清掃でも、専門業者に依頼することによって、ミスがなく快適な仕事ぶりを実感できるでしょう。あなたが付け焼き刃で知識や技術を習得する時間を節約できますし、余った時間を本業に充てることができます。それによって診療サービスの提供の質をますます高められるはずです。
また、業務によっては正社員を雇用するよりもアウトソーシングをしたほうが、経営コストをおさえられる可能性もあります。不定期で発生する業務や、短時間で終わる業務については、スポットで依頼したほうがお得かもしれません。
このように業務の一部をプロに任せることによって、さまざまなメリットを期待することができます。コストが気になる方は、一度業者から見積もりを取って、プロに任せるのと、自分たちでタスクをこなすのと、どちらのほうが効率的か、比較してみると良いでしょう。
プロに任せるべき業務とそうではない業務
アウトソーシングにはメリットが多いものですが、決してデメリットがないわけではありません。また、業者に任せるべきではない業務も存在します。
たとえば本業の動物の診療サービス。あなたの本業である診療までアウトソーシングしてしまうと、動物病院の個性がなくなりますし、あなたの治療に信頼を寄せている飼い主さんが離れていってしまうかもしれません。あなたの動物病院を繁盛させるためには、動物病院の肝となる業務は絶対にあなた自身がこなすべきだと考えます。
また、看護師もできる限り正職員を雇用して、常勤させるようにしましょう。動物病院の獣医師と看護師は動物の診療をするにあたって、チームワークが問われます。それも臨時の派遣看護師であるとあなたの動物病院の勝手がわからずに、ちぐはぐなコンビネーションになってしまいます。多少コストがかかっても、阿吽の呼吸を取れる看護師を雇用するようにしましょう。
プロに任せても良い業務
反対にプロに任せても良い業務とは何でしょうか。業務をなかなか効率化できない人は、ここの見極めが上手ではないと感じます。私が考えるに、アウトソーシングしても良い業務とは「本業ではないものの、きっちりこなさなければ動物病院の経営に大きく関わる業務」だと考えます。
たとえば経理業務。売上計算や給与支払業務はあなたの本業ではありませんが、決しておざなりにはできない業務です。そしてミスは決して許されません。経理には専門的な知識が必要であるため、アウトソーシングでプロに依頼することをおすすめします。
また、清掃業務をアウトソーシングするのもおすすめです。ご存知の通り、動物病院には多くの飼い主さんや動物が出入りするため、どうしても汚れやすくなります。動物病院は一般的な人間の病院と同様に清潔さが求められるため、プロの清掃業者に整えてもらうと良いでしょう。
最後に広告やホームページを制作して広告活動を展開する際に、広告代理店やホームページ制作会社に依頼してみてください。ホームページの制作のハードルは低くなっていて、今はリーズナブルな価格で、高品質なホームページを期待できます。ただし、高い集客効果を期待するためには、それなりにプロの知見も必要です。初めて広告活動を展開するということであれば、まずはプロの業者に依頼して、ノウハウを身に付けていきましょう。
一度アウトソーシングを利用すると、自分の業務を想像以上に効率化できることに気づくはずです。本業に集中するためにも、自分が力をいれるところと、人に頼るところのメリハリをつけて、質の高い仕事をこなしていきましょう。