「コピーライターのゴッドファーザー」と呼ばれるアメリカの名コピーライター、ゲイリー・ハルバート氏は生前「強いオファーはコピーをカバー出来るが、弱いコピーはどんなオファーもカバー出来ない」という言葉を遺していたそうです。伝説のコピーライターとして有名なハルバート氏にとっても、オファーの存在は偉大なものだったようですね
私もしばしば動物病院のダイレクトメールにオファーを記載していますが、内容によって異なる反応に驚きます。どうやらオファーの魅力と飼い主さんの反応度はほぼ比例すると言って間違いがないようです。
コストをかけて打ち出したダイレクトメールが無駄になってしまわないように、オファーの内容は、最大限魅力的にしましょう。今回は飼い主さんに響くオファーについて考えてみたいと思います。
なお、オファーのざっくりとした定義についてはこちらの記事で触れていますので、あわせて参考にしてください。
まずは「5:2:2:1の法則」を意識しよう
「5:2:2:1の法則」は有名なダイレクトマーケティングの法則で、DMを送る際には、ターゲットが5割、オファーとタイミングがそれぞれ2割、そしてクリエイティブが1割の割合で重要となる指標です。オファーが占める割合もまあまあ高いと言えますが、それ以上にターゲットとタイミングが重要といえます。
たとえば、法的な問題は別にしてわかりやすい例えで言うなら、「ペット診療サービス半額!」を聞けば、ペットを飼っている人は誰でも反応してくれるでしょう。実際に動物病院に足を運んでくれるかどうかは別として「行ってみようかな」「どんなサービスでも半額になるのかな」など、少しは意識してくれるはずです。
しかし、ペットを飼っていない人にとっては、何の魅力も感じないオファーですよね。また、タイミングを外してしまうおそれもあります。これも法的なものは別にして例えるなら予防接種キャンペーンはある程度打ち出す時期が決まっているため、注意が必要になります。
ターゲットとタイミングを合わせて、初めてオファーの魅力が最大化されます。
魅力的なオファー=無料とは限らない
誰でも考えられるオファーとして、「無料キャンペーン」があります。確かに「無料」の言葉に惹かれる人は少なくありません。ただし、たとえ無料であっても魅力のないサービスや商品を提供されると、飼い主さんはがっかりすることが多い印象です。「こんなにつまらないものを提供している動物病院は、今後も利用したくない」と考えてしまうのですね。
そのようなことがないように、無料が厳しいようでしたら多少お金を取ってでも、価値のある有償オファーを用意しましょう。キャンペーン価格で販売すれば、惹かれる飼い主さんも多いはずです。
限定商品や会員商品で優越感を満たす
割引やプレゼントなど、オファーそのものの内容ももちろん重要ですが、誰にでも同じ条件で提供するのは、少々物足りなく感じるもの。「どうせまた同じキャンペーンをするだろうから」と思われる可能性もあります。
人は「あなただけ」という言葉に弱いものです。そのため、数量限定商品や会員限定の商品を打ち出してみると良いでしょう。購入者は限定されるとしても、特定の層には確実に響く可能性大です。数量を限定すると、オファーを提供する側も在庫を抱えて赤字を出すこともありません。まさに一石二鳥の策と言えます。
オファーに困ったら「謝礼」が無難
オファーの内容を考えていると、結局何が一番喜ばれるのか、わからなくなることがあります。「あれを提供しても喜ばれないかもしれないし、これは需要がないかも…」という場面も少なくありません。
その場合の鉄板オファーと言えば、商品券やクオカードなどを用いた「謝礼」です。もらってイヤな気持ちがする人はほとんどいませんし、老若男女問わず使えるものです。あまり高額なものを用意する必要はなく、500円程度のクオカードで十分といえます。
オファーの内容に困っている方はもちろん、同じような内容でマンネリ化している方は取り入れてみるのはいかがでしょうか。
オファーの魅力を引き出す魔法の言葉
オファーを提供するときには、中身そのものだけではなく、うたい文句も実は重要です。たとえば半額キャンペーンを打ち出すとき、「50%割引」「5割引」といった言い方もありますが、「半額」の方が言葉として強い印象があります。
ほかにも「この機会をお見逃しなく!」「先着〇名!」「特別価格でご提供」などの文句は定番ですが、一定の効果を期待できますので、ぜひ取り入れてみてください。
オファーの内容を少し見直したり、打ち出し方を工夫したりすることで、反響はずいぶん変わってきます。オファーの反応は一回で判断できるものではありませんので、定期的にダイレクトメールを送って、反応を見つつ調整していきます。トライ&エラーを続けることで本当に魅力的なオファーに気づけるはずです。