インターネットの普及により、Web広告を出稿する企業が増えてきましたが、それでも折り込み広告やビラ、ダイレクトメールなど、紙の広告を利用する人は少なくありません。 Web広告とは違って特定のターゲットにアピールできるビラやチラシは、地域密着型の動物病院におすすめの出稿方法です。しかし、この場合に気になってくるのが広告部数です。インターネット広告と違って、 印刷すればするほどコストも手間もかかるビラやチラシはよく見極めて部数を決めなければいけません。そこで今回は紙広告の効果的な部数について考えていきたいと思います。
知っておきたい一般的な広告の反響率
折り込み広告やビラの広告効果を把握するためには、「反響率(反応率)」という言葉を知っておいたほうが良いです。この反響率とは、出した広告の部数に対して得られたお客様からの反応の割合です。具体的な反応とは、商品やサービスの購入、お客様の来店、また問い合わせや売上の増加などを指します。
この反響率は、「反響数÷配布枚数×100(%)」で求められます。仮に5万枚の新聞折込チラシを配布し、5人から反響があった場合、計算式は「5÷50,000×100=0.01%」となります。
この数値を見て、みなさんはどのように思われますか。おそらくほとんどの人が反応が少なすぎると思われるかと思います。しかし、この反響率はやや少なめなぐらいで、実際にあってもおかしくない数字です。一般的にビラやチラシの反響率は0.01~0.3%が平均的と言われています。 幅が広いようですが、これは配布するターゲットや広告の内容によって変わってくるものです。
初めてビラやチラシなどの広告を出すようであれば、反響率も少なめに見積もっておくと良いでしょう。仮に0.01と反響率を確定した場合、たった100枚配布しただけでは、誰からも問い合わせがない可能性があります。1,000枚に増やしても、反応を得られないかもしれません。ある程度の効果を得るためには、最低でも3,000部は出すようにしましょう。3,000部と聞くと多いイメージがありますが、効果を得るためには最初はある程度投資することをおすすめします。
広告部数を決めるポイント
一般的に広告部数は反響率から逆算して発行部数を決められます。10人の新規飼い主さんを獲得したい場合、反響率を0.1%と想定すると1万枚は配らなければならない計算になります。しかし、平均の幅が広い反響率だけで発行部数を決めてしまうと、見誤る可能性もあります。ここでは反響率以外に注目しておきたい3つのポイントを解説します。広告部数を決めるときには、きっと参考になるはずです。
戸建てとマンションとで発行部数を分ける
戸建て住宅が多いエリアの場合、発行部数は少し控えめにしたほうが良いでしょう。反対にマンションやアパートといった集合住宅は一ヵ所で多くの枚数を配れるため、多めに用意してください。ただし、チラシの配布NGと書かれたマンションへの配布は絶対にやめましょう。かえってあなたの動物病院の評判を落とすことになります。
エリアの特徴によっても変えてみる
建物が密集している繁華街か、住宅が点在しているローカルエリアかによっても発行部数を調整する必要があります。ポスティングをする場合、移動時間が短ければ短いほど多くの広告を配布できるでしょう。
駅のように手渡しで配布できる場所があれば、不特定多数の人に渡せるため、多めに印刷しておくことをおすすめします。
配布頻度によっても調整する
あなたはどれくらいの頻度で広告を配布したいと考えていますか。年に何回か配布したいと思っている場合、毎回大量のチラシを印刷すると、コストがかさんで継続が困難になります。そのため、最初は少なめの部数に押さえて、反響を見つつ増減させるようにすると無駄を減らせるでしょう。
反対に特別な機会にしかチラシを打たないと考えているのであれば、多めに印刷して配布期間中にしっかりと動物病院の存在をアピールするようにしてください。
また、もちろん部数だけではなく、魅力のある広告づくりも重要です。広告の作成方法については、以下の記事が参考になりますよ。
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広告のコストを抑えるためには
チラシや広告を出稿する際には、主に印刷費用とデザイン費用のふたつが発生します。1枚当たりの印刷費用の相場は5~15円。カラーよりもモノクロのほうがコストは抑えられます。
デザイン費用の相場は15,000~10万円と、デザイナーによって大きく変動しますが、フリーランスに依頼するとかなり安価で済ませられます。
チラシを1,000枚発行するとなれば3~5万円程度で発行可能ですが、見誤ると不足したり、余ってしまったりすることも。ここではコストを抑えて効率よく出稿するコツを紹介します。
ターゲットを絞って効率の良い出稿をする
一番取り組みやすいのは、ターゲットの絞り込みです。どんなにたくさんの広告を刷ったとしても、ペットを飼っていない人に配っていては意味をなしません。また、一般的に動物病院はアクセスの良さが重視される傾向にあるため、あまり離れたエリアに広告を出しても大きな効果を得られません。フリーペーパーに掲載する時でも、なるべく動物病院の雰囲気やテーマに合った媒体を選ぶことをおすすめします。闇雲に入れるのではなく、ニーズに合わせて効率よく広告を入れるようにしましょう。
紙媒体と合わせてWeb導線を考えておく
ビラやチラシはたくさん刷れば刷るほど費用もかかりますし、1回掲載してしまったら、それで終了となります。しかし、SNSを使ったWeb広告であれば気軽に何度でも出稿することができます。高い効果を得るためにはWeb広告の代理店に依頼して、マーケティング戦略を練る方法もありますが、そうまでしなくても無料でSNS広告は投稿可能です。フォロワーを増やしていけば、より多くの人の目に留めてもらえます。コストを削減するためにも、ぜひWeb広告の掲載も考えてみてください。
ただし、SNSにばかり頼りすぎるのは要注意です。こちらの記事では、SNS広告に依存する危険性について触れています。
関連記事:広告をSNSに頼りすぎるのはNG!複数の手段を採用しよう
ダイレクトメールも忘れない
ビラやチラシと言うと、新規のお客様へのアプローチというイメージがありますが、既存顧客をターゲットに広告を出すことも忘れないでください。ダイレクトメールを既存顧客に送ることで、飼い主さんは自分に訴えかけられているような感覚を覚えるはずです。ダイレクトメールにもハガキやメールなど、さまざまな手段がありますが、コストが限られているようであればEメールがおすすめです。新規顧客と既存顧客、双方にアプローチをかけることができます。
ダイレクトメールの作成方法については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:動物病院がDM(ダイレクトメール)を送るときには読んでもらえる工夫がマスト
広告の発行部数は迷うところですが、インターネットの発展により、不特定多数の人にアピールできるチャンスが広がりました。しかし、それでも自分の動物病院界隈の人にダイレクトに訴えかける時には、身近なビラやチラシが有効です。中途半端な枚数を発行するよりも、まずは3,000部を最低部数に設定して、ターゲットを絞って打ち出すようにしてみてください。