インターネット広告を打ち出した際には、インプレッション数やCTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)などで効果測定を行うイメージがありますよね。
一方、ビラやチラシ、ハガキを使ったDM(ダイレクトメール)では、配布して終了ということも珍しくありません。
しかし、これでは効果的な広告を打てずに、広告費用の無駄遣いになってしまうことも。どのような媒体であっても、広告を打ち出すからには必ず効果測定を行いましょう。
今回は紙媒体における効果測定の重要性と方法を紹介します。
紙媒体の広告における効果測定の重要性
一般的にポスティングをしたチラシの反響率は全国で0.75%と言われています。一方、新聞折込チラシの反響率は0.32%。比較的反響率が高いと言われるポスティングチラシでも、100枚配布して1枚反応があるかどうかの数字です。
さらに紙媒体の広告はデザイン代、印刷代、用紙代、配布スタッフの人件費などの費用がかさむため、インターネット広告よりも費用がかさみやすい特徴があります。最小限の費用で最大限の効果を得るためには効果測定をして、効率の良い広告活動を展開しましょう。
基本的な効果測定の方法
たとえば1万枚配布して3名から申し込みがあったチラシと、1,000枚配布して3名から申し込みがあったチラシでは、同じ結果でも効果はまったく違いますよね。チラシ配布によって得られた効果の大きさは、反響率で求められます。
反響率=反響数÷配布枚数×100(%)です。1万枚のチラシを配布して1名から申し込みがあったとすると、1÷10,000×100=0.01%となりますよね。当然この数値が高いほど、効率的な広告活動ができたということになります。さらにこの反響率に平均顧客単価をかけることによって売上の予測を立てることもできます。
問題は効果測定を行う時期です。配布してすぐでは、まだ飼い主さんが反応しない可能性がありますし、遅すぎてもタイミングを逃してしまいます。目安としては広告を配布した2週間~1か月後に行うと良いです。
クーポンなどに識別番号を振る
新しく来院してくださった飼い主さんが、本当にビラやチラシを見て来てくれたのか、それとも広告とは関係なく来てくれたのか、識別するためにクーポンを利用しましょう。ビラ・チラシにつけるクーポンに識別番号をつけておくと区別できるようになります。クーポン以外にもパラメーター付きQRコードやキャンペーンコードを使用するのもおすすめです。
広告の効果測定を行う際のポイント
ただ反響率を計算して終わりにするのではなく、以下のポイントについても詳細に確認することで、より動物病院の広告活動の課題を可視化することができます。
エリアごとの反応
どのエリアにどの程度のビラやチラシを配布したのかを記録し、来院していただいた飼い主さんの居住地をチェックしましょう。どのエリアを選ぶと反応を得られやすいのかがわかります。あまり遠方のエリアに配布しても来ていただくのは難しいため、チラシを使ってどの範囲まで配布したら良いのか、判断するといいです。
また、高齢の飼い主さんからの反応が多いようであれば高齢者が多く暮らすエリアへ、逆であれば新興住宅地に配布するなど、工夫してみてください。
配布するタイミング
ビラ・チラシを配布するタイミングによっても、反応が変わってくるといわれています。予防接種のキャンペーンを打ち出すのであれば、やはり秋から春にかけて集中的に広告を打つのが効果的です。それも曜日によってどのような反応が得られるのか、細かくチェックしておくと、ベストタイミングがわかってくるはずです。
ビラ・チラシ・DMを使い分ける
紙媒体の広告と一言で言っても、ポスティングで不特定多数の人に対して配布するビラと、エリアを絞って配布するチラシ、そして既存の飼い主さんを中心に配布するDMでそれぞれエリアやターゲットが変わってきます。どの方法が最も自分の動物病院に合っているのかを調べるために、方法別に効果測定をしてみて下さい。
広告のサイズやデザインも変えてみる
用紙のサイズやデザイン、素材など、紙そのものにこだわれるところは、紙広告ならではのメリットと言えます。一般的に広告サイズが大きい方が目に留まりやすいと言われていますが、実際にはどの程度反応に差があるのか調べてみると良いです。デザインも複数作成し、それぞれの反応度の違いを見てみると、最適な広告が分かるようになってきます。
紙媒体の広告にはインターネット広告にはない魅力があります。その一方で、コストがかさみやすい、効率が悪いというデメリットがあることも事実です。最小限のコストで最大限の効果を得られるように、初期段階では必ず効果測定を行いましょう。