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動物病院はペット達の医療機関ではありますが、多くの人間が集まって仕事をしているという意味では、一般企業と何ら変わりはありません。

性別も年代も価値観も違う人間が集まって仕事をしている以上、人間関係の問題というものがどうしても発生しがちです。

しかし、ギスギスした関係が続くとスタッフたちのストレスもたまりますし、離職を招くおそれもあります。

良くない雰囲気が飼い主さんにも伝わって、敬遠されてしまうこともあるでしょう。

そのようなことがないように、一般企業でよく言われる「風通しの良い職場環境」を整えたいものです。

それは動物病院の経営者であるあなたがすべきことだと私は考えます。

今回は風通しの良い動物病院づくりについて考えたいと思います。

風通しの良い動物病院とは

風通しの良い動物病院の職場環境とは、一体どのようなものでしょうか。私は上下関係がフラットで、誰もが意見を言いやすい環境だと考えます。また、ただ意見を言い合うだけではなく、課題に対してお互いが協力し合い、一緒に解決する体制が整った環境こそがベストだと言えます。

企業の中にはセクショナリズム、いわゆる縦割り組織を敷いていて、他の部分が何をしているのか、どのような問題を抱えているのかをまったく知らないというところも少なくありません。

動物病院で例えると、獣医師が看護師の状況を把握できていない、看護師は受付事務のことをまったく知らないという状態がそれにあたります。大企業であればこういった組織になっても仕方がないかもしれません。しかし、中小規模の動物病院でこの状態では、院内全体の雰囲気がどうしてもギクシャクしてしまいます。

自分の職務をまっとうしつつ、他のスタッフが何をしているのかを把握できるように、まずは定期的にミーティングをしたり、意見交換会を開いたりすることをおすすめします。 

風通しの良い動物病院を作るときのポイント

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風通しが良いといえば聞こえがいいものですが、なんでも言い合える関係がエスカレートすると、ただの馴れ合いになってしまうことも。意見はどんどん口にするのに、自分ではまったく責任を持とうとしないという人も少なくありません。これではかえって動物病院の雰囲気が悪くなります。

そのようなことがないように、会議で意見を述べるスタッフは、ただ自分の気持ちや考えを口にするのではなく、同時に解決策や自分ができることを述べてもらうように促しましょう。スタッフ一人一人に任務を自覚させることで、発言にも慎重になるはずです。会議で決まったことには役割分担をして、担当者に責任を果たしてもらうようにしましょう。

暗黙の了解をなくす

あなたの動物病院にも、きっとベテランスタッフがいるはずです。ベテランスタッフが多い動物病院は、その分スタッフ間の「暗黙の了解」が多くなり、コミュニケーションの機会が少なくなる傾向にあります。しかし、「言わなくてもわかる」という慢心が、思わぬアクシデントや情報の伝達漏れを起こしてしまうことがあるのです。特に新しいスタッフが入ってきた時に必要なことを教えなかったために、クレームにつながってしまったという話を、私自身何度も聞いたことがあります。「職場の風通しが悪い」と言うと、スタッフ同士の相性の悪さが指摘されがちですが、特段そういったことがなくても、コミュニケーションの希薄化で院内の雰囲気が悪くなってしまうのですね。

そのようなことがないように、たとえあなたの動物病院がベテランスタッフばかりでも、定期的なミーティングは欠かさないようにしましょう。 

スタッフ全体に気を配るのが獣医師の使命

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「自分の動物病院は意見を言いやすい環境で、風通しが良い」と思っているあなたも、もう一度ぜひ自分の動物病院内の雰囲気を見つめ直してみてください。発に意見が交わされているように見えて、実は特定の人しか発言していなかったというのは、動物病院にかかわらずよくあるケースです。

意見を促されても、自分の考えをうまくまとめられなかったり、言葉にできなかったりするスタッフは少なくありません。その状態で放置していては、なかなか発言できないスタッフにストレスがたまってしまいます。経営者であればそのようなスタッフにも気を配り、個別でヒアリングをするなどして、スタッフ全員から意見を引き出しましょう。会議で遠慮がちにしているスタッフがいれば、ぜひ終了後に声をかけてみてください。

 

動物病院の会議では獣医師や看護師、事務などさまざまな立場からの意見が出てくるものです。それらを上手に集約し、まとめ上げられる獣医師こそが経営者として有能だと私は考えます。まずはぜひ一度、動物病院内の風通しについて考えてみてはいかがでしょうか。積極的に意見を出し合える環境を整えることによって、動物病院の経営改善のヒントが見つかるかもしれません。

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