「とても良い商品で、積極的に飼い主さんにも勧めているのに売上が伸びない」と思った経験はありませんか？
思い当たる節があるなら、その商品をどのように勧めているのか、一度振り返ってみてください。
良い商品だからと思い入れが強いがために、商品の特徴ばかりを飼い主さんに勧めてしまっている可能性があります。
モノがあふれている今の時代にあって、単に「良い商品」とうたうだけでは売上は伸びていきません。
セールストークにもプラスアルファが必要です。
そこで今回は良い商品を勧めるときに取り入れるべきセールステクニックを紹介していきます。
商品説明だけではNGな理由
商品の特徴や効果だけを伝えても、飼い主さんはそれを自分ごと化することができません。「良い商品なんだろうな」と感じることはできても、実際にそれを自分やペットが使用するイメージができないのです。また、商品の特徴や効果というものは大抵決まっています。
ペット用のシャンプーであれば、「毛の流れがなめらかになる」「ツヤが出る」「健康的な見た目になる」といったところでしょう。それを説明したところで、飼い主さんの頭の中では他のペット用シャンプーとうまく差別化されず、「他の商品と似たようなもの」と見なされてしまうのです。
この点を踏まえて考え、飼い主さんに商品を販促するときには商品概要だけではなく、実際に使用するイメージができるように説明してください。
もうひとつ、商品の特徴や効果の説明はなにもあなたがしなくても、説明書やホームページを読めばわかることです。それに時間をかけることはある意味時間の無駄と言えますし、事務的な印象で、飼い主さんの記憶にも残りません。せっかくセールストークを考えるのであれば、インパクトのある話の流れを意識しましょう。
商品の特徴と合わせて飼い主さんに伝えるべき要素
商品の特徴以外に何を伝えれば良いのかわからないという人は珍しくありません。セールスに慣れていない獣医師であればなおさらです。もしあなたがセールストークを苦手としているのであればトークスクリプトを事前に用意し、スラスラと話せるように練習してみてください。
前述の通り、飼い主さんに使用するときのイメージを伝えると、相手も使用する自分を想像しやすくなり、手に取りやすくなります。とは言っても、ただ「ワンちゃんの毛並みがサラサラになりますよ」「ネコちゃんの食いつきが良くなりますよ」といった定番のフレーズだけでは、インパクトに残りません。他社の商品との比較や、多くの飼い主さんに共通した悩みごとを紹介し、飼い主さんが話にのってきたところで初めて商品の紹介をするようにしましょう。
商品価格についても触れよう
商品の特徴だけではなく、価格の説明も重要です。なぜなら飼い主さんの多くは商品価格を気にするものだからです。予算が限られている飼い主さんはどんなに良い商品であっても高ければ手に取りません。また、反対に予算に余裕がある飼い主さんは価格で価値をはかるものです。あまりにも安価な商品であると、「こんなにリーズナブルな商品で本当に効果はあるのか？」と考えることがあります。価値と価格のバランスを伝えてあげることで、飼い主さんも商品を選択しやすくなります。
また、価格をかたくなに言わないと何かやましいことがあるのではと疑われてしまう可能性があります。注意してください。
あなたの人となりを見せる
同じ商品であっても、飼い主さんから買ってもらえるセールスマンと、そうではないセールスマンが存在します。両者の違いはどこにあるのでしょうか。一番大きいのは、そのセールスマンとお客様の関係性です。両者の関係性が近ければ近いほど、商品を勧めたときに飼い主さんは「この人が勧めるのであれば間違いないな」と思って、購入してくれる可能性が高いと言えます。このような関係性をつくることで、トークスクリプトをつくる必要がなくなってきますし、一度の説明で購入してもらいやすくなるのです。
そのためには普段から飼い主さんと積極的にコミュニケーションを取って、どんどん距離を縮めていきましょう。商品を勧めるときに積極的に話しかけると、「商品を買ってもらいたいときだけよく話すなあ」と思われることもなく、ぎくしゃくすることがありません。商品の説明をするときにもロボットのような機械的な説明にはならず、雑談交じりに自然な紹介ができるようになります。
「この商品を売りたい」という気持ちが強ければ強いほど、商品の特徴ばかりを強調してしまいがちです。しかし、あまりに強調しすぎると押し売りのように感じられてしまい、敬遠されてしまうこともあります。セールストークを展開するときには商品の説明だけに留まらない、温かみのある話し方をして飼い主さんの心を捉えましょう。今回紹介したコツを、ぜひ商品販促の場で実践してみてください。
