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普段人と顔を合わせて会話をしている時には気にならなかった言葉でも、インターネットで見ると妙にしゃくにさわるということはありませんか。

私たちの日常にスマートフォンが浸透したことで、こういった機会は多くなっているような気がします。

こうした機会が増えると日常的に交わす人の言葉にも敏感になり、コミュニケーションや人間関係に疲れを感じることがあります。

このような状態で、動物病院内の雰囲気が良くなるわけはありません。

人の言葉を気にしすぎてしまう人は、その性質だけでおおらかな人よりも心理的な負担が重いのでは、とお察します。

メンタルヘルスが注目される昨今、少しでも心のストレスを軽減できるように、コミュニケーション時の考え方を見直していきましょう。

今回は人との会話時の心構えについてお話します。

相手の悪意は本当に悪意ですか?

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例えばあなたが助手席に友達を乗せて、車を運転していたとします。その友達から「目的地まであとどれくらいかかるの?」と聞かれたとしましょう。そのときに、あなたはどう感じますか?そのときの心理状態によるかもしれませんが、「まだ着かないの?」と急かされているように感じてしまう人は要注意。もしかしたら心がお疲れの状態にあるかもしれません。

もちろん本人の言い方にもよりますが、その友達は単純に時間を確認したかっただけの可能性があります。しかし、神経が張っている時や気持ちが滅入っている時には、こういった言葉を悪意と捉えてしまうことがあるのです。

「何それ!私の運転が遅いっていうこと?」などと言い返せば、雰囲気は最悪になってしまいますよね。このような精神状態で、良いコミュニケーションが取れるわけはありません。

自分が何気なく口にした言葉が相手のカンに触って怒らせてしまったという経験は誰にでもあるでしょう。その反対に、「相手は何気なく言葉を発しただけで深い意味はない」というケースも頭に入れておくようにしてください。

感情的な話し合いでは問題解決はできない

「相手に悩み相談をされたから、問題点と解決策を提案しただけなのに相手を怒らせてしまった」という話を聞くことがあります。このトラブルは主に男女関係に多いような印象を受けますが、最近では性別問わずにこういった人間関係の悩みを聞く機会が増えました。確かに誰しもが自分の考えは正しい、人に良く思われたい、認められたいと考えるものですよね。

しかし、動物病院に限らず、ビジネスシーンにおいて共感ばかりを求める姿勢は決して褒められたことではありません。というのも、自分の周りに共感してくれる人材(=イエスマン)ばかりを配置すると独善的になり、本当に目指すべき方向性を見失うことになるためです。経営者や管理職であるのをいいことに自分のお気に入りの人で周りを固めた結果、経営が傾いてしまった人を私は何人も見てきました。

ビジネスシーンで求められるのは、「共感」ではなく「正論」です。自分の意志にそぐわない正論を突き付けられたとき、ムッとすることなく聞き入れるようにするためには、「相手の言うことは基本的に正しい」と、頭の中で思う訓練をしましょう。

相手が正しいからと言って、必ずしもすべての意見を受け入れる必要はありません。それでも貴重な意見のひとつとして一度自分の頭の中で受け止めることで、視野が少しずつ広がっていくはずです。

自分の発言が悪意と取られてしまったら?

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ここまでは他人の発言が自分の心に与える影響についてお話ししました。ここからは、自分の言葉が他人に与える影響について考えてみたいと思います。

自分が何気なく発した注意が、想像以上にスタッフの心を傷つけてしまったということはありませんか。今の時代、こういった行為はパワーハラスメントと捉えられかねないため、獣医師も十分に配慮する必要があります。

しかし、同じ言葉でも人によって捉え方は違いますし、注意すべきところはきちんと注意しなければ、いつまでたっても改善されません。円滑なコミュニケーションを行うためには、まずすぐに悪意と捉えてしまう人のメカニズムを知り、効果的な言い方を考えましょう。

人の言葉をすぐに悪意に捉える人は、自己承認欲求が強いと考えられます。自分の行いや存在を認めてもらいたいからこそ、否定された時には深く傷つき、「先生は私が嫌いだから傷つけてくるのだ」という防衛本能が働いてしまうのです。

一度この思考癖がついてしまうとそう簡単には治らず、コミュニケーショントラブルを起こす可能性があります。それならば、まずは自己承認欲求を満たしてあげてから、注意をするようにしてみてはいかがでしょうか。「君は本当によくやってくれていて、うちの動物病院の助けになっているよ。そのうえでお願いしたいのだけど…」というふうに話を展開することで、相手はこちらの言い分を受け入れやすくなるはずです。

このように、円滑なコミュニケーションをとるためには、日頃からスタッフや自分と関わる人間をよく観察して、その人がどういう性格で、どのような考え方を持っているのかを把握しておく必要があります。

そのため日頃からスタッフとのコミュニケーションは絶やさないようにしてください。そういった日々の信頼関係の構築によって、ちょっとした失言もお互い許せるような間柄になっていくはずです。 

 

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