ガラス瓶の撮影

近年ビジネス用語としてよく使われている「ボトルネック」。

一度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

ボトルネック=bottleneckとは瓶の首の部分を指しますが、瓶の首は底の部分よりも細くなっていて、水を出すときにもっとも時間がかかります。

 

この様子のように、ビジネスでは全体の業務工程のなかでもっとも効率の悪い部分を「ボトルネック」と呼ぶようになりました。

 

どのような企業・組織にも「ボトルネック」と呼ばれる部分は存在します。

もちろん、動物病院も例外ではありません。

他の工程がスムーズに流れていても、たったひとつボトルネックが存在するだけで、全体の流れが行き詰まってしまうこともあるのです。

それを解決するためには、どのような手を打てば良いのでしょうか。今回はボトルネックの見つけ方と解決方法についてお話します。

ボトルネックに対する考え方

ボトルネックを放置しておくと、「生産性や業務効率の低下」「無駄な出費」「スタッフの精神的負担」を招くことになります。生産性や業務効率が低下すると無駄な人件費や光熱費ばかりが増え、長時間労働や休日出勤の発生でスタッフのモチベーションが下がってしまうのです。

とは言え、大企業や大人数を擁する組織のボトルネック改善はそう簡単なことではありません。大勢の人が関わることで組織体制が複雑化し、一筋縄ではいかないことが多いためです。

 

その点、個人経営の動物病院であれば比較的工程がシンプルであるため、ボトルネックの発見・改善もしやすいです。非効率な業務や無駄な出費が目立つようであれば、すぐにでも改善を試みましょう。

ボトルネックを発見するTOCとは

Free photos of Businessman

ボトルネックを解決するためには、まず原因を探る必要があります。このときに用いるのが、TOC理論(制約理論)と呼ばれる考え方です。イスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット氏が提唱したTOC理論は主に生産工程全体を最適化するための考え方で、プロジェクト管理の手法として応用できます。

ボトルネックの部分を集中的に管理し、生産性・効率性の最適化を図ることで、動物病院の経営を改善できると考えられます。

ボトルネックの見つけ方

ボトルネックの内容は組織によって異なりますが、発生しやすい工程に特徴があります。

まず、専門性が問われる工程。動物病院であれば診療サービスが該当します。専門性が問われる業務は対応できる人材がどうしても限られてくるため、業務が非効率化しやすいです。今の診療サービスに無駄は発生していませんか?あなた以外が対応できる業務でも、あなた自身が抱え込んでしまっている可能性があります。そのような業務はうまく分担して業務効率改善を試みましょう。

 

また、完了までに時間がかかる工程もボトルネックになりがちです。キャンペーン期間を無駄に長く設定し、効果測定ができていないということはありませんか?期間が長くなればなるほどどうしてもスタッフの気持ちは緩みがちで、効率性が落ちます。期間を設ける際には、長くても2週間程度におさえると良いでしょう。

 

最後に複数人のスタッフが連携して行う業務もボトルネックになりがちです。確認作業に時間を要し、意見をまとめるにも時間がかかってしまいます。チーム体制を構築する際には、必要最小限のメンバーで業務にあたり、他のメンバーには違う業務を担当してもらいましょう。

ボトルネックの改善方法

Wine, Beverages, Drink, Alcohol, Glass, Red, Liquid

ボトルネックの原因を見つけたら、今度はそれを改善するために全体設計を見直します。人材を増やせば解決する問題なのか、それとも設備を交換・購入すれば効率化されるのか、一度スタッフと話し合ってみましょう。改善策がまとまったら、早急に実践するようにしてください。

もちろん一度の改善でうまくいくとは限りません。もしかしたらボトルネックの原因や解決方法は別のところにある可能性があります。その際にも諦めることなく、もう一度原因の究明からやり直しましょう。トライ&エラーを続けていくことで、ボトルネックを徐々に改善していくことができます。

ボトルネックの改善に役立つツール

ボトルネックの改善にはトライ&エラーが必須ですが、何度も方向性を誤ってしまうとモチベーションも低下してしまいます。適切なボトルネックの改善策を見つけるためには、スタッフのスキルマップを作成して、メンバー一人ひとりのスキルレベルを把握し直します。動物病院全体に不足しているスキルを理解することで、新しい人材の確保や業務内容の見直しなど、改善策を見つけ出せるはずです。ぜひ実践してみてください。

 

複数人のメンバーが集まって仕事をしている以上、ボトルネックはどうしても発生するものです。ひとつ改善されたと思ったら、また新しいボトルネックが出てくることもあります。組織運営には常に気を配り、問題点が見つかったらすぐに対応できる姿勢を身に付けましょう。このように心がけることで、動物病院の経営者としてステップアップしていくことができます。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事