これまでのブログでもお伝えしてきた通り、動物病院の広告出稿は今や珍しいことではありません。
しかし、インターネット広告にしてもビラ・チラシなどの紙媒体にしても、コストがかかることは事実です。
動物病院のスタッフの主観だけで作成した広告が肝心の飼い主さんにはささらず、広告出稿の効果を感じられないと、予算の無駄遣いになってしまいますよね。確実に広告効果を感じるためには、入念な準備を行ったうえで発行してください。
今回は広告の事前準備で大切なアンケート調査についてお話ししたいと思います。
ABテストを紙媒体の広告にも取り入れよう
インターネット広告やWebサイトをリリースする際、ABテストを行う方が少なくありません。ABテストとは、広告やサイトを最適化するためにAとBなど複数のパターンを用意して、同時並行で比較検証する手法です。そして、視聴者からの反応を見たうえで最終的なフォーマットを固めていきます。
比較検証といっても、AとBで内容をガラッと変える必要はありません。むしろあまりにも印象が異なる広告は課題点を見つけづらく、成果につながった要因も見極めづらいものです。
変更するのは広告1枚につき1~2か所程度にとどめておきましょう。テキストやビジュアルも大きく変更する必要はなく、「キャッチフレーズのカラーをそれぞれ赤と青にする」「フレームのフォルムを楕円形と長方形にする」など、些細な箇所で構いません。地味な修正に思えるかもしれませんが、こうした工夫が後々実を結ぶようになってきます。
広告のアンケート調査の実施方法
複数パターンの広告を作成したら、早速アンケートを開始し、どちらの広告に惹かれるのか尋ねてみましょう。この時に大切なのは、なるべく多くの人に聞くことです。ごく限られた対象では意見が偏りますし、有益な意見が得られない可能性もあります。動物病院の広告だからといって、必ずしもペットを飼っている人に聞かなければならないというわけでもありません。
むしろペットを飼っていない人からの意見を募ることによって、新しい気づきが得られます。実際にこれまで動物病院の広告と言えば、クリーンでアットホームなイメージが根強くありました。ホワイトやグリーンを基調にした動物病院の広告をよく見かけますよね。
しかし、それも最近は経済的余裕のある飼い主さん向けの、モノトーンでスタイリッシュな広告が増えてきました。動物病院に温かみや清潔さだけではなく、高級感を求めている方にとって、このような広告は魅力的に映るようです。固定観念にとらわれない、新しい広告は意外と他業種の方からのアドバイスによって生まれます。
普段来院していただいている飼い主さんや院内のスタッフはもちろん、自分やスタッフの家族や同業者、また近隣の商店の従業員さんなど、アンケートに答えてくれそうな方にはどんどん聞いていきましょう。子どもや高齢者の方に答えてもらうのも良いですね。
アンケートの理由もきちんと尋ねる
AとBの広告、単にどちらが良いのかを尋ねるだけではなく、なぜ良いと思ったのか、またはなぜ選ばなかったのか、理由を必ず聞くようにしてください。理由を聞かなければ、自分の広告の改善点にいつまで経っても気づくことができません。辛口だとしても、はっきりと意見を言ってくれる方は貴重な存在です。どのように修正すると良くなるのか、突っ込んだ質問をしてみましょう。
アンケート調査のタイミングも重要
たとえばフィラリアの予防キャンペーンの広告を作成したとしましょう。通常予防は春から秋にかけて行うものであり、広告のタイミングを誤るとまったく反応が得られないことも。その点を考慮して、広告の事前アンケート調査を行う際にも最も反応を得られそうな時期を選びましょう。アンケート調査を複数回に分けて実施する際には、必ず時期を合わせるようにしてください。
アンケート調査実施後の改善方法
アンケート調査の回答にもよりますが、たとえ反応が鈍かったとしても広告の内容をガラッと変えることはおすすめしません。さらにコストと手間がかかりますし、新しい広告が必ずしも受けるとは限らないためです。それよりも部分的に修正を重ねていき、反応を見つつ今後の広告戦略を考えていきます。
また、調査結果をすべて鵜呑みにするのではなく、どの意見を採用するべきかをスタッフ同士で話し合うようにしてください。第三者の意見は重要ですが、気にしすぎると振り回されて、自分の動物病院の色を伝えることができません。そのためにもコンセプトの考案には手を抜かずに、納得できるまで考え抜くことをおすすめします。
インターネット広告の場合は、アンケート調査以外にもさまざまなテスト方法があります。しかし、チラシやビラとなると効果測定はなかなか難しいものです。最も簡単で、飼い主さんにも頼みやすいアンケートで広告の課題点を可視化しましょう。簡単なノベルティを用意しておくと、飼い主さんの回答率も高まります。