新しく広告を制作することになったとしても、専門家でもない限り、そうポンポンアイデアは出てこないものです。
人の目を引き付ける広告となればなおさらでしょう。
そのようなときには他社の広告で良いと思えるアイデアをどんどん取り入れていくことをおすすめします。
ただし、あまりにもマネしすぎると今度はオリジナリティの問題が気になってくるものです。
そこで今回は広告だけではなく、ビジネスにおける「アイデアの模倣」についてお話したいと思います。
広告のアイデア拝借は法令違反にならない
最初に広告の著作権侵害問題について触れておきましょう。日本の広告業界で、過去何度か著作権トラブルが起こっていることは事実です。しかし、そのすべてが違法と認められたわけではありません。日本の法律においては、
- 先行する作品を参考にしている(依拠性)
- 先行する作品に似ている(類似性)
のふたつが同時に認められた際に著作権侵害とみなされるのです。
一方、広告のアイデア自体には著作権がありません。そのため、模倣の程度についてはある程度制作者の倫理観にゆだねられます。既存のアイデアを丸々そのまま取り入れるか、一部を参考にするかによって、完成した広告の印象は変わってくるでしょう。アイデアを参考にしつつ、どこかしらにあなたの動物病院のオリジナリティを取り入れるのがベストと言えます。
参考にする広告のアイデアの選び方
既存の広告のアイデアを参考にすることは、法律違反でないとわかりました。それではどのような広告を参考にしたら良いのでしょうか。おすすめの方法は3つです。
まずは、ひたすら広告を見ること。50枚の広告を毎日眺めていれば、良いと思える広告が多少なりとも見つかるはずです。ピンときたものをあなたの動物病院の広告に取り入れてみると良いでしょう。
何枚もの広告を眺めていると、デザインやキャッチフレーズが似ている広告に出会うはずです。その広告は人気があるパターンだと認識しましょう。良いと思われているから類似した複数の広告が生まれているわけですし、自分の動物病院にも取り入れやすい要素を見つけられるかもしれません。
2つ目は、他社の売れている広告やヒット商品の広告を参考にすることです。たとえあなた自身が良いと思わなかったとしても、その広告は人の心に訴えかける要素があるからヒットしていると考えられます。良いのはレイアウトか、キャッチフレーズか、それとも出演している人物かと深堀して、広告作りの参考にすると良いでしょう。
3つ目は、デザインの参考サイトの閲覧を日課にすることです。例えばWeb広告を打ち出すのであれば、BANNER LIBRARYやBannnner.comがおすすめ。バナーデザインを集めたギャラリーサイトで、クリックされやすいバナーのヒントを見つけることができます。特にBANNER LIBRARYは業種だけではなく、配信されているSNS括りで探すことができるため、SNSを広告活動に用いたいと考えている方におすすめです。
アイデアを取り入れて成功するポイント
成功している企業の広告アイデアを参考にすること自体は、そう難しいものではありません。しかし、マネをするだけで成功するほど、広告活動は簡単ではないものです。「あの動物病院は他社の広告をマネしている」と見た人に感じさせてしまうと、悪い意味での認知度が高まり、かえって客足が遠のく可能性があります。そのようなことがないように、以下のポイントを押さえておきましょう。
1,必ず自社のオリジナリティを加える
レイアウトやキャッチフレーズなどをそのまま取り入れるのではなく、どこかしらにはあなたの動物病院ならではのオリジナル要素を取り入れましょう。他社にはないオリジナル商品を大々的に打ち出すのも良いですし、動物病院のスタッフの顔出しをしてインパクトを生み出すのもおすすめです。その代わり、参考にする部分は徹底的にマネをしましょう。中途半端な模倣はインパクトが薄れ、伝えたいことが伝わりにくくなります。
2,自分たちでマネできるアイデアを参考にする
気に入る広告のアイデアを見つけたとしても、必ずしもそれを参考にできるわけではありません。高い技術力が必要な広告だったり、予算がかかるものだったりすると、参考にならないことも。そうかといって代替案でグレードダウンすると、広告が安っぽい印象になります。あなたの動物病院の参考になりそうな広告から選びましょう。同じ動物病院の広告はアイデアが得られやすくておすすめです。
3,複数のアイデアを取り入れる
「キャッチフレーズはA社が良いと思うが、レイアウトはB社が良い」などと感じたら、両方のアイデアを組み合わせてみましょう。合体させることによって、オリジナリティのある広告が生まれます。ただし、組み合わせによっては相性が良くないものもあります。レイアウト、キャッチフレーズなど、複数の候補を組み合わせたうえで、最もしっくりくると思えるものを選びましょう。
人気のある広告のアイデアを柔軟に取り入れることで、オリジナリティのあるクリエイティブが完成します。まずは日々広告を意識的に見ることから始めてみてはいかがでしょうか。