期限や限定数は守る

あなたは「閉店セール」とうたっている店舗に入って、「これが最後だから」と、ついつい商品をたくさん買ってしまったことはありませんか。
それなのに、そのお店がなかなか閉店することがなく、何ヶ月も何年も閉店セールをうたい続けているとなんだか騙されたような気がしますよね。
しかし、このようなお店が存在していることも事実です。

日本には「景品表示法」という法律があり、消費者を誤認させるようなうたい文句を商品に使うことは禁止されています。
しかし、この閉店セールにはカラクリがあります。
「永久に店を閉める」という意味ではなく、「その日の閉店時間が来たら店を閉める」という、子どもじみた言い訳をしている業者が実在しているのです。

こんな屁理屈を使うお店なんて、利用したくはありませんよね。そして、これは自分たちが経営する動物病院にも言えることです。
より良い経営のためにキャンペーンを打ち出している動物病院がありますが、その時には何のやましさもない、健全なキャンペーンを計画しましょう。そういったところからも病院に対する信頼度は変わってくるものです。
今回のブログでは動物病院がキャンペーンを打ち出す時に気をつけたいポイントについて触れていきたいと思います。

キャンペーン期限や限定数を守ることの意味

たとえば、来院してくれた飼い主さんに感謝の意を示すため、特典を用意したとしましょう。そしてその特典の評判が良く、たくさんの飼い主さんが訪れてくれたとします。
効果の高さを実感すると「もう少し延長しようかな」と思うのは自然な気持ちですよね。
しかし、私はむやみにキャンペーン期限を延ばしたり、先着〇名様にプレゼントと告知したにも関わらず、限定数を増やしたりすることはあまりおすすめできません。

それは冒頭で紹介した閉店セール同様に、「この期間だけだから」と思って来院してくれた飼い主さんの気持ちを裏切ってしまうことになるからです。
「裏切るなんてそんなオーバーな…」と思われる方もいるかもしれませんが、実際に「焦って申し込んで損をした」と考える飼い主さんは少なくありません。

一度キャンペーンを延長してしまうと、「どうせまたこのキャンペーンが終わっても延長するんじゃないの」と思う方が出てくる可能性もあります。
これではかえって新規患者獲得のチャンスを逃してしまうことになりますよね。

また、何度も何度もキャンペーンを打ち出している企業や組織だと「そんなに自分たちのサービスや商品に自信がないのか」と思われてしまうことも。
あくまで自分の動物病院の魅力はキャンペーンの内容ではなく、診療内容にあるということをアピールしましょう。

期間限定キャンペーンの延長は景表法違反になるのか

期間限定をうたっていたキャンペーンを延長することは果たして景表法(=景品表示法)違反にあたるのでしょうか。
そもそも景表法は不当な表示で一般消費者に不利益が生じることを禁止するために作られた法律です。商品やサービスを提供するときに実際よりもお得であると偽って報告したり、患者様に「今だけ」と思わせてしまったりするのは「有利誤認」とみなされる可能性があります。

実際のところ、1回程度の延長であれば咎められないことが多いようですが、かと言って油断はなりません。
延長していることを知った飼い主さんからは「信頼できない動物病院」とみなされ、利用してもらえなくなる可能性があるからです。
消費者の目を欺くような広告表現は結果的にマイナスになりますので、きちんと告知通りにキャンペーンを終わらせるのがやはりベストです。

効率的なキャンペーンを実施するためには
キャンペーンを告知通りに終わらせることの大切さはおわかりいただけたかと思います。

たとえキャンペーンを期間を長く設けたとしても反応がなければ、キャンペーンを実施する意味がありませんよね。
決められた期限内に自分たちの動物病院の魅力を知ってもらうためには、まずキャンペーン期間に注力して、その存在を大々的にアピールしましょう。
キャンペーン期間は短すぎると認知度につながりませんが、反対に長すぎても途中でダレてしまいがちです。
1ヶ月を目安に設定し、長くても3ヶ月程度にとどめておくと良いでしょう。

また短期間で認知度を上げるために SNS などを効率的に使ってアピールするようことをおすすめします。「キャンペーン中なら行ってみようかな」と、思ってもらえるかもしれません。

特典の内容も消費者に訴求できるものになるよう、よく吟味しましょう。ちょっとしたノベルティでは効果がないこともありますので、料金の見直しをしたり、ペットのためになるものを考えてみたりするとよさそうです。

キャンペーンは期間よりも内容が大切です。決められた期間内に最大限の効果を得られるよう、訴求力の高いキャンペーン内容を考えましょう。

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