
今回は商談の際に求められる姿勢についてお話したいと思います。
商談は「ただ話す場」ではなく、飼い主さんの信頼を得て課題解決につなげる重要な機会です。あなたは飼い主さんや業者と取引について話し合うとき、事前準備をしていますか?
大きな商談であればあるほど買い手側は慎重に判断するため、どのような質問にも答えられるような準備が必要と考えます。事前準備が不十分だと、せっかくのチャンスも生かせません。
また、想定される質問への回答以外にも、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
これまで特に準備をせずに、流れに任せていたというあなたもぜひ参考にしてください。
商談の成否は事前準備がものを言う
営業における商談の結果は、準備の段階でほとんど決まってしまうと言われています。限られた商談タイムのなかで飼い主さんの心を確実につかむためには、事前に飼い主さんに関する情報をひとつでも多く集めておき、有益な情報を届けなければなりません。ヒアリングをする際にも、まったく下調べをしておかず、公式サイトに載っている情報を質問していては飼い主さんに失礼ですよね。それでは商談前にはどのような準備をしておくべきなのでしょうか。
営業トークの考え方については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:一方的な質問はNG。営業トークの基本はキャッチボール
商談前に準備しておくべきこと①飼い主さんの基本情報
気の利いた質問ができるようになるためには、最低限以下のような飼い主さんの基本情報、経営理念、事業内容、業界の基礎知識は頭に入れておくようにしましょう。
- 商談相手の名前
 - 病院名
 - 所在地
 - 診療科目
 
これらは公式サイトに掲載されているため、簡単に確認できるはずです。過去の商談履歴や問い合わせ内容の記録があればそれらを確認しましょう。SNSのチェックも行い、関心事などの雑談ネタもチェックしておくと会話も弾みます。
一方、入手が難しいのが商談相手となる担当者の個人情報です。個人の趣味や嗜好、仕事のモットーを理解していることで距離をぐっと縮められるようになります。営業担当者が何度も取引先に足を運んだり、接待をしたりするのもそのためです。初対面の担当者と商談をする際には、いきなり仕事の話をするのではなく、雑談などでアイスブレイクをしましょう。
商談の心がけについては、以下の記事にまとめていますので合わせてお読みください。
関連記事:BtoBでも商談相手は人であることを忘れずにいよう
商談前に準備しておくべきこと②飼い主さんのニーズ
商談を成功させるためには、相手が表面的に求めているものだけでなく、その裏にある本当の課題や潜在的なニーズを見抜くことが大切です。たとえば「診療効率を上げたい」という要望があった場合、単に機器を導入するだけでなく、スタッフの動線や作業フローに無駄がある可能性を考えて提案すると、より実践的で相手に響く提案になります。
また、目の前の課題だけでなく、今後の成長や改善に関わるニーズも意識して整理しておくと、商談の話題が自然に広がり、信頼関係も築きやすくなります。さらに、業界の最新トレンドや他院の成功事例に目を向けることで、自院に合った具体的な解決策をイメージでき、より説得力のある提案につなげることができます。
商談前にこうした視点でニーズを整理しておくと、相手に「自分たちの状況をしっかり理解してくれている」と感じてもらいやすくなるでしょう。
商談前に準備しておくべきこと③質問内容を決める
飼い主さんの基本情報とニーズを把握できたら、その情報をもとに実際にサービス提供時に投げかける質問を決めていきます。基本的な質問項目は以下の通りです。
- 現在利用しているサービス
 - 現在利用しているサービスにおける課題とニーズ
 - 購入予定時期
 - 予算
 - 選定方法
 - 決裁者
 - 利用者
 - 検討中の商品・サービス
 
この辺りの質問内容は事前に準備しておくべきです。
商談前に準備しておくべきこと④飼い主さんからの質問を想定しておく
前述のように質問項目は決めておくべきですが、それだけでなく、これらの質問への回答も想定しておきましょう。その回答についてどのように答えれば良いのか、シミュレーションができるはずです。このときに、「こう返してくるだろう」と回答を決めつけておくのは大変危険です。思わぬ回答が返ってきて返答に詰まると、サービス提供の雰囲気が悪くなってしまいます。経験を積む必要はありますが、あらゆる回答を想定しておいたほうがスムーズに進みます。
あなたがサービス提供をリードするのではなく、飼い主さんのペースで話が進むこともあるでしょう。商品やサービスについて質問を受けるかもしれません。そのときになって慌てることがないように、こちらに投げかけられる質問を想定して、回答をつくっておくことも重要です。
想定される質問リストを以下に紹介します。
- 製品やサービスの特徴・価格・導入事例
 - サポート体制やアフターフォロー
 - 他社との差別化ポイント
 
商談前に準備しておくべきこと⑤同業他社との差別化の整理
商品やサービスの購入を考えている飼い主さんの多くは、複数の類似商品を比較しているものです。そのなかであなたが提案する商品を受け入れてもらうためには、その商品ならではのメリットを強調する必要があります。「自分の商品のことだけ理解しておけば大丈夫」と思うのではなく、類似商品についても調査したうえで独自のポイントを見つけ出しましょう。差別化ができる商品は、多少高額であっても受け入れてもらえるはずです。
商談前に準備しておくべきこと⑥ストーリーを考える
ただ商品やサービスの魅力を伝えるだけでは、飼い主さんの心に響きません。あなた自身から購入したいと思ってもらうためには、「自分の提案が、なぜ飼い主さんにとって必要なのか」をストーリー仕立てで説明する必要があります。これからも良好な付き合いを続けるためには、あなた自身に対してポジティブなイメージを持ってもらう工夫も必要です。
ストーリーの作り方については、以下の記事などで触れていますので、ぜひいくつかお読みください。
関連記事:動物病院の広告には商品効果がわかるストーリーを盛り込もう
関連記事:広告にはストーリーが重要!商品やサービスの経歴はどんどん見せていこう
商談前に準備しておくべきこと⑦必要な資料やツールの準備
商談の場では、資料やツールの準備状況が相手に与える印象にも直結します。パワーポイントやパンフレット、サンプル品などを事前に用意しておくことで、提案内容をわかりやすく伝えられるだけでなく、準備が行き届いた印象を与え、信頼感を高めることができます。
また、タブレットやパソコンなどの機器は、動作確認を済ませておけば、商談中のトラブルを防げます。さらに、名刺や筆記用具も忘れずに揃えておくと、スムーズにやり取りを進めることができ、相手に安心感を覚えてもらえます。こうした細かな準備が、商談全体の成功に大きく寄与するのです。
資料の作成方法のコツは、こちらの記事でも触れていますので参考にしてください。
関連記事:【プレゼンのルール】プレゼン資料はA4シートにまとめるのが鉄則
優秀な営業マンのほとんどは商談前の準備に力を入れています。「その場のノリでなんとかうまくいくだろう」と甘く見ていると思わぬトラブルを招いてしまうことも。サービス提供時や商談時は飼い主さんの貴重な時間を割くことになりますので、失礼がないように事前準備を万端にしてのぞみましょう。丁寧で的を射た説明ができるうえに、どのような質問にもすらすら答えられれば、飼い主さんと確固たる信頼関係を築くことができます。
											
                    
                    
                        
                        
                        
                        
                        
                        
                        