今回は商談の際に求められる姿勢についてお話したいと思います。
あなたは飼い主さんや業者と取引について話し合うとき、事前準備をしていますか?
大きな商談であればあるほど買い手側は慎重に判断するため、どのような質問にも答えられるような準備が必要と考えます。
また、想定される質問への回答以外にも、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
これまで特に準備をせずに、流れに任せていたというあなたもぜひ参考にしてください。
商談の成否は事前準備がものを言う
営業における商談の結果は、準備の段階でほとんど決まってしまうと言われています。限られた商談タイムのなかでお客様の心を確実につかむためには、事前にお客様に関する情報をひとつでも多く集めておき、有益な情報を届けなければなりません。ヒアリングをする際にも、まったく下調べをしておかず、公式サイトに載っている情報を質問していてはお客様に失礼ですよね。それでは商談前にはどのような準備をしておくべきなのでしょうか。
商談前に準備しておくべきこと①お客様の基本情報
気の利いた質問ができるようになるためには、最低限お客様の経営理念や事業内容、業界の基礎知識は頭に入れておくようにしましょう。これらは公式サイトに掲載されているため、簡単に確認できるはずです。問題は商談相手となる担当者の個人情報です。個人の趣味や嗜好、仕事のモットーを理解していることで距離をぐっと縮められるようになります。営業担当者が何度も取引先に足を運んだり、接待をしたりするのもそのためです。初対面の担当者と商談をする際には、いきなり仕事の話をするのではなく、雑談などでアイスブレイクをしましょう。
商談前に準備しておくべきこと②お客様のニーズ
あなたの動物病院に足を運んでくださる飼い主さんのなかには、犬を飼っている方もいれば、猫が好きな方もいるでしょう。診療サービスを受けてくださる方もいれば、トリミングなど、他のサービスを求めている方もいるかもしれません。どのような飼い主さんであってもニーズを把握できていなければ、見当違いな商品・サービスを紹介することとなり、サービス提供が失敗に終わってしまいます。これは準備不足と言わざるを得ません。サービス提供前には飼い主さんのニーズを探り、競合病院の動きをチェックし、自分たちが提供できるサービスを考えましょう。これはいわゆる3C分析と呼ばれるフレームワークです。
商談前に準備しておくべきこと③質問内容を決める
飼い主さんの基本情報とニーズを把握できたら、その情報をもとに実際にサービス提供時に投げかける質問を決めていきます。基本的な質問項目は以下の通りです。
- 現在利用しているサービス
- 現在利用しているサービスにおける課題とニーズ
- 購入予定時期
- 予算
- 選定方法
- 決裁者
- 利用者
- 検討中のサービス
この辺りの質問内容は事前に準備しておくべきです。
商談前に準備しておくべきこと④お客様からの質問を想定しておく
前述のように質問項目は決めておくべきですが、それだけでなく、これらの質問への回答も想定しておきましょう。その回答についてどのように答えれば良いのか、シミュレーションができるはずです。このときに、「こう返してくるだろう」と回答を決めつけておくのは大変危険です。思わぬ回答が返ってきて返答に詰まると、サービス提供の雰囲気が悪くなってしまいます。経験を積む必要はありますが、あらゆる回答を想定しておいたほうがスムーズに進みます。
あなたがサービス提供をリードするのではなく、飼い主さんのペースで話が進むこともあるでしょう。商品やサービスについて質問を受けるかもしれません。そのときになって慌てることがないように、こちらに投げかけられる質問を想定して、回答をつくっておくことも重要です。
商談前に準備しておくべきこと⑤同業他社との差別化
商品やサービスの購入を考えている飼い主さんの多くは、複数の類似商品を比較しているものです。そのなかであなたが提案する商品を受け入れてもらうためには、その商品ならではのメリットを強調する必要があります。「自分の商品のことだけ理解しておけば大丈夫」と思うのではなく、類似商品についても調査したうえで独自のポイントを見つけ出しましょう。差別化ができる商品は、多少高額であっても受け入れてもらえるはずです。
商談前に準備しておくべきこと⑥ストーリーを考える
ただ商品やサービスの魅力を伝えるだけでは、飼い主さんの心に響きません。あなた自身から購入したいと思ってもらうためには、「自分の提案が、なぜ飼い主さんにとって必要なのか」をストーリー仕立てで説明する必要があります。これからも良好な付き合いを続けるためには、あなた自身に対してポジティブなイメージを持ってもらう工夫も必要です。
優秀な営業マンのほとんどは商談前の準備に力を入れています。「その場のノリでなんとかうまくいくだろう」と甘く見ていると思わぬトラブルを招いてしまうことも。サービス提供時は飼い主さんの貴重な時間を割くことになりますので、失礼がないように事前準備を万端にしてのぞみましょう。丁寧で的を射た説明ができるうえに、どのような質問にもすらすら答えられれば、飼い主さんと確固たる信頼関係を築くことができます。